部屋の片隅

誰よりも私のことを知っている

私を慰めてくれたベッド

私を癒してくれたソファ

私の涙を拭いてくれたクッション

私の怒りも焦りも虚しさも

全てを吸収してくれた壁

私の全てがあったこの部屋

思いが詰まった部屋の片隅

空っぽになった部屋の真ん中に立つ

君を置いていくような
申し訳なさと
寂しさと
ありがとうの思い

たまに君のせいにしてごめん

明日を見せてくれた窓が

この美しい空を教えてくれた

いつか、思い出す

君の眼差しがいつも私を救ってくれていたこと

ひとつひとつ消えていく

湯気がまっすぐと天に伸びていく糸杉のように

私より私を知っていた君

今、勇気への扉を開けてくれたんだね

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