遊びと学びと楽しさがあり、思わず前のめりになる思い出
百人一首‥
お正月、祖母の家で、
いとこ全員でかるたを囲んだ
祖母が詠む、流暢だ
畳の上に並ぶかるた
一点集中、みな前のめりになる
歌が始まる
更に前に傾く
幼い私は、字を読むのがやっと。
だから、かるたよりもみんなが喜んだり悔しがったり、そんなやりとりを見ていた
楽しい時間だった
祖母はうたを詠みながら
そっとかるたの位置を教えてくれた
そんな優しさを思い出す
百人一首
坊主めくり、
お姫様が出ると嬉しくて
こどもが大人と一緒に参加できるゲームに加わり、輪の中に入れたことが
とても嬉しかった
みんなと一緒に笑った思い出だ
ルールは忘れてしまったが、
蝉丸というお坊さんを知る
あぁ、懐かしや
小学生の時
百人一首クラブに入る
先生が歌を詠む
祖母の歌の詠み方とは違っていた
それが少し嫌だったけれど
かるたの並べ方も違ったけれど
多分あれが正式なのだろう‥
小野小町のうたを覚えた
花の色は 移りにけりないたづらに
わが身世にふる ながめせしまに
先生がよみあげると、えい!と取りに行ったものだ。
百人一首は、絵で楽しみ、
情景や気持ちも楽しみ、
皆で楽しむ、そしていつしか歌を覚えている
その後、授業の中で六歌仙や紀貫之や持統天皇を知る
つながっている
遊びと学びは繋げてくれる
天の原 ふりさけ見れば 春日なる
三笠の山に 出でし月かも
山の月がくっきりと見えるそんな姿を想像した
嵐吹く 三室の山の もみぢ葉は
龍田の川の 錦なりけり
たつたという響きが好きだった
人はいさ 心も知らず ふるさとは
花ぞ昔の 香ににほひける
花と香りが漂ってきそうだ
天津風 雲の通ひ路 吹き閉ぢよ
をとめの姿 しばしとどめむ
をとめの姿、をから始まるかるたに興奮した
春すぎて 夏来にけらし 白妙の
衣ほすてふ 天の香具山
てふをちょうと詠む音がおもしろかった
瀬をはやみ岩にせかるる滝川のわれても末に逢はむとぞ思ふ
こどものときは、川のイメージしか思い浮かばないが、大人になると、出会いや別れ、運命など、心情に訴えてくるものがある、そんな自分の感じ方の変化が面白い
記憶に残る歌をあげてみると
しみじみと、深い
共感する
時空を超えて
歌はこれからも続く、生きている
あぁ、また誰かと車座になって
かるたとりをしたいものだ