ハワイの恋が終わり苦しみの先に、悟りへの道が開けた 47
第六章 47 感情を味わう
クリスと別れてから半年、りさは落ち着いたように思われたが、食べ物が喉を通らなくなっていき、体重が減った。その時は執着心ではなく、憎しみだった。
こいつのせいで、私はテレビ局を辞めた。テレビ局ではクリスはクライアントだったから、どうしても連絡を取り打ち合わせで会う機会が出来てしまう。それが嫌だった。もう縁を切りたかった。それなのに、あの時声が聞こえた。
「あの録画を取り上げてしまえば、クリスは困るのではないか?」
私はクリスに、録画を金輪際、使わないように連絡した。
クリスの番組の放送料金は、りさが社長に掛け合って最も安かった。すると、また声が聞こえた。
「料金を高くすれば、番組を買えなくなるのではないか」
今思えば、あれは低級霊の声だった。次々にクリスが不快になることを思い付いた。
クリスは返事を書いてきた
「どうしてそんなことを言うの?」
クリスは自分のしたことがわかっっていなかった。
実際、クリスはそんなに悪くなかったのかもしれない。
私がやらなければいけなかったことは、何なのか。
私が会う度に、何回もクリスの事を話していた友人、ケリーが言った。
「りさ、私だったら電話番号も持ち物も、クリスに関連する物は全て捨てて、忘れることに徹するわ」
ケリーは恋愛の達人だった。後でおみ出してみると、彼女は正しかった。終ってしまった嫌な出来事は、もう忘れるのだ、捨てるべきなのだ。それらには、クリスのエネルギーが宿っているからだ。
私がやったことは、話せる相手には、始めから最後までのストーリーを話して歩いた。その時は苦しかったから、話さずにいられなかった。多分、その行動、負のエネルギーを外に出し、発散する事によって、精神病者にはならかったともいえる。
何度も同じ話を聞かされた友人に感謝する。聞いてくれて本当にありがとう。
りさにはクリスと別れた日に、元彼と偶然出会い、恋人関係が元に戻っていた。
もちろん、龍一もクリスのことは聞かされていた。龍一は、いつもりさに尋ねていた。
「お前はまだクリスが好きなのだろう?」
クリスとりさはお似合いのカップルなのだから、元に戻った方が良いと言う、友人の言葉に惑わされて、龍一がそばに居ながらも、クリスを取返したいと思う時はあった。クリスが私に戻ってくるように、神に祈った時期もあった。それは、執着心以外の、何物でも無かったのだ。実は、気が変になっていた。軽く精神病者だったのだ。
もう一つやっておくべき事があった。それを知らなかったから、執着が長引いてしまった。
自分の感情に寄り添うこと。
私は、クリスに意地悪をする自分も嫌だった。どうして良いか解らないけど、思い付いた意地悪をぶつけないと、自分がつぶれそうに苦しかった。
行動を起こした後に、因果応報が怖くて、すぐに意地悪を取り消して謝った。でも、自分の感情を置き去りにした。
(苦しいよね、彼はひどいよね、意地悪したってしょうがないよ。りさは頑張っている、大丈夫)って自分の感情に向かい、受け入れなくてはいけなかった。
しかしながら、渦中にある精神状態では、自分でこの作業は出来ないのかもしれない。
りさは、2年経った頃、ヒーラーの松尾みどり先生に個人セッションをしてもらった。
私の感情に寄り添ってくれた。
「苦しかったわよね、悲しかったわよね。でももう少しで出口よ。今日、私のところに来たということは、帰る時には新しいあなたに生まれ変わっているという事なのよ」
と言ってくれた。感情に寄り添ってもらう言葉を聞くと、大抵の人は涙が出る。心が癒されるのだ。私も大粒の涙が頬をつたった。
置き去りにした感情を開放する必要があったのだ。