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「いってきまーす!」 もえはあわてて玄関を飛び出した。ドアはお母さんが開いた状態でおさ…
ある夜のことでした。 海の底では、ヒトデの子がずうっと上の方をながめていました。 「…
1.ゆかちゃんのモコ 「いる、いらない、いる、いる……うーん。やっぱいらない」 ゆかち…
子どもの背丈ほどの小さな木の下に、一匹の白ねこが眠っていました。丸まった背中には、茶色…
山に入ってはいけない。 里にすむものなら誰でも知っていることでした。とくに月のない晩…
にゃあご。にゃあご。ふぎゃあお。 人が寝静まった江戸の町で猫が呼び合う声がします。ほ…
海に小舟が浮かんでいます。磯太郎の小舟です。 磯太郎は浅瀬まで舟をこいでくると、ひざまで海に入り、舟をおして浜にあげました。 「きょうはたくさんつれたなぁ」 磯太郎は満足げに、つりざおと魚かごをかかえて歩き出しました。 すこしいくと、浜に人だかりができていました。見れば、波打ち際に人魚がたおれています。どうやら打ち上げられて海に帰れなくなったようでした。 「なんの話をしているのだ?」 磯太郎がきくと、 「どうやって運ぶのかを相談しているのだ」 「人魚の肉を食べれば
あるところに、ある王国がありました。 暑くもなく寒くもなくとても過ごしやすい国です。…
肝試し 大谷隼人、小学校6年生。 オレは苦手なものがあまりない。 食べ物の好き嫌いも…
真火の舞 科戸の風 チリン――。 あの人がほほえみました。それがわかるから、わたしは…
1. おばけ屋敷のヒカル 日が暮れてきました。 今にも崩れそうな古いお屋敷に、ちょう…
ずっと一緒にいようね。 ずっと仲良しでいようね。 なんども約束したのに、きみはいな…
・゜゜・:.。..。.:・:゜・:.。. .。.:・゜゜・* さらさら…… さらさらさら…… 小さ…
今は昔。 たいそうよい香りを放つ梅の花がありました。やわらかくあまい香りがあたりにただようのであります。枝ぶりも細やかに曲がり、とても趣があります。 若い梅の木は姿も香りもすばらしいので、虫や鳥たちがたえまなく訪れ、我こそは梅の姫と親しくなろうと、舞や歌をおしみなく捧げておりました。 蝶が美しい模様の羽を優雅にはばたかせます。 「梅の姫。わたくしの舞をごらんください。わたくしこそ、あなたのまわりを飛ぶのにふさわしいとは思いませんか?」 「あら、そうかしら」梅は枝の