隠れた名企業Vol.1/株式会社16bit.「オーラが出るほど想いが強いクリエイティブを」~IT・Web業界の職人達~
こんにちは。職人を尊敬してやまないエージェントセブンの小須賀です。
隠れた名企業~IT・Web業界の職人達~、記念すべきVol.1
このブログをはじめるにあたり、トップバッターはこの会社と決めておりました。
株式会社16bit
https://16bit.co.jp/
社員数8名の少数精鋭の映像とWeb制作を手掛けているクリエイティブユニットです。
左 取締役 石川氏/右 テックリード 鬼澤氏
■一言でいうとどんな会社?
「ビジネスとアーティスティック」両方の世界が共存している企業です。
・大手企業のWebサービスやアプリのUIUXといった商用デザインの仕事
・ミュージックビデオやアーティストによるイラスト制作といった表現者としてクリエイティビティを求められる仕事
両方を手掛けています。
サービスデザインと、アーティスティックな作品づくりという一見相反する要素が共存している企業というのはなかなか珍しいのではないでしょうか。
さらに、この両者のこだわりを融合し、妥協点を見つけるのではなくギリギリまでお互いを高めあった先にある進化を目指してクリエイティブを提供する、そんな印象を受けました。
■会社の特徴
・メイン事業は映像xWeb制作の二本柱
・サービスのUIUXというビジネス色の強い仕事、世界から評価されるイラストアートや映像などアーティストとしての作品性を求められる仕事を両軸で展開
・クライアントワークをメインにしつつ、自社で映画制作やイラスト個展など行うクリエイター集団
・Adobe Creative Cloudで世界的評価を受けるイラストレーターが在籍
■創業ストーリー
創業メンバーは、大阪芸術大学の同級生メンバー3名。
代表取締役の松上氏は、大阪芸術大学を卒業後、映像作家として活躍していました。法人化したタイミングでもう1名大阪 芸術大学の同期生がジョイン。さらに翌年、名古屋で映画館の看板やグラフィックをデザインしていた石川氏(取締役)がジョインし、映像とWebの二本柱で事業をスタート。
設立当初は西新宿のオフィス兼住居という環境。
取締役の石川さんは当時家族を置いて上京。「最初の仕事は部屋(オフィス)の掃除。憧れの東京の地に出てきたはいいものの、友人もいないので仕事しかない生活。駄目なら帰るしかないという背水の陣で死ぬほどやりました。」と語ります。
2013年には、イラストレーター/グラフィックデザイナーとして活躍する飛永氏が参画。もともとは某映画館で働いていた飛永氏。「絵がとんでもなく上手いやつがいる。」と紹介をうけたことがきっかけで同社へ。
飛永氏は 2015年にAdobe Creative Cloudのワールドワイドキャンペーンに唯一の日本人アーティストとして起用され、世界中の様々なクリエイターが手がけている「Adobe Remixプロジェクト」に日本人アーティストとしては初抜擢されています。
2015年 Adobe/Portfolio Reviews # 7 : 最優秀賞
2016年 A'DESIGN AWARD : 銀賞
2016年 UT GRAND PRIX 2016 : 入賞
と次々と世界での実績を作り、同社の大きな戦力となります。
飛永氏の主な作品はこちら
Adobe Remix
https://www.behance.net/gallery/32805283/Adobe-Remix-Takehiro-Tobinaga
Adobe MakeIt Campaign
https://www.behance.net/gallery/28102497/Adobe-Make-it-Takehiro-Tobinaga
2018年にはテックリードとして鬼澤氏がジョイン。大手Web企業のサービス開発経験がある鬼澤氏の参画により、技術面でも大きな武器を得ます。
オフィスには飛永氏のイラスト作品が
■私がおススメしたい理由「仕事に対するスタンス」
①オーラが出るくらい想いが強いクリエイティブを
この考えは、Web、映像、イラストと異なる業界の常識とそれぞれの才能をぶつけることで価値観を進化させた先に出てきた答えです。
例えばWebと映像では、それぞれ業界のルールもやり方も異なります。
それぞれの信念を日々ぶつけながら仕事をすることで、これまでの価値観や仕事に対する考えも進化すると考えています。
長年のフリーランスとしてミュージックビデオ(PVやライブ映像など)を多く手掛けてきた映像ディレクターの丸山氏は、2019年に同社に参画。
「映像は商業的なものが多いんです。学生時代に作ってた作品は仕事では求められないことが多く広告がほとんど。ただし、ミュージックビデオはその中間を攻めることができるものだった。16bit.では"作品性のある映像づくり”ができると感じた。
強いこだわりと想いをもった作品からはオーラが出るんです。 代表の松上さんは映画をつくってるし、クリエイティブを大事にしている。ここなら目指すものができるかもしれないと思った」
こう語る丸山さんの映像からは本当にオーラが出ていると話すのはWeb領域を統括する石川氏。こうした映像チームの仕事を隣でみて、ハッとさせられることがあるとのこと。
「機能"が重視されがちな世のなか。 ”要件を満たす、何かを解決する”こうした価値提供は大前提。そこに+αこだわりがある、オーラが出るような強い想いがあるものを出す。16bit.としてこうした仕事を目指したい。」と語ります。
②細部に信用がかかわる
「課題を解決することがミッションである以上、機能や効果を満たすことは大前提。ただし、効果が出れば何を出してもいいわけではない。デザインとして美しいのか、デザイナーとして大事にしています。」と語るのは石川氏。
「工数を提供するのではなく、アウトプットを提供する。
クリエイティブのアウトプットはもちろんのこと、デザインをどう決めるのか、どう考えるのかのコミュニケーションも含めて、この仕事にクライアントはお金を出す価値があるかどうか、今自分の仕事は作業になっていないか?を常に自問自答しています。」
■16bit.が目指すところ
「当社を飲食店に例えるなら、裏路地にある小さな名店。激安チェーン店でも、高級な3つ星レストランでもなく、自分たちの世界を大切にしながら、こだわりをもって美味しいものを提供する、知る人ぞ知る名店のような会社を目指したい。」
この言葉が素敵だなと感じ、こうした信念を持つ会社を支援したい想ったことがこのブログを始めるきっかけになってたりします。
小さくて強い飲食店のようなこだわりが強い同社。
戦略なき大量採用はしない、人もクリエイティブも薄めない、でもクライアントの期待を超えていくために常に進化を目指して模索しています。
16bit.が導き出す解は何なのか、一緒に追いかけていきたいと思います。