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大きなものへの印刷
清澄白河にある製版会社、特殊阿部製版所です。
今回は「大きなものへの印刷」についてお話しします。
わたしたちの生活に欠かせない飛行機や新幹線、
集客する上で欠かせない、看板やのぼりやのれん……
あんなに大きなものへどうやって印刷してるんでしょうか?
飛行機や新幹線への…印刷?
出端を挫いてしまいますが、
飛行機や新幹線へ施されている文字や絵柄は
実は「印刷」ではなく「塗装」なんです。
でも「印刷」と「塗装」って何が違うんでしょうか?
「印刷」と「塗装」の違い
言われてみると何なんだろうと思いますよね?
これは「目的」が異なる、と捉えてもらえるといいかもです。
一般的に印刷(インキ)は、情報を伝達するために行います。
そのため、絵柄や色が元データどおりに表現されているか?
文字がつぶれたりかすれたりしていないか?
指で擦ったら剥がれないか? といったことが重要になります。
ですので、インキの配合もその方面に特化したものになっています。
一方、塗装(塗料)は本体を保護するという目的があります。
飛行機や外壁、屋根などを塗装するのは、外観の問題もありますが、
雨や紫外線、腐食などから本体を守るために行う、という側面が大きく、
塗料の配合もその方面に特化したものになっています。
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お店の看板やボードへの印刷
お店の目印となる看板やボード、
あれも塗装?と思うかもしれませんが、
平面でフルカラーですと、印刷が多いです。
多くは大判のインクジェット印刷機でカラー印刷を行った後、
耐候性のため、UVラミネート等を行い、
アクリルや金属版などの下地と合体させれば完成です。
※色数や素材によっては、シルクスクリーン印刷のケースもあります。
※木製や金属の板のみでつくられた看板などは、彫刻やエッチングで加工されています。
のれんやのぼりへの印刷
お店をオープンしたいな、と思ったり、
もっと集客したいな、と思ったら
のれんやのぼりを作ることもありますよね。
のれんやのぼりなどの印刷する方法は、
インクジェット印刷、シルクスクリーン印刷、
昇華転写印刷、ダイレクト昇華印刷、
と、たくさんあります。
素材やデザイン、用途(イベント出展用なので防炎加工が必要、など)
によって、最適な印刷方法を選定します。
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自動車やバスへの印刷
街を歩いていると、
車体全面に広告が施されている自動車やバスをよく見かけますよね。
あれはカーラッピングと呼ばれ、専用のインクジェットプリンターで印刷したフィルムを貼り付けているんです。
フィルムはいくつかの種類があり、
耐久性や光沢感(ツヤ/マット)などによってベストなものを選定します。
カーラッピングはPRの側面を強く感じるかもしれませんが、
純粋に車のカラーチェンジなどのために行うケースもあります。
車のカラーチェンジですと、
ラッピング以外にも塗装という方法もありますが、
塗装の場合、将来のに査定額に影響が出る場合もあります。
ラッピングであれば、いつでもはがせて元の状態に戻せるので、
ちょっと気分を変えたいときにカーラッピングでカラーチェンジをする、
という方も多いようです。
各印刷における最大印刷サイズ
つづいては、主な印刷方法による最大印刷サイズについて
お話しさせていただきます。
パッド印刷
パッド印刷は曲面や内面に印刷できることが強みです。
詳しくはコチラ👇
パッド印刷で大きなものへの印刷……
代表的なものは「 お皿 」です。
お皿の絵柄を1枚1枚に手書きすると大変ですよね。
大きめのお皿に絵柄を印刷する場合は、
バケツぐらいの大きさのシリコンパッドを使って印刷し、
その後、焼き入れを行います。
ぷるぷるしたシリコンパッドで大きなお皿に模様が印刷されるのは、
壮観ですよ。よかったら動画を見てみてくださいね。
Googleで「 お皿 パッド印刷 」で動画検索 🔍
シルクスクリーン印刷
シルクスクリーン印刷とは、孔版印刷の一種で、
メッシュ状の版に、インキを通過させる部分とさせない部分をつくります。
この版の上にインキを載せて、スキージとよばれるヘラのようなものでインキを押し出すと、孔の部分だけインキが通過し、下に置いてあるものにインキが転写される、という印刷方法になります。
シルクスクリーン印刷は、
水と空気以外の平面のものであればあらゆる素材に印刷できる!
というのがウリです。
また、蓄光加工や厚塗り加工、ラメ加工などもでき、
幅広い加飾が可能です。
大型のシルクスクリーン印刷機であれば、
1,500mm*3,000mmサイズの印刷が可能です。
わたしたちの身近にある、大型スクリーン印刷の事例は
「ホワイトボード」や「黒板」への印刷です。
※インクジェットで印刷されているケースもあります。
インクジェット印刷
インクジェット印刷とは、
CMYKの4色のインキを霧状に噴射することで、
直接製品に印刷する方法です。
無版印刷になりますので、版をつくることなく、
写真やフルカラーデザインの印刷が可能です。
基本的に、わたしたちの目に入る大きいものかつフルカラーの印刷物は
この「インクジェット印刷」であることが多いです。
大型の機械をお持ちの会社さんであれば
百貨店の懸垂幕(垂れ幕)なども印刷可能です。
昇華転写印刷
昇華転写印刷とは、
あらかじめ印刷したい絵柄を転写紙に印刷し、
その後、その転写紙を印刷したいものに重ねて、
熱と圧で密着させると、絵柄が転写される、という手法です。
最大転写可能幅は、印刷機にもよりますが
1,600mm~1,900mmくらいです。
大人1人分ぐらいのサイズですね。
〔 昇華転写印刷とインクジェット印刷の違いは? 〕
昇華転写は転写紙を加熱&圧着することで生地や印刷物へ印刷します。
インクジェットは生地や印刷物に直接印刷します。
最適な印刷を選択する方法
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印刷方法、たくさんあって迷ってしまいますよね。
はじめて印刷してくれる会社さんを探す場合、
色んな会社さんのWebサイトを見て、連絡して、
たくさんのことを確認、調整しないといけません。
正直、骨が折れる作業ではないかと思います。
また、そこまで奔走してやっと納品されたものが、
1回使ったら印刷が取れてしまい、売り物にならない、
というようなケースもあります。
弊社には、製版業として培った印刷会社さまとのネットワークがあります。
「どの印刷方法がよいのかわからない…」
「どこへ頼めばよいのかわからない…」
「印刷できる会社さんが見つからない…」
そんなときは、どうぞお気軽にお問い合わせください。
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