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資生堂那須工場 工場見学

資生堂那須工場に見学へ行ってきました。
https://corp.shiseido.com/jp/rd/factory/nasu/
大人の社会科です。
那須工場の名前の通り場所は栃木県大田原市にあります。
資生堂という場所がらか見学者は私以外は全員女性でした。

最初に驚いたのは見学場所に案内された場所で「靴を脱いで下さい」と言われたことです。あちこちに見学に行っていますが靴を脱いで工場見学をしたのは初めてです。
見学路は全てカーペット敷きになっていましたので問題はないのですが、なぜ靴を脱ぐ仕様になっているかは謎です。
最初100mもある長い廊下を歩きましたが工場のベルトコンベアーをイメージしているそうです。足元にはトリックアートもありました。

100mもある長い通路。
足元にはトリックアートがあります。
足元もマークの位置から見れば浮かび上がって見えます。
これかけだと上の写真とあまり変わって見えませんが、実際に見るとちゃんと浮かび上がって見えます。

見学は大きなキッズルームのような場所から始まりました。
最初は工場見学ではお馴染みの映像です。資生堂が創業以来どのような化粧品を作って来たかの紹介でした。この手の映像の場合大抵は創業者の名前が出てくるのですが、一切出てきませんでした。これは結構珍しい事です。

大きなキッズルームのような場所。
ブロックごとにテーマが分かれていて紹介されています。
工場見学後に自由に見学できましたが15分ほどでは全部を見るのは無理でした。

那須工場ではスキンケア製品をメインに製造しているそうなので、その後はパネルを利用して製造工程の説明がありました。
なるほどと思ったのはクリームのような製品の場合、機械で充填しようとしても粘り気が強いためにすき間ができてしまうそうです。これを防ぐために入れ物の方を回転させて遠心力ですき間をなくしているのだそうです。

その後は実際に工場の見学です。
大きな釜が何基も並んでいる場所があり、ここで原料を混ぜて原液を作っています。
そこまではいいのですが、ほとんどが手作業です。もっとライン的に機械で作っているのかと思いきや人が原料を釜の中に手作業で入れているのです。
そのせいか今まで見学した他の工場に比べるとかなり人が多く感じました。

釜のサイズも大きいのですが、他の業種のタンク類に比べるとかなり小さいです。それでも最大の釜は5000リットルあり、仮に180mlの化粧水の場合約28000本分くらいになりますので、とんでもない量ではあるのですけど。
食品系とは違い一度に使用する量が少ないので釜もそこまで大きくする必要がないのでしょう。

見ていると投入する薬品の入れ物がどれも色分けもされていなく、同じような大きさなので入れ間違えたりしないのかと不安になりました。ですがモニタで投入する順番が指示されていて、入れ物の蓋の上面にQRコードがありそれを読み込み一致しないと次の工程に進めないようになっているので大丈夫なのだそうです。
ただそれを聞いてもヒューマンエラーを防ぐのには少し弱い気がして、個人的には大丈夫なのかと思ってしまいました。

この後はここでできた原液を容器に充填しパッケージされるのですが、ここでもかなりの工程が人力です。充填作業と言うと機会が凄いスピードでどんどん詰めていき一気に製品が出来上がるイメージですが、充填の機械が非常に小さいく一度に数本しか充填されません。それもあってかベルトコンベアーの流れるスピードはかなりゆっくりでした。

そのボトルのキャップを人が手で絞めています。「マジか」と思いました。その後ボトルのキャップは機械で一定の強さまで均一に締められるのですが、だったらなぜ人力を挟む必要があると思ってしまいます。

充填が終わった後には製品検査があるのですが、ここも人力です。一度ボトルを逆さまにして遺物が混入していないか目視で確認しています。しかも全数。
機械での重量確認などもありますが基本的に目視での確認のようです。

その後パッケージされます。製品の箱を作りその中に製品を入れます。その後製品のビニール掛け(シュリンク作業)、個別の製品を小分けされた段ボール箱に入れ、さらにそれをまとめた大きな段ボール箱に入れられ出荷されるのですが、シュリンク作業以外は全部人力なのです。あまりにも人力作業が多すぎて驚きました。

そのせいで充填作業から段ボール詰めまでの1つのラインに対して20人くらい人がいます。このラインが手前から奥までずらっと並んでいるのです。見学した場所以外の別の階にも全く同じラインが同じ数だけ並んでいるのだそうです。
那須工場には従業員が800人ほどいるそうですが、24時間の交代制ではない割に工場としては従業員がかなり多いと感じましたが、このラインを見て納得がいきました。

従業員は全員作業着にマスク、防護眼鏡ですが中には作業着の頭部の色が違う人がいます。これはラインの責任者などを一目で見て分かるようにするためですが、興味深いのは妊婦用の色分けがあったことです。
普通工場ラインと言うと体力職場になるのでとてもではありあせんが妊婦が働くような職場ではありません。ですが資生堂の場合そこまで体力が必要ではないので成り立つのでしょう。とんでもなくホワイトな職場です。

箱詰めされた商品はベルトコンベアーで運ばれていき、2階部分までぶち抜きの巨大な棚に一旦収納されます。そこから出荷に必要な製品ごとにまとめられてパレット(フォークリフトで運ぶための台座)にのせられ倉庫に収納されます。どのパレットにどの商品をどれだけ乗せるかまでが完全に自動で行われ人が誰もいません。このギャップは凄かったです。

SHISEIDOのロゴが入っている大きな場所が倉庫で左側の小さな黒い場所が工場です。
「そっちが工場じゃないのかよ」と突っ込みたくなります。

これで工場の見学は終わりでした。ここで最初のキッズルームのような場所に戻り、ここを自由見学となりましたが見る物が多すぎて15分程度ではとても見終わりませんでした。

この後さらにワークショップがありました。ワークショップの内容は3か月ごとに入れ替わるそうですが、私が行なったのはアロマ作りでした。4種類のアロマを混ぜて作ると言うもの。

ライム、セダーウッド、ローズマリー、ベルガモットの4種類が用意されています。
これを混ぜてアロマを作ります。

那須工場をイメージして作られた「那須の香り」があるのですが、できればそれに近づけて作ってみて下さいと言われましたが、好きな配分で自由に作ってもOKです。私は柑橘系の香りが好きなのでライムを多めに入れてみました。まあどんな配分にせよ酷くなるようなことはないのでしょうけど。

最後にガチャを引いてお土産をもらいました。結構種類があるようでしたが、私は美白美容液のHAKUをもらいました。これがガチャの中では一番の当たりのようです。数も少ないのかこれをもらったのは私だけでした。
あとアンケートに答えてルーティナと言う健康飲料ももらいました。資生堂と言えば化粧品のイメージですが今はこんな製品もあるのですね。カゴメとの共同開発なのだそうです。

お土産のガチャでもらった美白美容液のHAKU。それなりのお値段のするものです。
カゴメと共同開発でつくった健康飲料のルーティナ。

これで終了でしたが全部で2時間ほどとボリュームたっぷりの見学でした。
私にとっては化粧品は身近な物ではありませんが、それでも十分に楽しむことができました。一番の驚きは人海戦術的な人の多さでした。




この後は余談です。

以前アドミュージアムに行った時に資生堂の広告の話を聞きました。(アドミュージアム見学 https://note.com/tokoshie/n/n36412b58922e)1946年に女優の原節子のポスターを作ったのですが、これには商品の紹介がないのです。
普通であれば商品のためのポスターですが第二次大戦後すぐの時期で売る商品はなかったそうですが日本を活気づけるためのポスターだったそうです。

1946年 原節子をモデルにしたポスター。

そのポスターを見て感動した人が自分もポスターを作りたいと入社し1966年にポスターを手掛ける事になったそうです。

1966年 前田美波里をモデルにしたポスター。
非常に人気があったポスターで盗まれまくったそうです。

このポスターでモデルになった前田美波里はこれで一気に有名になったそです。
撮影はハワイだったのですが、これが日本での初めての海外ロケだったそうです。当時は1ドル360円で渡航制限もかかっていた時代です。

まさか資生堂に見学に行く前にこんな話を聞くとは思いもしませんでした。

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