見出し画像

どうなる「声の権利」?生成AIの「声の無断使用」問題を考えてみた

「声の権利」に関するニュース記事を見ました。

本記事はこの点を考察してみます。
知財の専門家です。そしてボイトレを趣味にしています(笑)
ここだけのオリジナルの意見もありますのでご参考になれば幸いです。

<目次>
(1)知財で守る?
(2)民法で守る?(肖像権の豆知識)
(3)感情論で守る?

■(1)知財で守る?

上記のニュース記事のサブタイトルは「求められるルール作り」
ルールと言えば法律で、著作権(著作権法)になるでしょうか。

これには専門家からも、著作権での保護は難しいという意見が多数。
実際、現行法では、声そのものは著作物とは考えられていません。

ただ、こんな考え方はどうでしょうか?
✔声優は、自分の喉を使って(鍛えて)声優としての声を創造した!

声優は生まれながらにしてあの声だというわけではありません。
人並みならぬ努力をしています。
わたしもボイトレをちょっとやっているのでわかります。
(わたしの場合は声のコンプレックス解消のためレベルですが)

「声を創造した」

こんな観点で、著作物的な要素を保護できないものでしょうか?

■(2)民法で守る?(肖像権の豆知識)

上記(1)はやや強引でしたでしょうか。
声の権利により近い権利は「肖像権」かも知れませんね。

「肖像権法」という法律はありません。
肖像権についての知識を復習してみましょう。

********************************
✔肖像権は、憲法の「幸福追求権」から派生した権利
✔肖像権侵害に関する基準は明確には定められていない
✔被撮影者の受忍限度内かという観点を考慮した基準がある
✔基準:個人が特定可能?拡散性高い?撮影場所?公開許可の有無など
✔肖像権侵害は刑法などに規定されていないため犯罪行為にはならない
✔民法の「不法行為による損害賠償」を根拠に訴えることは可能
✔写真無断掲載などは、侮辱罪や名誉毀損罪が成立する可能性もあり
********************************

「声の権利」を保護するというのは、結局、
✔損害が生じた場合に、損害賠償を請求することができる

(1)も(2)も損害が発生するかがポイントということですね。
不法行為による損害が発生すれば、賠償を請求することができます。
このように民法ではそれなりに守れそうに思います。

■(3)感情論で守る?

「声を権利を守れ」と声を上げるのはたしかに意味があります。
ただ感情論では限界があるのも事実です。

具体的な損害(額)の証拠を残すことが重要です。

ご参考になれば幸いです。

●YouTubeで音声でもご覧いただけます

●元ブログ(+αの情報あり)

https://www.tokkyoblog.com/archives/89690778.html

********************************
【PR】個人様・社長様に特化&元特許審査官が運営する特許事務所!
「おすすめの特許事務所」「おすすめの弁理士」を目指します!
そんな東雲特許事務所(しののめ特許事務所)へのお問い合わせは、
お気軽にこちらからどうぞ!
https://www.patande.com/お問い合わせ/
(↑お問い合わせフォームが開くだけですのでご安心ください。)
********************************

いいなと思ったら応援しよう!