見出し画像

「行動しない評論家は無価値である」のあいまいさと特許の新規事項追加【リライト版】

『行動しない評論家は無価値である』

これは名言ですね。
この意味するところは、みなさまにはお分かり頂けると思います。

しかし、この名言は、形式的には、2通りの意味に解釈できます。

本記事は、
✔特許の出願書類では、このような文章は避けましょう

拒絶理由である「明確性」と「新規事項追加」のお話しです。

■『行動しない評論家は無価値である』の2つの意味

『行動しない評論家は無価値である』は次の2通りに解釈できます。
①評論家は、行動しないので、無価値である
②いろんな評論家がいるが、その中で、行動しない人は無価値である

本来の「名言」となるような意味に解釈してください。

■特許の出願書類は、明確さが最優先!

特許の出願書類では、この明言のような表現は避けるべきです。
複数とおりの意味に解釈できる表現です。

ちなみに一昔前、特許の出願書類は、こう言われていました。
✔曖昧な表現にしておけば、後から都合のいい意味に解釈してもらえる

出願内容の「要旨」を変更しなければ、新規事項も追加できました。

しかし、近年では、特許の出願書類に新規事項は追加できません。

ある文章が、複数通りの意味に解釈できる場合は、
✔どれでも都合のいい意味に解釈してもらえるわけではありません
✔まったく文章が書いてないのと同じになる危険性もあります

特に、発明のポイントとなる部分についてはリスクが高まります。
特許が拒絶されたり、特許が後で無効になったりすることもあります。

■補正の例

特許請求の範囲に「評論家は無価値である」と記載したとします。
明細書に「行動しない評論家は無価値である」と記載したとします。

特許請求の範囲を補正する際に、
✔「評論家は、行動しないので、無価値である」に補正できるか?

上記①と②の①の表現ですね。これは微妙な気がします。
この例は極端な例ですが、言いたいことはお伝えできたと思います。

■ではどうするか?

気付かずにこのような表現になってしまうこともあるでしょう。

ではどうするか?

特許の出願書類では、次のようなことも有効です。
✔明確な表現にすることを意識する
✔表現を変えていくつか表現する
✔多観点から表現する
✔特に発明のポイントやその周辺について(将来的な補正の根拠)

<元記事>
「行動しない評論家は無価値である」のあいまいさと特許の新規事項追加を考える(2016年04月26日執筆)

<関連記事>当ブログのリライトについて
特許の過去記事をリライトします&YouTubeも【1文1行ブログ】

●YouTubeで音声でもご覧いただけます

●元ブログ(+αの情報あり)

https://www.tokkyoblog.com/archives/89676658.html

********************************
【PR】個人様・社長様に特化&元特許審査官が運営する特許事務所!
「おすすめの特許事務所」「おすすめの弁理士」を目指します!
そんな東雲特許事務所(しののめ特許事務所)へのお問い合わせは、
お気軽にこちらからどうぞ!
https://www.patande.com/お問い合わせ/
(↑お問い合わせフォームが開くだけですのでご安心ください。)
********************************

いいなと思ったら応援しよう!