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発明の特徴が複数あるときに注意すべきこと ~製品が先ではなく、アイデアが先【リライト版】

(Q)製品をいろいろいじっていたら、イイモノができました。
従来のものと比べて、改良点が2つあります。
この改良品で特許を取りたいのですが・・・

(A)改良品の内容で特許を取ることはできます。
2つの特徴(以下、aとbとします)の関係を整理しましょう。
特許の書類の書き方しだいで非常に狭い権利になるおそれがあります。

<解説>
具体的な製品(改良品)をお持ちになって、これで特許を取りたい!
そういう方も多くいらっしゃいます。
ただ特許とは基本的に発明(アイデア)に対して与えられるものです。

発明とは「1つの課題を解決するための、1つの手段」です。
特徴が2つあるときは、以下の点を確認しましょう。

✔2つの特徴がどちらも必須で、両方あわせて1つの手段を構成する
→つまり「アンド条件」なのか?
✔2つの特徴は、それぞれ1つでも課題を解決できる
→つまり「オア条件」なのか?

本来はオア条件なのに、アンド条件のように捉えてしまう…
特許の書類の書き方しだいで非常に狭い権利となるおそれがあります。

(1)アンド条件の場合の請求項の記載
【請求項1】aとbとを特徴とする、○○装置。

(2)オア条件の場合の請求項の記載
【請求項1】aを特徴とする、○○装置。
【請求項2】bを特徴とする、○○装置。

(1)の場合
aだけの○○装置、または、bだけの○○装置は、特許にはなりません。
aだけの○○装置、または、bだけの○○装置は、だれでも実施できます。
この点にご注意ください。
(特徴は2つでも、アイデアとしては1つと考えた方がよろしいです)

aとbが独立した特徴であるなら(2)のように記載できます。

(2)では、aだけの○○装置と、bだけの○○装置の2つの特許です。
1つの特許出願で目指します。
(aとbの関係によっては、1つの出願にまとめられない場合もあり)

以上は、発明の特徴が3つ以上であるときも同様です。

■製品が先ではなく、アイデアが先

特許は、基本的には、「製品が先」ではなく「アイデアが先」です。

✔アイデア(発明)=「1つの課題を解決するための、1つの手段」
この点を意識しましょう。

上記例で言えば、aとbがオア条件の場合、
→aまたはbのいずれか一方が完成した段階で、特許を意識してもいい

「手よりもまず頭を動かそう」が絶対と言いたいわけではありません。

質問者のように、製品をいろいろいじっていたら、発明が完成した!
実際の現場では、そういうケースもあると思います。

また、理論上はオア条件だけど、実際の製品では現実的でない…
いずれか一つの特徴だけの製品は現実的でないこともあるでしょう。

諸事情を考慮して、良い特許を目指しましょう!
上記の請求項の記載が参考になれば幸いです。

本記事の内容で迷われたら特許事務所(弁理士)にご相談ください。

<元記事>
発明の特徴が複数あるときに注意すべきこと ~製品が先ではなく、アイデアが先(2015年10月31日執筆)

<関連記事>当ブログのリライトについて
特許の過去記事をリライトします&YouTubeも【1文1行ブログ】

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