アート
純白の羽根が揺れながら宙に浮く
落下していく羽根を摑まえられずに
空を見上げると
落ちゆく枯れ葉が手のひらに蹲った
どこからか現れた蝶が無心に踊り
通りすがりの赤ん坊の微笑みのように
キャンバスが移り変わる
毎秒一点もの
絶妙な色使いと描写、しかも無料
この壮大なアートに
色を足すことなど
線を描くことなど
何かを生み出せるとでも思っていたのか
殲滅されたハートが消沈していく
その瞬間さえも
アートに変えてしまうこの世界で
一体何に抗おうとしていたのか
キャンバスは語りかけてくる
全てを委ね
息吹を生めたその瞬間
それが完璧なアートなのだと