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アラフォーで自分探しをする転勤妻の話

「私の今までの人生」というと大袈裟かもしれないけど、今までの生き方を振り返ってみると、相手が嬉しがるんじゃないかという反応をして人付き合いをしてきた気がする。

子どもの時から親に「いい子だね」と思われたくて、”今お母さんはこう言われたら嬉しいんだろうな”という想像をして自分の考えではない返事をしていた。

子どもだからわがままを言ったり自分のしたいことを主張することも当然あるけど、何となく相手の喜びそうなこと言わなきゃと思っていたフシはあった。

20代の時の彼氏と伊豆旅行の時には、旅館の部屋に案内されて、窓辺に走り寄って第一声
「わ〜いい景色!すごいね〜〜〜!最高の旅館だね〜〜〜!!」と彼氏や宿の中居さんも嬉しがりそうなことをはしゃぎながら言ってみたり

自分がどう思っているかというよりも、相手が言われたら嬉しがりそうな言葉を発していた。

大人になってからは接客業の仕事をしていて、お客さま第一、お客様の希望を尊重して、できなくても代替案を提供する。
そう教わって「最高のサービスを提供する」を社訓に掲げる会社で20年近く働いてきた。
なので相手がどうすれば満足してくれるかを考える日々が続いていた。

なんでこんな「相手が喜びそうなこと」を言っていたのか。

私は親に虐待されていたわけではないし、彼氏や中居さんを喜ばせたいという博愛精神からでやっていたことではない。

仕事は自分が憧れていた仕事につけたわけだけど、お客様第一主義の仕事で拍車がかかった感はある。

30歳を超えたくらいから薄々わかってはきたけど、アラフォーになってから確実にわかった。

それは、【自分の意見がないから】だと思う。

友達との会話でどう思う?と聞かれても、特に感想が持てない。
仕事の会議などで意見を求められても、なんの意見もない。

何がしたい?何が食べたい?どこに行きたい?と聞かれても、正直なんでもいいし、なんだったら何でも楽しめるから相手に決めて欲しいとまで思っていた。

私には自分の意見がなかった。

自我の芽生え

そんな私でも30歳を過ぎた頃から自我が芽生えてきた。

今までジャニーズや誰か他のアイドルの追っかけだったわけでもない。
なのに突如K-POPアイドルにはまってしまった。

YouTubeでK-POPアイドルのMV、アイドルが出ている歌番組、お笑い番組、ありとあらゆる番組を見るようになって、会社から帰るとすぐYouTube。
えらいものでYouTubeの視聴だけで韓国語がなんとなく理解できるようになって、そうなると自分でも少し話せるようになるまでになった。

安い航空券を探して数ヶ月に1回は韓国に行く、休みが2日あれば1泊旅行して帰ってくる。
明洞を歩いていると、ハングルで書かれた看板を見ては読んでみたくなる衝動にもかられた。
推しに会えないかなと思って、アイドルの事務所の前で出待ちもしてた。

初めて台湾に女子ひとり旅をしたこともある。
占いが盛んな場所があって、日本語が通じるおばちゃんが営む占い師の元に飛び込みで入り、私と推しの相性を占ってもらったこともある。

誰との相性を占って欲しいか聞かれたときに、咄嗟に思い浮かぶ男性がいなかったこともあるけど、すかさずアイドルの生年月日を伝えたくらいにはハマっていた。

自分の意見や自分の感想はないくせに、好きなものにハマるととことんハマってしまう性格だということがわかってきた。

そんな私のK-POPアイドル追っかけ時代はあっけなく終わってしまった。
突然推しのアイドルが結婚を発表したのだ。
ファンの間でも激震がはしった。

私も例にもれずかなりの衝撃を受けたと同時に、急にアイドルの追っかけの熱が冷めてしまった。

「なんで私はこんな見ず知らずの韓国の若い男の子に夢中になってるんだろう。
アイドルが結婚してるのに自分は結婚もせず、もうすぐ40歳になっちゃうマジやばい」と急に現実に戻された時には、女性の旬な時代30代がそろそろ終わりそうだった。

アイドルから冷めた後は早くて、今まで見ていたYouTubeも韓国にも全く興味がなくなってしまった。

熱しやすく冷めやすいというのは、一瞬の間ワーッと盛り上がってあっという間に冷めてしまうことを言うのだと思うけど、これは熱している時間が長過ぎた。

結婚から今まで

突然K-POPアイドルを追いかけるという趣味がなくなってしまった私は、まじで婚活しないとやばいなと焦ってきた。
暇だけはあったので、来る日も来る日も「37歳 女性 婚活」というワードで世の婚活世代女性はどんな婚活をしているのかから調べ始めた。

そこで一人の女性が書いたアメブロにギュンっと心を掴まれハマってしまった。

その女性が実際にしている婚活の様子が書かれていた。
おしゃれでもない、職場での人望もない、その女性がだんだんと女性らしく変わっていくという。
その様子が読んでいて楽しかったし自分も女性らしくなって結婚したいと激しく共感した。

婚活の話は数年前に書かれたもので、当時私がそのアメブロを見つけた時にはすでに女性は結婚していて、Webマガジンに連載を持っていたし婚活のコンサルをしてる事がわかった。

当然Webマガジンも読み漁って、さらに「この人どんな人なんだろう」と興味が湧いて、コンサル受けてみようかなという気になってきた。

これは!受けるっきゃない!
しかもその女性と年齢も近い。
誕生月の人は割引ありだと!ちょうど今月は私の誕生日がある!

申し込みから振り込みまではあっという間に終わった。
それだけ私は本気で結婚したいと思っていたし、なんとかしなくてはと焦っていた。

婚活のコンサルは本気で受けたし、受けてよかった。

今までの自分のやり方では何かが間違っている、でも自分だけではどこが間違っているのかわからない、だから知りたい。
どうすれば結婚できるのか本当に…マジで…お願いだから…ちょマジで本気でがんばるから!だから教えてほしい!!お願いします!!!

そんな感じで出されたお題もまじめに取り組んで数ヶ月、なんと8年ぶりの彼氏ができた!
それもひと回り近い年下の男性ということもあり、お互いのジェネレーションギャップを埋めながら交際4年、彼氏の転勤をきっかけに結婚、引っ越しと続き、入籍とともに私は転勤族の妻となった。

自分を見直す

転勤族の妻の最大の悩みと言ってもおかしくないのが、思うような仕事がみつからないということ。

いつ転勤で引っ越しするかわからない人材を正社員として雇ってくれる会社は少ない。
突然辞めますと言っても大きな支障のないパートかアルバイトが転勤族の妻の仕事の相場。

私ももれなく会社一丸となって「最高のサービスをお客さまに」と朝礼のたびに唱和させられていた大手企業から、まったくお客様の接客をしない時給900円台の事務職パートさんになった。

事務職を希望したのは、少し接客業にも疲れていたから。

ただこのまま無資格で事務職員しかできない一生は嫌だ。

友だちがと離れてしまった転勤族の妻にとって、パート先にいるその土地の人たちは貴重な交流ではある。

だけどまだまだ40代もっとやれるはず、こんなところで枯れるのはもったいない。

そう思って在宅でできる仕事で成果をあげることに決めた。

「転勤族の妻 仕事」で検索したら出てきたブログで稼ぐという記事を読んでから自己流なりにも真剣に取り組んだ。
暇さえあればパソコンに向かった。

なのに成果はほとんど出ず。
現実は厳しい。ブログで稼ぐって難しすぎると思う日々。

でもブログを始めたおかげでいろんな知識がついた。
・どんなことが流行っているのか。
・どんなことが注目されるのか。
・それを知りたい人たちはどんな人なのか。
・自分がその記事でリードするためには。

今まで会社員として働いていた時にはしてこなかった、ちっちゃなマーケティング感覚が身についた。
これは大きな成果。

ブログで何を発信していくか決めるときは、こんな事を考えて自分を見直す必要があった。
・私は何が好きなのか
・私は何が得意なのか
・私が人に教えられることは何か
・無理せず続けられることは何か

自分には何ができるのか、自分を見直すことで自分の好きなことを認識していく。

自分の意思がなくて、相手に何もかも決めて欲しかった私が。
自分の好きがわからなくて、人の嬉しがること言っときゃいいかと思っていた私が。
自分がなかった私が、自分の好きなことは何かを一生懸命考える機会ができた。

転勤生活はこれからも続いていく。
転勤族の妻は引っ越しのたびに新しい仕事を探していく。
だから私にできること、私にしかできない仕事を探していく。

今はその途中。

このまま一生パート社員では人生終わらせない、という希望と意気込みを掲げて。

自己紹介終わり。

#自己紹介

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