【Hyperpop】ピーナッツくんを中心に音楽を聴いている人間によるHyperpop全力紹介記事【音楽】
はじめに
こんにちは!とくと言います!
今回は私の大好きな「音楽」、特に「Hyperpop」について自分なりに全力で語らせてもらいます…!
始めにこの記事の流れを簡単にまとめてみます!
まず、私がよく聴いているアーティストを紹介します。
次に、いま紹介したいHyperpopの楽曲を3つ紹介します。
そして、ピーナッツくんが紹介してきた楽曲の中から特に好きなものをピックアップして語らせてもらいます。
最後に、「Hyperpop」というジャンルにカテゴライズされることを快く思わないアーティストがいることを確認したうえで、自分なりの見解を述べてみます。
結論としては、嫌がる人がいるなら無理にジャンルについて語りたくはないし、正直自分も楽しい音楽さえ聴ければ何でもいいのだけれど、やはり複雑な音楽たちを識別したりより豊かな理解を得るためにも、たまにはジャンルについて語ることを許していただきたい…みたいな感じです。
せっかくなのでこの記事を読むことで得られそうな利点を考えてみました。
ピーナッツくんファンの方にとって:ピーナッツくんが結構関わりをもっているHyperpop(ハイパーポップ)というジャンルについて少し理解が深まる可能性があります。
音楽ファンの方にとって:厄介になりがちな「音楽ジャンル」というものに対していくつかの見解を提示しているので、もしかしたら興味深い内容が含まれているかもしれません…!
正直なところ、圧倒的に音楽について語るための語彙が不足している中で、それでも好きな音楽について語りたいと思ってもがいています!
基本的には「一緒にこの楽しい音楽たちを楽しみましょう!」と思って書いています!
よければぜひ楽しんで読んでみてください!
目次
1. 自分の好きな音楽
① ピーナッツくんを中心に様々な音楽を聴いている
まずあらかじめ述べておかなければならないこととして、私は「ピーナッツくん」の大ファンです!
2020年末からピーナッツくんの音楽活動やYouTube活動を熱量もって追っています。
そして、「ピーナッツくん」を中心に音楽趣味を広げている現状があります。私がこの記事で紹介するほぼすべてのアーティストが、(直接的/間接的に)ピーナッツくんをきっかけに知ったアーティストになります。
② 特に好きなアーティスト:ピーナッツくん、Tohji、Peterparker69
私が特に好きなアーティストは次の人たちです。
ピーナッツくん
Tohji (Mall Boyz)
Peterparker69
この3組については、自信をもってほぼ全曲聴き込んでいると思います。
TohjiとPeterparker69はどちらもピーナッツくんがきっかけで知りました。今ではピーナッツくん関係なくても大好きなアーティストです。
③ 最近よく聴いている音楽ジャンル
音楽の「ジャンル」についてはあまり詳しくありませんが、自分のよく聴いている音楽については一応次のような分類ができるかなと思っています。
Hyperpop系 (音が割れがちでノれる感じのやつ)
Future Bass系 (特にEDM×女性ボーカルみたいなやつ)
HIP HOP系 (POP YOURS的な若めのラップシーンのやつ)
なお、Hyperpopの一部アーティストを除き、基本的に邦楽しか聴いていません。
④ 最近よく聴いているアーティスト
最近(2022~2024年頃)よく聴いているアーティストは以下のような感じです!
【海外アーティスト(Hyperpop系)】
Charli xcx
underscores
Kero Kero Bonito
【Hyperpop系、Future Bass系】
PAS TASTA
lilbesh ramko
somunia
TEMPLIME & 星宮とと
KOTONOHOUSE
嚩ᴴᴬᴷᵁ
4s4ki
nyamura
【HIP HOP系】
Elle Teresa
lil soft tennis
JUMADIBA
kZm
JP THE WAVY
OZworld
webnokusoyaro
レオタードブタとヤギ・ハイレグ
⑤ こうしたアーティストを聴くようになったきっかけ
どういったきっかけでこうしたアーティストを聴くようになったのか、そこにはおおまかなパターンがあります。それを簡単に紹介させてもらいます。
Hyperpop系:ピーナッツくんが雑誌やインタビューなどでたまに紹介してくれる「好きなアーティスト」や「よく聴いている音楽」によくHyperpop系統の音楽が含まれています。それがきっかけで好きになることが多いです。特にPeterparker69やunderscoresなどは頻繁に名前が挙がります。
Future Bass系:主に以下二つのルートで広がることが多いです。
ピーナッツくん → YACA IN THE HOUSE → somuniaなど
ピーナッツくん → 嚩ᴴᴬᴷᵁ → KOTONOHOUSE → 4s4kiなど
YACAさんやKOTONOHOUSEさんなど、幅広いアーティストとコラボするトラックメイカーがキーパーソンとなり、一気に新たなアーティストとの出会いに繋がることがよくあります。
HIP HOP系:ピーナッツくんが二度出演したHIP HOPフェス「POP YOURS」の影響が大きいです。フェスの予習復習がきっかけで新たな楽曲を好きになることが多いです。
その他:知人からの紹介。SNSを通して音楽好きの仲間が増えており、そうした人たちからいい音楽を教えてもらっています。
2. どうしても紹介したいHyperpop楽曲3選
2024年8月26日、米音楽メディアPitchforkから「26 Contenders for the 2024 Song of the Summer"(=2024年の夏を代表する26曲)」という記事が公開されました。
Pitchforkは「点数付きのレビューやオルタナティブな音楽の紹介に定評があり、世界で最も影響力のある音楽メディアの1つとしても知られている」そうです。(KAI-YOU -「ピーナッツくん、世界的音楽メディアPitchforkの「2024年の夏を代表する曲」に選出」)。
ここで紹介された26曲の中から特にお気に入りの2曲を紹介させてください。
① ピーナッツくん -「Wha u takin bout (feat. lilbesh ramko & hirihiri)」(2024)
1曲目はピーナッツくんの4thアルバム『Blood Bag Brain Bomb』(2024)から「Wha u takin bout (feat. lilbesh ramko & hirihiri)」を紹介させてもらいます。
日本のHyperpopシーンでも有名なlilbesh ramkoさん、hirihiriさんとの共作です。
主なビートメイクはlilbesh ramkoさんが担当しているそうです。水っぽい綺麗な音色から始まって、ドロップでは最高潮の盛り上がりを見せる展開、最高ですね…!
そう言えば、Future Bass(フューチャーベース)について調べていたらこんな説明が出てきました。
「アンビエントな導入部から徐々に盛り上がりを見せて最高潮のドロップに達する」だとか「ドロップではその声を加工して使用する」など、まさに「Wha u takin bout」に当てはまる特徴だなと思いました。
じゃあこの曲は少なくともFuture Bassの一種だとは思っていいですよね!?
とにかく本当に大好きな曲です。ライブでもめちゃくちゃ盛り上がって最高でした。好きすぎて目覚ましアラームにしちゃってます。アンビエントな導入部は寝起きの脳にも優しいです。
lilibesh ramkoさん、hirihiriさんという日本の音割れFuture Bassの旗手のような方々(そう言って差し支えありませんか?)が、様々な業界で絶妙に無視できない存在感を放ち続けるピーナッツくんとコラボした「Wha u takin bout (feat. lilbesh ramko & hirihiri)」。Pitchforkによる選出はYahooニュースにもなりました。これはいま注目に値する楽曲だと言ってよいのではないでしょうか。
ピーナッツくんやlilbesh ramkoさん、hirihiriさんのいちファンとして、ぜひこの楽曲が広く好まれたくさんの人々に聴かれてほしいと願わずにはいられません…!!
② Charli xcx -「Von dutch」(2024)
Charli xcx(チャーリー・エックス・シー・エックス)はイギリスの女性シンガーソングライターで、Hyperpopの解説記事ならば必ず名前が挙がる最重要人物のひとりです。
Charli xcx「von ducth」は先ほど紹介したPitchforkの「26 Contenders for the 2024 Song of the Summer"(=2024年の夏を代表する26曲)」に選出された1曲です。Charli xcxの最新アルバム『BRAT』(2024)、『Brat and it’s the same but there’s three more songs so it’s not』(2024)に収録されています。
歪んだサウンドがいかにもHyperpop的ですよね! 最近聴き始めたばかりなのですが、めちゃくちゃハマっています!
あと本当は同アルバムに収録された「Talk talk」にもめちゃくちゃハマっています。こちらは自分の感覚だとあまりHyperpop的でない印象ですが、聴き心地のよさは抜群です。いま全音楽の中で一番ハマっている楽曲だと言えます(2024.09.01)。よければぜひ聴いてみてほしいです!
③ underscores -「Spoiled little brat」(2021)
underscores(アンダースコアーズ)はニューヨーク在住のシンガーソングライターで、こちらもHyperpopの話に必ずと言っていいほど登場するアーティストです。
underscoresの「Spoiled little brat」は3年前のアルバム『fishmonger』(2021)に収録された楽曲ですが、個人的には海外のHyperpop楽曲の中で依然として唯一無二のアンセム的な輝きを放っているような気がしています…。
バンド音楽みたいな愉快な雰囲気で、自信満々な歌詞を歌っています。終盤のやりすぎた音割れは初めこそ拒絶感がありますが、いずれ耳馴染み始めるともう癖になって取れません。しばらくはこの曲だけを1曲ループ再生し続ける時期が私にもありました。
日本のwebメディア KAI-YOU Premiumの記事では次のように熱量をもって取り上げられていました。(私はこの記事がきっかけで「Spoiled little brat」に興味をもち聴くようになりました)。
また、underscoresが来日公演した際のインタビュー記事では、「Spoiled little brat」が日本で好意的に受容されていることを感慨深く語っている様子が見られます。
おそらくシーン内でも重要な曲だと思われますし、私自身大好きな曲です! まだ聴かれたことのない方はよければぜひ一度聴いてみてほしいです! すごく楽しい曲です!
3. ピーナッツくんによるオススメ音楽紹介
ピーナッツくんはこれまで好きな音楽を何度か紹介してくれています。その主要な例をここで紹介させてください。
また、ピーナッツくんが紹介した楽曲の中で個人的に「注目!」な曲を取り上げさせていただきます。
① ピーナッツくん厳選プレイリスト「New!スーパーリアリズムヒップホップ」(2021.08)
【ピックアップ1】hirihiri & Yaca -「power!」
「power!」はSpotify公式プレイリスト「hyperpop」にも選出されました。
これもめちゃくちゃハマる曲です。
② AVYSS ENCOUNTERS 2022「2022年印象に残った5作品」(2022.12)
【ピックアップ2】Peterparker69 -「Flight to Mumbai」
Peterparker69(ピーターパーカーシックスナイン)は主に歌唱・作詞を行うJeter(ジーター)と主に作曲を行うY ohtrixpointnever(ワイオートリクスポイントネバー)の2人で2022年に結成されたユニットです。
「Flight to Mumbai」はApp Storeの公式CMソングに起用され話題になりました。めちゃくちゃオシャレだし聴き心地もよくて、有名でもあるので、未視聴の方はぜひ一度聴いてみてほしいです!
「オルタナティブ」と呼ばれる、メインストリームとは異なる音楽をやっているようです。とにかく聴覚的な快感への強いこだわりがあり、聴き心地のよさは群を抜いていると思います。歌詞を聞き取らせるつもりはほとんどないようですが、少しセンチメンタルな雰囲気を漂わせる歌詞には深みがあって惹き付けられます。
最近のリリースだとPeterparker69 × Tennyson -「skyskysky」が気持ちよすぎてやばいのでオススメです。
③ AVYSS ENCOUNTERS 2023「2023年記憶に残っている5つの何か」(2023.12)
【ピックアップ3】underscores -「Old money bitch」
妖しげでかっこいい曲です。
ピーナッツくんは4thアルバム『BloodBagBrainBomb』に関して影響を受けたアーティストとしてunderscoresの名前を挙げています。来日公演にも行ったとのことで、かなりファンみたいですね。
④ 雑誌『POKOPEA』「PLAY LIST By peanuts-kun」(2024.04)
ピーナッツくんが相方のぽんぽこさんと共作したオリジナル雑誌『POKOPEA』に「ピーナッツくんのTHE MUSIC STORY」というコーナーがあります(pp. 98-103)。そこではピーナッツくんに影響を与えた8枚のアルバムと、彼がよく聴いている40曲のオススメ楽曲が紹介されています。ぜひ読んでみてほしいです…!
【ピックアップ4】100 gecs -「Doritos & Fritos」
100 gecs(ワンハンドレッドゲックス)はアメリカを拠点に活動する2人組で、Hyperpopの歴史的経緯について話をするなら名前が出ない方がおかしいユニットです。
例えば、下記のように説明されます。
比較的バンドっぽいサウンドが特徴な気がします。
アルバムジャケットやMVも結構「ふざけている」ような印象でおもしろいです。
「Doritos & Fritos」は、ピーナッツくんのプレイリストの中で「晴れた日の朝に」というシチュエーションに選ばれた5曲のうちの1曲です。全40曲の中で1番目に配置されています。めっちゃノリノリでスタートできて最高です。
「Doritos」と「Fritos」はスナック菓子のことだと思います。サビの歌詞が「眠りたいのにテレビの音がうるさいよ」みたいな内容でおもしろいなと思いました。
メロディがめっちゃよくて本当に癖になります。この曲はだいぶ好きになりました。
4. 「Hyperpopって何?」と思ったときにまず読んでほしいオススメ記事
Hyperpopについて解説してくれている記事に10本くらい目を通したのですが、その中でも特によかったと思ったものを厳選してご紹介させていただきます。
① namahoge - 「パンデミック下に狂い咲く、破壊と越境の音楽「hyperpop」とは何か?」(2021.02.23)
Hyperpopの登場や流行の経緯をわかりやすくまとめてくれています。それ以外にも様々な観点からHyperpopの解像度を高めてくれます。
日本のHyperpop紹介記事の代表的な作品だと思われます。
筆者のnamahogeさんはHyperpopシーンのアーティストに度々インタビューをされている方です。実はこの私の記事で引用している文章の大半がnamahogeさんによるインタビュー記事からの引用になっています。
② BabyJam - 「Hyperpopとは?デジタル世代に広がる新たな音楽トレンド」(2024.08.13)
今年の8月に上がったばかりの記事です。
「Hyperpopの起源」「サウンドの特徴」「TikTokにおけるバイラルヒット」「LGBTQ+やファッションなどにおける文化的影響」など多角的な視点からごく簡潔に短くまとめられています。
◇
よかったら読んでみてください!
他にも勉強になる記事がたくさんありましたが、ひとまず以上2つだけのご紹介に留めさせていただきます。
5. さいごに:Hyperpopについてどう語ればよいのか?
ここまで、主にHyperpopに焦点を当てて語ってきました。
最後に、「Hyperpop」というジャンルの定義や分類について気になる点を掘り下げてみたいと思います!
さて、「Hyperpop」はどういった特徴をもったジャンルとして説明することができるのでしょうか?
他の多くの音楽ジャンルと同様に「Hyperpop」にも明確な定義はないようです。しかし、やはりある程度は認識を固定化させるためにもおおまかな特徴づけは欲しくなります。
Hyperpopの特徴づけ
私は、次の説明がわかりやすいイメージを与えてくれるものだと思いました。
「主に電子音楽やHiphopなどを主軸としつつも、それを誇張するかのようなスピード感・過剰な音圧・キラキラとしたメロディなどを取り入れているイメージの音楽」とのことです。言われてみれば、Hyperpopとされる音楽にはそういう特徴がしばしば見られた気がします。結構しっくりきました。
もう一ついい感じの説明があったので見てみましょう。
これもしっくりくる感じがします。「極端に加工されたボーカル」「電子的なビート」「混沌とした音響空間」「楽曲はしばしばテンポが速く、サウンドエフェクトやサンプリングが多用されており」など。
これまで聴いてきたHyperpopとされる音楽の特徴を見事に捉えているような気がしてきました。
しかし、アーティストにとって、「Hyperpop」というカテゴライズをあまり安易に歓迎しない向きが一部にはあるようなのです。
ここで少しご紹介させてください。
アーティスト側は「Hyperpop」に分類されることを歓迎していない!?
あえて少し扇情的なタイトルにしてみました。
「Hyperpop」に分類されたことのあるアーティストの中には、そうした分類をあまりよく思っていない人もいるようです。また、「ポップス」や「J-POP」といったジャンルについて考えを持っている場合もあるようです。
ここで少し確認してみましょう。
(ただ、各アーティストのHyperpopに対する見解を紹介することで、「この人はそう言われるのを嫌がってるからHyperpopだと言うべきでない」みたいなメッセージを強く発信することを意図しているわけではないのでご了承ください。私個人の立場としては、真剣にそう思ったのなら「これはHyperpopだ」みたく言ってもらっても別に構いません。たぶん分類については誰しも多かれ少なかれ混乱しているのです。アーティストがめっちゃ嫌がってるのなら心苦しいですが、私のような一般のファンも音楽について少しでも理解したいし、理解を確認し合いたいんですよね…。「これってHyperpop…?」って)。
① Peterparker69の場合
Jeterの曲がかつてSpotifyの公式プレイリスト「hyperpop」に選出されたことがあったようです。
Y othrixpointneverは、「Hyperpopと言えばこう」みたいなパターンが固定化されていてつまらない、といった不満を抱いているように見えます。
Jeterはオルタナシーンを作ろうと思ってPeterparker69の音楽を始めたといったことをライブ(dokokoko)で語っていた気がします。しかし、ニッチなジャンルで偏狭にやっていたいわけでもなく、スケールの大きなポップスの領域で勝負したいという心意気があるようです。
② hirihiriさんの場合
hirihiriさんは、雑なタグ付けとしてhyperpopと呼ばれるのは嫌なようです。
定義がゆるやかだからこそ「なんでも安易にhyperpopに分類されてしまう」という事態があったのかもしれません。
ちなみに、hirihiriさんが所属する6人組音楽制作グループの「PAS TASTA」は「J-POP」を強調しています。
Tunecoreのアーティスト情報は以下の通りです。
公式サイトには以下のように記載されています。
とにかくPAS TASTAは「J-POPプロジェクト」とのことです。
③ PAS TASTAの場合
自分なりにまとめさせていただくと、おおむね以下のような見解があるように思われます。
確かにHyperpopはよく聴いているし、影響は受けているかもしれない。
しかし、自分たちはHyperpopをやっているつもりはなく、とにかくJ-POPだと思ってやっている。
自分たちなりに「いい音楽」を作り、できた音楽をJ-POPだと言い張っている。J-POPは懐の広いジャンルであり、自分たちが作った音楽は、J-POPの拡張された一角に位置づけることができるはずである。
おおまかに言えば、このような感じでしょうか。
こだわりが伝わってきますよね。
④ lilbesh ramkoさんの場合
lilbesh ramkoさんはこれまでの3者とは少しスタンスが違うようです。
ごく素直に、Hyperpopは好きで影響も受けているし、そこに自分も含まれるのなら光栄です、といった感覚のようです。
いろんな方がいますね。
⑤ underscoresから日本のHyperpopシーンに対するメッセージ
underscoresの熱いメッセージはぜひとも見ていただきたいです。underscoresは来日公演後のインタビューの終盤に、自ら進んで次のように語っています。
私はこれを初めて読んだとき本当に感動しました。
アメリカではHyperpopについて「ジャンルとして強制されたような気がした」「もう誰もそれ〔=Hyperpop〕を救いたいとは思っていない」とは、なかなか刺さる言葉です。Spotifyみたいな巨大サービスが勝手に命名と分類を行ってきた「Hyperpop」というジャンルに対して、あまり歓迎できない人も多かったのかもしれません。
しかし、日本ではPAS TASTA、lilbesh ramko、Peterparker69、SATOHなどのアーティストがピュアな熱量をもってHyperpop的な音楽をやっているのを見て、underscoresは「めっちゃ食らった」というのです。
「シーンの人たちがどう感じているのかわからないけど、私はただ、みんながライブやリリースを続けていくことを願っている」という言葉には胸が熱くなりました。
とにかくアーティストたちがお互いに作りたい音楽を作り、音楽ファンたちは聴きたい音楽や参加したいイベントを楽しむ、それをみんながピュアな熱量で続けていけば、なんだかいいことありそうだな、と視界が開けた想いでした。
結論:ジャンルについてこだわりはしないけど、語ることは許してほしい
以上、私の好きな音楽とHyperpopというジャンルについていろいろ語らせていただきました。
何か「Hyperpop」と名付けられた音楽ムーブメントが世界中で流行した半面、一方的にも見える仕方で雑なカテゴライズが横行し反発を生んだ面もあったのかもしれません。
しかし、とにかくそこには魅力的な音楽があります。作る側も聴く側もそうした音楽に強く惹き付けられている現状があります。
複雑な音楽たちを識別し、語るためには「名前」を用いることは避けられない気がします。
「命名」や「分類」は人間の概念的な認識においてほぼ不可避的に伴うものだと思うので、完全に撤廃しようとすることは得策ではないかもしれません。しばしば混乱しながらではありますが、今後もなんとか「命名」や「分類」を常に「(仮)」の仕方で続けていって、音楽について自分なりに認識したり他人とコミュニケーションしたりしながらやっていけたらなと思います。
そう言えば、よりよい命名を行うのは誰の仕事なのでしょうか? 私にはいまいち不明確です。
「『分類』は常にアーティスト側にとってはいささか疎ましいものでありながら、しかし常に確かなニーズがあるものとして存在し続けていく」みたいなバランスでいいのかもしれませんね。(なんか無責任に結論付けちゃって恐縮ですが)。
自分自身、好きなアーティストがいたり、好きな音楽の系統があったりします。音楽の系統やタイプにはしばしば何らかの名前が与えられるものです。
一方では、名前や分類を知ることは、音楽の歴史的背景やアーティストたちのストーリーを認識することに結びついています。それは私にとってとてもエキサイティングな知的活動です。
例えば、「ピーナッツくんの4年以上に及ぶ音楽活動における音楽ジャンルの変遷」についてより洗練された理解を作り上げようとすることは私にとって未解決な関心事です。「このアーティストと一緒に仕事するようになってから〇〇のジャンルの音楽が増えた」などの認識において、ジャンル名の存在は不可欠かもしれません。こうした認識はより豊かな楽しみ方を可能にしてくれるかもしれません。
しかし他方では、別に「分類」に一番関心があるわけでもありません。ただ私が一番関心があるのは、日々のストレスや苦悩をできる限り緩和し、人生の中に喜びと快楽を増大させたいということだけなのです。そのためにいつも音楽は多大なる貢献をしてくれます。音楽を聴くといつも癒され、そして大きな快楽を得られます。要は、好みの音楽を聴けて、自由に踊ることができたらそれでかなり満足だという一面もあるのです。
けどやっぱり、たまには音楽ジャンルの歴史やアーティスト間の影響などについてより洗練された理解をもてるようになりたいとも思うのです。
あと、「ジャンル名」がキーワードとなって、新たに好きなアーティストに出会うきっかけが得られることは実際ありますね。これはジャンル名というものがもつ利点のひとつかもしれません。
音楽ジャンルの分類に対して様々な好悪の感情を抱いている人たちの感情をむやみに逆撫でしたいとはまったく思っていないので、もうちょっと勉強できたらいいなとは思っています。
しかし、私自身、いち一般人として、何か特定の音楽シーンの栄枯盛衰に対して責任を負っている立場だとも思っていません。
私は今後とも聴きたい音楽を聴かせてもらいますし、行きたいライブに行かせてもらおうと思います。それがHyperpopであろうと、なかろうとも…!
あまり幅広く音楽聴いてる方でもないので、すごく偏狭で間違ったことを言ってしまったかもしれません。一応現在地点での自分なりの全力の語りでした!
何かご意見・ご感想などあれば教えてください!(紹介されてた曲聴いてみたとかもあればぜひ!)
この記事が、読んでくれる人の楽しみを少しでも増やすことに繋がったならすごく嬉しいなと思います!!
ここまで読んでくださって本当にありがとうございました!!
おわり