特許出願から1年以内に審査結果(特許or拒絶)が出たときにできること【リライト版】
特許出願から1年以内に審査結果(特許or拒絶)が出た!
本記事ではこのとき可能な対応について、ご紹介します。
ここでいう審査結果とは、最終処分として、
(1)特許になった、または、(2)特許が拒絶された
ということです。
一次審査的な意味合いの、拒絶理由通知のことではありません。
審査結果が出たら、それで終わりじゃないの?
そう思われるかも知れません。
「1年以内」という状況においては、その後にできることがあります。
ここでは「1年以内」に特化した手続きをご紹介します。
ご参考にどうぞ。
(1)特許出願から1年以内に特許になった場合
外国での特許取得を目指せます。
せっかく特許になったのです。
外国での特許取得を希望されることがあるでしょう。
1年以内であれば、外国での特許取得を目指せます。
同じ内容については、最初の出願日を維持したままで可能です。
このような扱いを「優先権」と言います。
パリ条約という条約に基づく権利です(以下、パリ優先権)。
パリ優先権を主張して、国際特許出願(PCT出願)も可能です。
パリ優先権を主張する際は、内容の追加を行うこともできます。
内容を追加することで、より包括的な特許取得が目指せます。
(追加部分については、最初の出願日を維持することはできません。)
日本の特許庁の審査は、優秀で信頼性が高いと言われています。
日本で特許になったのです。外国でも特許される期待が高まります。
(注)ただし、注意があります。
上記のパリ優先権を主張して、国際特許出願を行う場合についてです。
上記の国際特許出願では、日本へは、パリ優先権を主張できません。
最初の特許出願の際にちょっとした工夫が必要です。
パリ優先権を主張して、日本での包括的な権利化を目指せます。
この点については、別途述べたいと思います。
(2)特許出願から1年以内に特許が拒絶された場合
一般的な対策(拒絶査定不服審判など)は割愛します。
(ここで述べるまでもなくさまざまな情報あります。)
拒絶査定が1年以内である場合には、別の対策が一つあります。
日本国内のみで有効な、優先権を主張することができます。
(以下、国内優先権といいます。)
国内優先権を主張することによって、再チャレンジできます。
国内優先権を主張する際も、内容の追加を行うことができます。
内容を追加することで、より包括的な特許取得が目指せます。
(追加部分については、最初の出願日を維持することはできません。)
■出願から1年以内に拒絶されたときに、国内優先権を主張するメリット
国内優先権を主張することには、以下のメリットもあります。
最初の特許出願が拒絶される理由としては、大半が、
✔特許出願された発明が従来の発明と類似している(進歩性なし)
審査官から、従来の発明について、文献などが提示されます。
そこで、国内優先権の際に、その従来の発明との違いを主張できます。
また、発明を改良等することもできます。
従来の発明との違いを主張できる可能性を高められます。
一つの出願の中では最初に開示していない新規事項は追加できません。
しかし、国内優先権を主張する出願は、最初の出願とは別の出願です。
新たな事項を追加することもできます。
国内優先権のメリットは上記のとおりですが、デメリットは費用です。
出願手数料や審査請求料は、出願ごとに掛かります。ご注意ください。
●最新の特許庁の運用に対応しています
本記事で書いた内容は、比較的新しい考え方と言ってもいいです。
近年、特許庁の運用が以下のように改善されているからです。
①審査結果が早く出るようになった
特に、出願人が小規模事業者、自営業者、個人などの場合です。
一年以内に特許または拒絶の審査結果が出ることも多くなりました。
(わたしも審査官時代に、期限に追われて苦労しました!)
②費用的な負担が少なくなった
こちらは小規模事業者、自営業者、個人などの出願人に限定です。
一定期間、特許印紙代の減免措置があります。
追加で特許出願を行っても、費用的負担がだいぶ少なくなりました。
本記事の内容は、ネット等を探しても、情報が少ないかも知れません。
ご不明な点や興味がありましたら、お気軽にご連絡ください。
ご参考になれば幸いです。
最後までお読みくださりありがとうございました。
<元記事>
特許出願から1年以内に審査結果(特許or拒絶)が出たときにできること(2015年05月01日執筆)
<関連記事>当ブログのリライトについて
特許の過去記事をリライトします&YouTubeも【1文1行ブログ】
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https://www.tokkyoblog.com/archives/89243216.html
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