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【楽曲感想・エッセイ】4s4ki「おまえのドリームランド」~生活と気高さについて~

最近、4s4ki(アサキ)の「おまえのドリームランド」という楽曲にドハマりしています!
感想記事を書きましたので、もしご興味ありましたらぜひ読んでみてもらえると嬉しいです!
曲の感想を書く際に、ちょっと人生観っぽいことにも言及してます! 書きたいことを書いているのでそうなっちゃいます! ご了承ください!


4s4ki - おまえのドリームランド

「おまえのドリームランド」
Music,Lyric : 4s4ki
Sound produce:KOTONOHOUSE
MV Director:Yusuke Oikawa

聴いているあいだ、非常に幸せです。

何が好きかと言えばメロディが特に好きです。特にサビのメロディがいいですね。
"I see the light 君には見えない Wish me luck ye Have a nice life!"っていうところが気持ちいいです。

歌詞

歌詞についてはこことか好きです。

どうなってんだよ
まるで下らない映画を見てる
僕らは果たして何を信じれば良いんだろう

"どうなってんだよ"の普遍性が好きです。
生きていると「思い通りにならないこと」っていろいろあるかと思います。様々な状況がありうる中で、"どうなってんだよ"という言葉はほとんどの場合にしっくりくるんじゃないかなと思います。
攻撃的すぎず、ちょうどよく優しい不満の言葉という感じがして好きです。もちろん他人に対して直接言ったら攻撃的かもしれませんが、自分の中で自分のためにこぼす言葉としてはちょうどいい気がします。

"僕らは果たして何を信じれば良いんだろう"も好きです。
この曲には攻撃的な歌詞(というか誰かを突き放すような歌詞)が少なからず含まれると思いますが、"僕らは果たして何を信じれば良いんだろう"は不安や戸惑い、つまり弱さを見せている感じがして好きです。
正直な告白ですよね。"僕らは果たして何を信じれば良いんだろう"って。

サビについて見ていきましょう。

I see the light 君には見えない
Wish me luck ye Have a nice life!
二度と会うことない未来に
指を立てて背を向けろ
I see the light 僕にはいらない
Wish me luck ye Have a nice life!
二度と会うことない精々
貴方に幸あれと思うよ

  • "I see the light 君には見えない"

    • 「僕は光を見てるけど、君には見えないだろう」ということだと思います。

  • "Wish me luck ye Have a nice life!"

    • 「幸運を祈ります よい人生になりますように!」みたいな意味のようです。

    • 皮肉めいた、突き放す意図での言葉だと受け取っています。

  • "二度と会うことない未来に 指を立てて背を向けろ"

    • 「おまえには二度と会うことはない、中指を立てて背を向ける(=興味がないから観察し続けることもない)」といった態度を表していると思います。

何か嫌なコミュニケーションがあり、その相手を突き放すようなことがここでは歌われていると思います。
ただし、相手を強く攻撃したり傷つけたりすることに重点を置いているのではなく、あくまでもう関わりたくないからおさらばするといった回避的な態度です。
たとえ表面的でも"貴方に幸あれと思うよ"と美辞麗句を並べています。私は嘘であってもそういう綺麗な言葉の方が好きなので、美辞麗句でサビを締めてくれるのはありがたいです。

サビの始まり"I see the light 君には見えない"は好きです。
「自分だけは光を見ている」という感覚が私にもあります。少し子どもっぽいかもしれませんが、いろんな人が自分に口を出してくるけど、「本当に大事なことを自分はわかっているんだ」といった感覚が心の拠り所になっていることがときどきあります。
急に愚痴っぽくなりますが、会社で働いているといろいろな人が指導してきてやかましいです。
実際そういった指導は私のためになっているし、私の乗り越えるべき課題が提示されていることも多いので、私はそういった言葉を真に受けて行動を改善しようと日々努めています。
しかし、それはそうとして、やかましいものはやかましいのです。つまり、「まともな指導であったとしてもストレスは生じるので、それを発散する必要はある」ということが言いたいのです。
「うるさいやつばかりいるけど、自分だけは光を見ているんだ」という感覚が私にはあり、その感覚が自分の中で何かを支えてくれている気がするのです。

気高さについて

「おまえのドリームランド」は誰かを突き放すような面が大いにある歌だと思いますが、それでも相手に投げかける言葉は"Have a nice life!"であり、"貴方に幸あれ"なのです。これは、自分自身の気高さを守る立ち振舞いだと思います。他人を汚い言葉で罵るとき、私たちの品位は低下してしまうと思っています。たとえ相手が本当にろくでもない存在だったとしてもです。
人間関係の行きつく先が「和解」ではなく「決別」だったとしても、そこで投げかける言葉が美しいものであることを私は基本的に望んでいます。それは気高い生き様の現れだと思うからです。

人生で重要なことは自分自身の気高さを守ることだと思っています
この考えは、ひとつには『ジョジョの奇妙な冒険』第七部のディエゴ・ブランドーの母親が言っていた次のセリフから影響を受けています。

"どんなに貧しくても気高さだけは忘れてはいけない"

『ジョジョの奇妙な冒険 Part7 スティール・ボール・ラン』

この言葉はストーリーも相まって、すごく胸を打ちました。
これを読んで、私は思いました。
「たとえ裕福だろうと貧乏だろうと、あるいは有名だろうと無名だろうと、気高さを守り続けることで私たちの人生には輝きや価値といったものがもたらされうるんじゃないのか」と。
私自身は特別裕福でもなければ特別貧乏でもない、ただ「〈豊かな日本〉の庶民」といった立ち位置だと捉えています。しかし、何か自分の中で気高く生きることを大事にしていれば、自分の人生に誇りを持って生きられるのではないかと割と真面目に思っているのです。
具体的には、盗みをしないとか、他人を陥れる嘘はつかないとかそういったことでしょうか。あるいは、むやみに他人の評判を落とす噂を流さないなども気高い生き様のひとつだと思っています。
とはいえ、具体的な行動はその都度導き出していけばいいと思います。とにかく、「気高く生きたい」「自分で誇れる生き方をしていたい」といった抽象的なレベルの指針を持っておくことは、私の人生をよい方向に導いてくれているような気がしているのです。

あともう一つは、大学院生の頃に触れた「徳倫理学」からの影響もあります。大雑把に言えば、徳倫理学は「常に道徳的によい行為をせよ」と命じるのではなく、「常に徳のある人であれ」と諭してくるようなタイプの立場です。

今のところ私は自分がどれくらい立派な人間になれているのかまだわかりません。
ただ、庶民でありながらも、気高さや誇り、品位みたいなものを多少大事にすることを心掛けて生きていけたらいいかなと思っています。
口先だけじゃなく、行動や内実も伴った立派な大人になれるといいですね。がんばりたいです。

歌詞については他に次のようなものを感じ取りました。

  • 「なんかこの生活をどうにかしたい」といった、具体的な内容があまりないがそれなりに継続的な衝動

例えば以下のような歌詞からそういった欲求を感じました。

  • "僕が蹴っ飛ばすきっと明日は エンドレスリピート健全なweekend"

    • エンドレスリピートな明日を蹴っ飛ばす(蹴っ飛ばしたい)、と歌っているんじゃないでしょうか

  • "僕と変わって?こんな人生 静止画みたいなアパートで"

  • "どうなってんだよ まるで下らない映画を見てる"

    • 下らない映画がもつ特徴の一つは、先の展開が完全に予想できることでしょう。

楽曲感想というより自分個人の所感ですが、何だかつまらない状況を何とか解決して、何とか楽しく平和に生きたいんですよね。
① 生活上、喫緊の課題があまりない割に何だか行き詰った感じがあり、また、②「本当は焦らないといけないのかもしれない」というはっきり「焦り」とも言えないような前借り感覚の「(焦り)」をもっているような感じもあります。
私には、特に何も困っていないけど、いつも「戸惑い」だけがあるような感覚があります。

◇◇◇

音、歌声、MV

音については、温かく包み込むような幻想的で神秘的な感じがあると思います。ここに大きな癒しの力があり、好きです。
曲の構成については、オルタナティブすぎない、j-popやj-rock的な王道的展開なのかなと思っています。いいですね。
サビの音は、ひとつひとつ確かめながら歩みを進めていくような真っすぐなトラックですよね。そして、そうした正直なトラックによく調和した真っすぐな歌い方をする箇所("I see the light 君には見えない Wish me luck ye Have a nice life!")もあれば、ときとして舞い上がるような浮遊感ある歌い方をする箇所("指を立てて背を向けろ","貴方に幸あれと思うよ")もあっておもしろいです。

歌声もいいと思います。綺麗な歌声ですよね。
どちらかと言えば脱力系、気だるげなタイプの歌声だとは思いますが、鼻につくほどのレベルではないのでありがたいです。

MVについてはあまり言えることがありません。
私は何かこじらせているのか分かりませんが、基本的に生身の若い女性が登場しているMVはどう楽しめばいいのか分かりません。たぶん心の中に「これをまともに楽しんではいけない」という大きな壁があって、それが邪魔をしています。きっと好きになったら困るからですね。
というわけで、MVを私は大して享受していないので、言えることは特にありません。

ただ歌っている人が音に乗っている様子は見ていて気持ちがいいので、そこは好きです。

◇◇◇

タイトル

タイトル解釈ですが、おまえが見たいものだけ見える世界(=「おまえのドリームランド」)みたいなことなのかなと少し思っています。
「一生おまえから見た捉え方の中にいろよ」という突き放しを感じ取りました。

◇◇◇

まとめ

生活しているとときどき思い通りにいかないこともありますが、私はそうしたときすっかりへそを曲げてしまったり自暴自棄になってしまったりせず、ただ音楽を聴いて心地よいモードへと切り替え、再び生活を前向きに進めていきたいです。

4s4ki「おまえのドリームランド」は私にとってそういった願いをかなえてくれる楽曲でもあります。聴いているあいだすごくハッピーだからです。

今回は以上で終わりにしたいと思います。
読んでくれた方はありがとうございました!

おわり

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