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たばこと塩の博物館

先日たばこと塩の博物館へ見学に行ってきました。
https://www.tabashio.jp/
大人の社会科見学です。

建物の隣には日本たばこ産業(JT)の東京支社があるので企業博物館的な物と予想は付くのですが、なぜ「塩」もあるのだろうと思っていました。

これは1985(昭和60)年に日本専売公社が民営化し日本たばこ産業になりました。そして塩専売事業本部が同社内に設置されて塩専売事業を担当することになったからだそうです。
1997(平成9)年には塩の専売制は廃止され、日本たばこ産業の塩事業は財団法人塩事業センターに移管されたそうです。

こんな理由から「塩」も展示されているのですが、このような事情があったとは全く知りませんでした。

博物館は建物内の2階、3階の2フロアで2階の半分が塩の展示、残り半分が企画展、3階がたばこの展示となっていました。

塩の展示は世界各地で取れる岩塩が展示されていたり、塩の生成方法の移り変わりなどの紹介です。なるほどとは思いましたがほぼ予想通りのような展示内容でした。
ただ日本の食塩の自自給率が11%しかないのは驚きです。もっと高いものだと思い込んでいました。

世界各地の岩塩が展示されていました。
塩と言えば海水を沸騰させて作るイメージですが、世界的には6割は岩塩から作られるのだそうです。


展示室の外にクイズに答える端末がありました。内容的には中の展示を見れば答えられるのですがマルバツの表示方法が悪かったです。

真ん中の答えが正解のように見えますが、実際の正解は左側。
常に画面中央にマルバツが表示されるので混乱してしまいます。

写真を見てもらえれば分かりますが、これだと中央の答えが正解みたいに見えますが、実際の正解は左側です。
画面をタッチ後に常に中央にマルバツが表示されるので「あれ?」と混乱してしまいました。少しどうにかした方がいいですね。

企画展は嗅ぎたばこ入れでした。そもそも嗅ぎたばこに馴染みがありませんが、嗅ぎたばことは粉末状にしたたばこの葉を直接鼻で吸い込む方法で、嗜好品の他にも儀式的や医療的な側面もあったのだそうです。

装飾が施されたきれいな嗅ぎたばこ入れが多数展示されていましたが、ここで興味深かったのはフリードリヒ二世の話です。
クーネルスドルフの戦い(1759年)で敗走中に銃弾を受けるのですが、軍服に入れていた嗅ぎたばこ入れに当たり致命傷を避ける事ができたと言うエピソードが紹介されていました。
これはひょっとしたら漫画やアニメで散々使われた銃で撃たれた後に「これがなければ死んでいた」とポケットから何かを出してくる描写の元ネタを辿るとここに行きつくのでは?と思ってしまいました。

3階はたばこの展示です。
海外のたばこの歴史から始まって、日本の江戸時代から近代までのたばこの関わりが紹介されていました。
ここで面白かったのはパイプです。パイプと言って思いつくのはシャーロックホームズなどが加えているあの形かと思います。
実用品などであれば凝った装飾のないあのような物になるのでしょうが、たばこの葉を入れる部分が凝った装飾が施されているものが展示されていました。
動物などは分かるのですが、人の顔をしたものも合って正直ちょっと気持ちが悪かったです。「なぜこの形にした?」と聞きたくなります。

右側の猫は分かりますが、なぜ左のような人の顔にしたのかが分かりません。
正直ちょっと不気味ですし、これでたばこを吸う気になるのかと思ってしまいます。

たばこの葉を保管しておくためのたばこジャーも展示されているのですが、こちらも同様に「なぜその形にした」と言いたくなる気味の悪いデザインの物もありました。特に子供の顔を模した物など生首状態です。
時代背景とかあるのかもしれませんが説明などが何もないのでどうしてこのような形の物が作られたのかは分かりませんでした。

見かけは生首。なぜこのような形になったのか。
正直怖いです。
こう言った形の物なら理解しやすいのですけど。

最後に江戸期から近代までの日本のたばこの紹介です。
江戸期のたばこ事情やキセルから始まり、紙巻たばこ登場以降はその古いパッケージや広告などが展示されていました。私は以前は喫煙していましたので、パッケージを見ると懐かしいとか、こんなたばこあったと記憶がよみがえります。

古いたばこにはこんなパッケージもあったそうです。かわいい。

あと昭和時代にはよく見かけた町のたばこ屋が再現されていて、確かに昭和時代には街角にこんなたばこ屋があったと懐かしい気分になりました。

昭和時代の街角にはこんなたばこ屋がありましたね。
今では考えられませんが、当時は子供がお使いで買いに行ってもたばこを売ってくれました。

私は現在は非喫煙者ですが、展示物が多かったせいか予想以上に面白く見る事ができました。
見学に行ったのは平日の日中でしたが、予想以上に人がいたのにも驚きました。行く前は貸し切り状態なのではと思っていましたので。
これで入館料100円はお得すぎる感じで、予想外に当たりの印象でした。

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