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請求項と実施形態(実施例)は1:1対応しないといけないか?【リライト版】
(Q)特許の出願書類の「特許請求の範囲」「明細書」ですが、
✔「特許請求の範囲」には一般に複数の請求項が記載されますね。
✔「明細書」には一般に複数の実施形態(実施例)が記載されますね。
請求項と実施形態は1:1対応させないといけないのでしょうか?
(A)請求項と実施形態は1:1対応させなくても構いません。
特許が拒絶される理由は、限定的に規定されています。
「請求項と実施形態を1:1対応させる」という規定はありません。
明細書は、いくつかの記載要件を満たす必要があります。
いわゆるサポート要件や実施可能要件などを満たす必要があります。
これは明細書の「全体として」これらの要件を満たせばいいものです。
また、請求項の内容は、特許出願後に補正されることがあります
一方、実施形態の内容を補正することは、ほとんどありません。
この点でも、請求項と実施形態の1:1対応は必要ありません。
■特許出願書類の書き方にルールを作ることの是非
実務上は、特許出願書類の書き方にルールを作ることがあるでしょう。
例えば、こんなこともあるでしょう。
✔依頼者(企業)が特許事務所に依頼する際にルールを作る
✔特許事務所内部でルールを作る
明細書については、そこまで厳密な記載要件というものはありません。
必要な法律や規則(拒絶理由に該当するもの)さえ守ればいいのです。
あとは発明の内容に合わせて、自由に書いていいものです。
発明の最適な保護を図ることが第一です。
もちろん、請求項と実施形態を1:1対応させてもいいです。
明細書の記載要件を満たすことがわかりやすくなる場合もあります。
特許出願書類の書き方にルールを作ることは、一長一短があります。
最優先すべきなのは、発明の最適な保護です。
明細書の書き方のルールによって、発明の保護が十分に図れない…
そんな特許出願書類になっては、本末転倒です。
■特許に関する質問を歓迎しています
私どもでは、特許に関する質問を歓迎しています。
本質問のようなことは、あまり考えたことがありませんでした。
このような質問も歓迎します。
今回もこのようなご質問を頂き改めて勉強になりました。
ありがとうございました。
(後半の内容は審査官時代に審査官と議論した内容に基づいています)
<元記事>
【Q&A】請求項と実施形態(実施例)は1:1対応しないといけないか?(2018年05月23日執筆)
<関連記事>当ブログのリライトについて
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