常井健壱(トコイケンイチ)

79年生まれの中年ライター。猪が駆け回る茨城出身。東京・隅田川沿い在住。街頭演説をこよなく愛す。選挙見物を通して地方の特色を味わう「選挙ツーリズム」を提唱。著書『無敗の男』は大宅壮一賞と本田靖春賞と城山三郎賞の最終候補になったが、「三敗の男」に。『おもちゃ』で、「四敗の男」に。

常井健壱(トコイケンイチ)

79年生まれの中年ライター。猪が駆け回る茨城出身。東京・隅田川沿い在住。街頭演説をこよなく愛す。選挙見物を通して地方の特色を味わう「選挙ツーリズム」を提唱。著書『無敗の男』は大宅壮一賞と本田靖春賞と城山三郎賞の最終候補になったが、「三敗の男」に。『おもちゃ』で、「四敗の男」に。

最近の記事

元首相暗殺1か月 2度読んだコラム5選

 安倍晋三元首相暗殺から1か月です。  この間(7/8〜8/7)、普段は手にしない新聞や雑誌、思わず読み飛ばしてしまう論客のつぶやきも含めて、かなりの数の解説や評論に触れてきました。  浮上した論点は多岐にわたります。ただ、大文字の政治評論よりも、政治家の「人となり」や書き手との「距離(感)」に関心が向くのが、私の(悪い)癖です。  甲乙をつけられる立場でもないし、論評する能力もたいしてありませんが、①〜⑤のコラムはとても印象に残り、2度読み直しました。  以上は、私

    • 結果のご報告

      第44回講談社・本田靖春ノンフィクション賞(選考対象:2021年4月~2022年3月、非公募)は、『嫌われた監督』(文藝春秋刊)と『冤罪をほどく』(風媒社刊)の2作品が選ばれました。  おめでとうございます!  そして、決勝で敗れた私は「四敗の男」を襲名いたします(ノミネート作品は『おもちゃ』でした)。  自分の手掛けた作品が大きな賞にノミネートされた過去3回(=3敗)、実は受賞作を事前に予測し、毎回すべて的中させてきました。4度目の今回も当てました(笑)。 『嫌われ

      • 初版の誤植とお詫び。

         目を皿のようにして、なんども、なんども確かめたつもりでしたが、初版にこれだけの誤植がありました。電子版は修正済みです。紙版は第二版以降に対処いたします。誠に申し訳ございません。  以下が、正誤表になります。 ●P135 第三章 広島県政のヌーベルバーグ/ドンとの邂逅 【誤】さらに、地元選出の衆院議員であった。池田勇人とは同じ1899年(明治32年)生まれでありながら、県内の保守勢力を二分し、総理在任中の池田を悩ませた。 【正】さらに、地元選出の衆院議員であった池田勇人

        • 「チャーター機」に頼った田中角栄はなぜ敗北したのか 岸田自民党の総裁遊説に見た「苦戦のジンクス」

          令和初の衆議院議員総選挙が行われている。国政政党の党首たちは12日間にわたった選挙戦の期間中、全国各地をくまなく行脚し、それぞれが目指す「国のかたち」を国民に直接訴えた。 大手新聞各社の情勢調査によれば、政権与党の議席減が予想されている(※10/31朝時点)。原油価格の高騰に伴う生活不安や出口の見えない経済不況、「金権政治」に対する批判、そして「一強」のおごり……。空前絶後の人気を誇った田中角栄も首相時代の47年前、これらの課題に悩まされ、1974年(昭和49年)の夏に行わ

          ¥500

          受賞しました。

          このたび第9回日隅一雄・情報流通促進賞(奨励賞)を受賞しました。2020年9月に上梓した拙著『地方選 無風王国の「変人」を追う』(角川書店)を含む、地方土着の政に着目した文筆活動が、日隅一雄・情報流通促進基金の目指す「公正な情報流通」を促進させ、真の国民主権の実現に貢献するものとして、選考委員(落合恵子氏、三木由希子氏、岩崎貞明氏)より有難いご評価を頂戴しました。以下は、日隅弁護士の命日(十回忌)である2021年6月12日に行われた表彰式での受賞スピーチ(原稿)です。  こ

          【本日発売!】コロナ禍で政治に絶望した方々に捧ぐ〈前向きなGoTo旅行〉のご提案

          角川書店(KADOKAWA)より第8作目となる新しい著書を上梓しました。    タイトルは、『地方選 無風王国の「変人」を追う』(全288ページ)です。 装幀は、デザイナーの岡孝治さん。編集は、小川和久さん。写真は、「ふるさと納税」の豪華返礼品で有名になった佐賀県三養基郡上峰町で、私が撮った春の風景です。 ドドーン! 9か月前に発売した前作『無敗の男 中村喜四郎全告白』を書き終える前後から着目してきたのは、国でもなく、県でもなく、市でもなく、郡部、つまり町と村の政(まつ

          【本日発売!】コロナ禍で政治に絶望した方々に捧ぐ〈前向きなGoTo旅行〉のご提案

          家の中で消耗しない!世界同時多発コロナ禍時代の越境的メディアチョイス

          「世界同時多発コロナ禍」とも呼ぶべき事態になって、まもなく一か月。普段、家の外で働いている人にとっては、自宅で過ごす時間が多くなってきて、テレビのワイドショーやニュース番組にもそろそろ飽きてきていませんか? SNSを読むのが好きな方の中には、タイムラインに流れてくる激しめのメディア批判がついつい目に入ってギスギス、実際書き込んだりしてもなにも解決せずにヤキモキしている人、おりません? そこで、ひとつご提案です。 ほんの少しでいいので英会話が聞き取れるようでしたら、ためし

          家の中で消耗しない!世界同時多発コロナ禍時代の越境的メディアチョイス

          森友「遺書」スクープは、なぜ週刊文春だったのか――フリーライターが相澤さんと編集部員から学んだこと

          「週刊文春」3月26日号に掲載された「森友自殺〈財務省〉職員遺書全文公開 『すべて佐川局長の指示です』」が多くの人に読まれている。国内にとどまらず、海外からネット経由で購入する人々までいるそうだ。この記事は「遺書」の中身だけでなく、相澤冬樹さんの文章から明かされている経緯や誌面のあしらい、掲載のタイミングなどから、物書きが自問自答すべき事柄があまりに多い。発売後4日にわたり、一介のフリーライターが考え、自身のフェイスブックページにメモした長い長い読書感想文をまとめた。【全文無

          森友「遺書」スクープは、なぜ週刊文春だったのか――フリーライターが相澤さんと編集部員から学んだこと

          新型コロナ対応でも大失態 厚生労働省「ブラック官庁」の研究

          統計不正問題で国民の信頼を失ったのは、ちょうど1年前の今頃だった。2020年も、年明けから世の中を騒がせた厚生労働省。新型コロナウイルスをめぐる杜撰な対応にも、女性エリート官僚による〝コネクティングルーム出張〟にも、国民はあきれ返っている。なぜ、1つの官庁から〈不信の連鎖〉は続くのか――。登場人物は、安倍晋三、加藤勝信、橋本岳、秋葉賢也、舛添要一、江田憲司、小泉進次郎ら。〝強制労働省〟の謎を解く。 (文中敬称略、約1万字) ※この記事は、月刊誌「文藝春秋」2019年3月号に

          ¥150

          新型コロナ対応でも大失態 厚生労働省「ブラック官庁」の研究

          ¥150