9月1日
17歳の頃、同級生が飛び降りて死んだ。
今でも少し、その子が羨ましいと思ってしまう自分がいる、それが嫌で、でも、その気持ちもわかる気がして、僕はまた思い出す。
大丈夫じゃない人に「大丈夫。」なんて言えないし、すでに頑張っている人に「頑張れ。」なんて言えない。言葉で心は簡単に潰れてしまう、よくも悪くも、心は自分が思っているよりも脆いから、慎重に言葉を選ぶ、その結果何も言えなかったとしても、誰かを殺すよりもずっとマシだ。
コロナで色んな調整が行われて、今日から学校の人がどれくらいいるのかわからないけど、制服に着替えて、家の扉を開けただけでも、大丈夫、君は頑張ってる。無理しないでと言ったら、きっと君は余計に苦しくなるから言わないけど、せめて君が辛くなった時に帰って来れる場所を、僕が作れたらいいのにって思うんだ。
偉そうなことは言えない、君の心を救う言葉だって見つけられないけど、隣に座って話を聞くくらいはきっと僕にだってできるから、その時は話してよ、そしたらほら、君はひとりじゃなくなる。そんなんじゃ、ダメかな。