読書記録『本を読めなくなった人のための読書論』
2022年5月7日読了。
・未読の本が積み上がりすぎて、山というか難攻不落の要塞のようにさえ見えてきた。
と、去年のnoteに書いているけど恐ろしい事に要塞未だ拡張中。
これはどうにかせねばと…手にした本書。
タイトルをよく見る。
読めない人ではなく読めなくなった人。
読書術でも法でもなく読書論。
想定した内容とは違ったけれど、それはそれとして中々面白い。
・かつて読書家/読書好きであったけれど、段々と読めなくなった人に向けてのセラピーのような一冊。
読書を食事に例えて読めない理由を考えてみる。
もうすでに満腹であるにも関わらず、さらに飯を詰め込むのは苦痛である。
喉が渇いている時に、水気の無いビスケットは拷問にも思える。
疲れていたり、病み上がりで胃が弱っている時に脂っこいモノは受け付けないだろう。
必要な時に必要なモノを必要なだけ。
全部読む必要はないし、たくさん読む必要もない。
効率性を求める前に一呼吸、自分のリズムを思い出して言葉と戯れるあるいは言葉に遊んでもらうつもりで。
・読めないなら読めるようになるまで静かに待つ。
ペンを手に書いても良い。
自分の求めているモノが見つかるよう、焦らずに。
そのうち、読みたいという気持ちが出てきたら読む。
独りで。
自分のリズムで。
焦らずに。
・一人旅をしたことはあるか?
日常を離れて気ままに旅する、ノルマをこなすように名所を回る必要もなく、行かなければならない義務もない。
寄り道を楽しみ、なんなら一日中ホテルで寝ていてもいい。
道の脇に咲く花を愛で、ホテルの窓から流れる雲を飽かず眺めるように。
誰の都合に付き合う事も無く、独り。
そういう読書。
・読書は独りでする行為。
読書会やビブリオバトル、コミュニケーションの道具にもなるけれど読むときは独り。
世界にただ我と本があるのみと。
同時に、読書は独りだけで完結する行為ではない。
読むことを通じて対話する。向き合う。
作者と、自分と、本と、言葉と。
・今は速い時代だ。何事であれ、速いし速い事が価値になる。
目にも止まらぬスピードは、自分の輪郭も見失いそうだ。
だから、反動的にスローライフが流行るのだろうけれど。
・今はつながる時代だ。何事であれ、つながるしつながってしまう。
手元のスマートフォン、ネット、SNS。
独りではいられない。
旅に出ても日常を引きずる。
・呼吸をしよう。
本を読む、独り没頭する、本が語りかけてくるのを待つ、自分のリズムを思い出す。
・そうして、己の本・己の一文・己の為の一語が見つかりますように。
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…と、書いて思ったがやはり何かのセラピー体験談みたくなったな。
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