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ハワイの恋が終わり苦しみの先に、悟りへの道が開けた 38

第五章 38 ヒーラー荒木和義先生の個人セッション

クリスと別れてから半年経ったころに遡る。
私は気持ちが落ち着いた、と自分では思っていた。しかし、だんだんと食べられなくなり、体重が減っていったのも事実だった。その時は、執着心ではなく、憎しみだった。こいつのせいで私はテレビ局をやめた。テレビ局ではクリスはクライアントだったから、どうしても連絡を取らねばならない用事ができ、打ち合わせでも会う機会がある。それが嫌だった。もう縁を切りたかった。   

すぐそばで声が聞こえた

「あの録画を取り上げてしまえば、クリスは困るのではないか?」

私はクリスに、今までの録画を、今後一切使わないように指示した。

するとまた声が聞こえた

「料金を高くすれば、番組を買えなくなって、出演をやめるのではないか。あいつを公共の場所から追い出してやれ」

クリスの番組の放送料金は、私が社長に掛け合って、安くしたのだった。

今思えば、あれは低級霊の声だったのかもしれない。次々に、クリスが不快になることを思い付いた。

クリスは返事を書いてきた

「どうしてそんなことを言うの?」

クリスは自分のしたことがわかっていなかった。実際、クリスはそんなに悪くなかった。安いギフトカードを渡した以外には。

私はまだ深呼吸が出来ない。胸のあたりが固くて、苦しいのは変わらない。

私は人に会うたびに、クリスのやったことを話していた。二人を知る友人ケリーが言った。ケリーは私のまつげのエクステンションをしてくれていた。

「りささん、私だったら電話番号も持ち物も、クリスに関連する物は全て捨てて、忘れることに徹するわ」

彼女は恋愛の達人だった。ずっと後になって、彼女の言ったことは正しい事に気が付いた。終った事は、もう忘れるのだ、捨てさるべきなのだ。

話せる相手には、始めから最後までのストーリーを話して歩いた。話さなければ苦しかった。

私は人に話したから、うつ病にはならかったと思う。何度も同じ話を聞かされた友人に感謝する。聞いてくれてありがとう。私には、クリスと別れた日に元彼の龍一と偶然道で遭って、関係が元に戻っていた。もちろん、龍一もクリスの話は聞かされていた。

龍一はその度、私に尋ねていた。

「お前はまだクリスが好きなのだろう?」

人の言うことに惑わされて、龍一がそばに居ながらも、クリスを取返したいと思う時はあった。執着以外の、何物でも無かった。うつ病ではなかったが、気が病んでいた、病気だった。
こうならない為に、もう一つやっておくべき事があった。それを知らなかったから、この病は治るまで長くかかってしまった。

それは、自分の感情に寄り添うこと。

私は意地悪をする自分も嫌だった。言った後に後悔して、クリスに言った内容を撤回した。どうして良いか解らなくて、自分がつぶれそうに苦しいから、人にクリスとの別れ話を話して来た。その時には、なぜそうしているかはわからなかった。自分の感情を置き去りにしていたことを。

どうすればよかったのか。

(りさ、苦しいよね、憎らしいよね、悲しいよね)

と、自分の感情を受け入れなければならなかった。負の感情を、しっかり味わう事をしないといけなかった。でも、私には、まだその仕組み、自分を癒す事を知らなかったし、渦中にある精神状態では、この作業は出来なかったのかもしれない。

一般的に、このようにひどく気が病んだ時は、友人や肉親に話しても気が晴れなければ、プロのカウンセラーに話を聞いてもらうと良いことは知っている。アメリカなら、割と気楽に精神科に行く人も多い。

私の場合は、千佐子というヒーラーが寄り添ってくれた。

別れて2ヶ月立った頃、私をずっとサポートしてくれた千佐子さんが、ヒーラーのイベントに誘ってくれた。丁度、日本に里帰りしている間、夏の日のイベントだった。

千佐子ちゃんはその人物についての、彼女との出会いを説明した。

「友人に会うと良いと言われて、少し前に個人セッションしてもらったのだけど、私の場合は、セッションと言うよりは、私と同じ方向で霊的なことを捕らえているなと、良い感じがしたのよね」と言っていた。

千佐子はチャネラーであり、人の病気も治すヒーラーである。

霊能者としては、予約がいっぱいで忙しすぎて、自分の時間を持ちたかったことも有り、ある時期からそういう能力は伏せて、普段はマッサージ師として実家で働いている。ただ、噂を聞いてきたお客さんには、そういう話もするし、治療に役立つ事は、お客さんに特に伝えずに、見えない力を使っているのだ。千佐子はもう人に救いを求めては居ない。自分の力や考え方が、他のヒーラー達とどうなのか、という相違点に興味があって、勧められればなるべく霊能者に会ってみると言っていた。そのように荒木先生に出会っていた。 

『荒木先生と一緒に浴衣で屋形船に乗る夕べ』

に千佐子ちゃんと一緒に参加した。

美容室で髪を結って浴衣を着せてもらい、タクシーで船着場まで行った。
早く着きすぎて待っていたら、若い髪の長めの浴衣姿の男性が来た。荒木先生だった。二人でしばらくいたが、しゃしゃり出てはいけない気がして、あまり話さなかった。ヒーラーと一緒なのだ、聞きたいことを聞けばよかったのかもしれない。結局、千佐子ちゃんが来てから紹介してもい、船を降りてから少し話を聞いた。5年くらいは待たないと次の人は現れないこと、あとはなんだったか。。。私はその時も龍一と付き合っていたし、結婚候補もすぐに出てくるものだと思っていたので、5年も待つことに驚いた。

その頃から、初めて千佐子がすごい霊能者であることが分かってきた。私をずっと日本から、無料でサポートしてくれていた千佐子ちゃんだ。ありがたい。

荒木和義先生は有名なヒーラーであり、チャネラーだ。ハワイに遊びに来る予定があると船上で聞いた。

彼はハイアーセルフと繋がったり、大天使、守護天使と繋がったりして、メッセージをおろす。

早速個人セッションの予約をした。

1か月後のその日になり、ワイキキの、指定のホテルの部屋へ通された。

私はこの先生に、守護霊が誰か、守護天使は誰かを尋ねた。

荒木先生は答えた。

「りささんの守護霊は、江戸時代の料理屋の女将さんだった、オタカさんと言う名前なのね。守護霊は過去世の自分であるが、過去世の中でも現世の自分より、少し優秀な人が役を引き受けてくれるの。

そして守護天使の名前はナタリー。大天使はあまり表に出てきていないわねえ、あえて言えばガブリエルね。

人には誰でも、数人の見えない応援者が何人かついていてくれているの。一人じゃないのよ。」

次にいつものストーリーを話した。なぜまだこんなに苦しいのか尋ねた。

「ああ、その彼ね、クリスさんは、過去世では庄屋の若旦那でね。りささんは芸子で、その若旦那の恋人だったのね。結婚しようと言われて、あたしは身分が違うけど、と思いながらも、庄屋の若奥さんになった自分を思い描いたりして、嬉しかったのよ。そうしたら案の定、庄屋の主、つまり若旦那のお父さんが大反対して、その話はなくなったの。クリスはそういう相手ね。彼とは他の過去世でも会っているのだけど、いつも成就していない。ソウルメイトとはいえないね。」

私はその芸者の、無念な悲しい気持ちが、痛いように分かった。今世では、私が先にクリスを嫌になったとはいえ、後で出てきた執着は、その時のエネルギーだったのだと納得した。

「りささんは、彼と結婚したく無いのでしょう?りささんは、ホレられていると思っていたのに、ひょいひょいと向こうに行ってしまったクリスが、許せないのよ」

その通りなのだ。クリスのことは、とっくに私の結婚相手から圏外に置いていたのだ。なのに、ひょいひょい行くから、腹が立つのだ。いや、私の言う事を聞かなくなったから。

私はパラレルワールド、パラレルライフについて聞いた。

「今までいろんなことを答えてくださったわけですが、パラレルライフがあるとすると、クリスと結婚するりさがいたり、結婚しないりさがいるのでしょう?」とりさ

荒木先生は言った

「どうして結婚する、しないって言うの?結婚したくないのだから、彼と結婚するとか、自分の選択から外れているのよ。外れていることを、わざわざ考えなくて良いのよ」

りさは納得した。やはり、運命は変えられるのだ。いや、変えたと思ったのも、もう別れることは決まっていたのか。とにかくは、大まかには決まっているらしい。生まれる前に決めて来たというヒーラーもいる。月や年が少しずれたりする。

千佐子ちゃんが私とクリスの過去世を見てくれた時がある。彼女が教えてくれたのは、

「ヨーロッパの小さな町で、りさちゃんのお父さんが王様だった時があるの。りさちゃんはまだ小さな子供で、王女様だったのだけど、毎朝その町をお父さんの馬に乗せてもらって一緒に散歩をしていたの。同じルートで回るのだけど、いつも同じ角でフルートを吹いている少年が居たのね。りさちゃんは、小さい頃からそれを見ていて、だんだん成長してきた頃には、彼ともお互いに挨拶するようになったの。彼は農民で身分が違うから、お話をすることは無かったけど、存在を認め合っていた。王女のりさちゃんは、宮殿に立派な音楽師が来て、サロンコンサートがあったり、隣の町の宮殿に聞きに行ったりしていたの。ああ、このフルート吹きの青年も、サロンコンサートで演奏させてあげたいな。と強く思った。

でも、王女は成長し、よその町のプリンスと結婚して、この町を離れたの。それ以来、もうこのフルート吹きの彼に会うことはなかった。

だから今世で、クリスをプロデュースしてCDが世に出たことで、りさちゃんの過去からの願いを達成させたのよ。」

と言うことだった。

荒木良和先生が、まだ苦しんでいた私に、いらないエネルギーを手放すワークを教えてくれた。

嫌な思いを物質に変えて、それを箱に入れて爆破する。爆破したら、元にも戻れと言うと、浄化されたエネルギーが頭上で集結して光の珠となり、それを頭から自分に入れて、浄化したエネルギーが自分に戻るというワーク。

これを知ってから、1日に何回箱を爆破させただろう。20回以上か。1年以上これをしているうちに、爆破しなくても良くなった。2年後には、思い出してもすぐに違う思考に切り替える事が出来た。


オアフ島の西側、マカハのサンセット

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