「寅次郎の結界」no2・・・
「寅次郎の結界」no2
もう一つは玄関から
一度、外に出た
一瞬のスキを
「うっかりしていた」
玄関を開け、物を運ぼうとした時だ
虎次郎が居ないことは把握していたが
背を低くして走ってくる虎次郎を見た
「あぁっ」と
玄関を出た
「脱走とか逃げた」のではないと思う
ほんの好奇心からだと思っている
追うと逃げる・・・・
虎次郎もまたどこに行けばいいんだろうと思案している節もある
ゆっくりゆっくり近づく
虎次郎も距離を保ったまま
ゆっくりゆっくり移動する
家の裏に回った
ここから塀を登ってしまえば・・・
もう駄目だと・・・
あきらめたふりをして遠巻きからしゃがんで
「寅次郎」と呼んで見た
恐る恐る近づいて来た
「ほっとした」
そういう事で寅次郎の結界は
ベランダと玄関
鬼門と呼んでいいんだろうか
一度、寅次郎と話しあってみたいものだ