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subarasikiai
眠りの魔法
わたしの部屋に遊びにくると寝てしまう友達がいた。
お茶を出したりして、話しているといつの間にか寝ている。
え?!今 話してたのに?!と2度見したこともある。
そんなときわたしはひとりでマンガを読んで過ごした。
そして、は~!よく寝た!と言って起きあがった友達は、もう帰らないといけない時間になっている。
わたしはもっとおしゃべりしたかったな~と思うのであった。
今ではみんな離れ離れでそれぞれ家庭もあり、ふらりと遊びに来ることはなくなった。
一人暮らしをしていたときや実家にいた頃の話だ。
あの頃わたしはずっとマンガを描いていて、あいつはいつも家にいるということで友達がきていたのだと思う。
わたしの眠りの魔法がよく効く友達は3人くらいいて、ときには友達が連れてきた初めて会う子も眠くなってきたというときがあった。
友達同士で、わかる〜!眠くなるよね〜と言う子もいれば、え?全然眠くならないんだけどと言う子もいた。
どこの家でも寝る子もいたかもしれない。
でもそうでない子もいた。
部屋の雰囲気なのか、なんなのか。
わたしがどちらかというと静かなタイプだからなのか、
うちに来てもつまらないのか、
なんだろうな~と思っていた。
あるとき、眠りの魔法が強く効く友達がこう言った。
自分の話を聞いてもらって安心して寝ちゃうのかも、と。
それならよかった。
安心してくれているのなら。
退屈なのかと思った。でも退屈でもいいのかも。
ごろごろして休んでいったらいい。
RPGの宿屋のようにHPを回復させてあげたい。
休息の場所になれたらいいなと思う。
眠くさせてしまうことはわたしのいいところだということにしておきたい。