【Ｑ＆Ａ】特許の出願書類で１文の長さに上限はありますか？

（Ｑ）自分の発明で特許を出そうと思い、特許の出願書類を書いていますが、文章を書くのが苦手です。だらだらとしたまとまりのない文になってしまうのですが、１文の長さに上限はあるのでしょうか？

（Ａ）１文の長さに上限はありません。このようなあまりに形式的なことは、法律や政令などでも規定はありません。

＜補説＞
特許の出願書類は、内容が明確であることが最も重要です。文章の上手さは、求められていません。

読みやすさという点では、一つの目安としては、上限を120字くらいにしてはいかがでしょうか。特許の書類は、１行が40文字なので、３行以内です。

読みやすさとは、特許の出願人にとっては、審査官や特許公報の読み手を意識したものです。わたしたち弁理士にとっては、上記に加え、お客様を意識したものということになります。

ちなみに、弊所ではこれまで、特許の出願書類を形式チェックするソフトウェアを使ってきましたが、デフォルトの設定では120字を超えると警告が出されるものがありました。ご参考まで。

●文章の上手さよりも、明確さ！

文章を書くのが苦手ということですが、特許では、文章の上手さは、求められていません。読み手の感情をゆさぶる必要はないのです（笑）

ちなみに、特許の書類の一つである「意見書」は、審査官に訴えるものであるから、多少そういう要素がある言われることもありますが、わたしの審査官時代の経験から言えば、淡々とした意見書の方が、説得力があったものです。

文書が下手であっても、内容が明確であれば十分です。そのためには、例えば、箇条書き、かっこ、表題、目次などを利用すると、書きやすくなることがあるでしょう。

ちなみに、審査官にわかりやすい明確な特許出願書類を作ることは、審査を受ける上でもメリットが大きいものです。この点については、別の記事で述べます。

●弁理士（特許事務所）に依頼するときも同じです

いかがでしたでしょうか。

ちなみに、弁理士（特許事務所）に依頼するときにも、同じです。発明の内容について所定の文章の作成を求められることがありますが、このときも、上手な文章を書こうとするよりは、内容を明確に伝えるようにしてください。あとは、弁理士が、最高の書類を作成してくれます。

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●元ブログ（＋αの情報あり）

https://www.tokkyoblog.com/archives/62382739.html

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東雲特許事務所（しののめ特許事務所）
弁理士　田村誠治（元特許庁審査官）
【東京都港区新橋】【東京都中央区八丁堀】【東京都北区田端】
【稀有な経歴】特許技術者→特許庁審査官→特許事務所運営