【相笠の女#4】時代に翻弄される男
相笠の女【第4話】時代に翻弄される男
そう、それは、にわか雨とともにやってくる。
「だから傘を忘れちゃいけないよ」
街であの鮮やかな花柄の傘を見つけたら、あの女かもしれないからね。
もし無人島にこの女と取り残されたら、何日生きていられるだろう。
ふとそんなことを考えながら、しとしと降る雨の中を行きずりの謎の女と一緒に相笠をして歩いていた。
一体なんでこんなことになっちまったのか。
10分前の記憶を辿る。
俺はコンビニで大量のカップ酒とつまみを買い込んでいた。
店の