カメレオンの朝

雪山から吹き抜ける
冷気のマフラーが
絡みつく

生温い吐息を糧にして
重たい身体を引きずり
クローゼットをこじ開ける

昨日の私など
とっくに私ではない

昨日の言葉も

描いた夢も

本当の色も

本当の色などないことも

とっくに忘れてしまった

私であることの意味も
分からないまま

今日の色を選び

色を変える必要のない
誰からも見られることのない
暗闇を探す

やっと見つけた

静寂の闇の中で

息を潜めながら

七色を放ち

誰かに見つかる朝を待っている

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