特許の出願書類に「先行技術文献」を記載する意義について(1)【リライト版】
(Q)特許を出願する際に「先行技術文献」を記載しますね。
自分の知っている最も近い従来技術を開示するのですね。
出願人には何のメリットもないように思えます。
どう考えればいいのでしょうか?
(A)先行技術文献の記載は、結局は、出願人ご自身のためです。
<解説>
この質問には、次の2つの意図があることがわかりました。
(1)先行技術文献を調査するのは、手間である。
(2)先行技術文献を開示すると、自分の発明の審査で不利である。
本記事では(1)についてお答えします。
((2)については末尾にリンクがあります。)
■先行技術文献を調査するのは、手間?
先行技術文献を調査するのは、手間でしょうか?
以下のように考えてみてはいかがでしょうか。
どんなにすばらしいアイデアだとしても、特許になるとは限りません。
先行技術の調査は、良い特許取得のために重要とお考えください。
以下、重要性を3点ご説明します。
■先行技術の調査の重要性3点
先行技術調査の結果、以下のようなメリットがあります。
①あなたの発明に類似する特許が存在することがわかったとします。
先行特許を克服して特許になる、もう一工夫が必要かも知れません。
もう一工夫してから、特許出願をするのも一つの手です。
②まったく同じ先行特許が存在することがわかったとします。
その場合は、ただちに特許出願をする必要はありません。
少し寝かせてみるのもいいでしょう。
無駄になっていたであろう特許の費用を、無駄にしないで済みます。
③先行技術調査によって、さまざまなアイデアに触れられます。
新たなアイデアが浮かぶことだってあるでしょう。
■調査の手間を解消しつつ精度を高めるには?
先行技術調査は手間、というのも理解できなくはありません。
ただ、ざっと挙げただけでも、①~③のメリットがあります。
ぜひ先行技術調査に挑戦してみてください。
費用に余裕があれば、より精度の高い先行技術調査が期待できます。
つまり、先行技術調査を専門家(弁理士など)に依頼できます。
調査を行った弁理士に、特許の書類を作成してもらうのがいいですね。
調査の途中で見つけた文献との比較で、書類を作成できます。
あなたの発明を優位性を適切に書類に表現してもらえることでしょう。
では、きちんと先行技術調査ができたとします。
それを審査官に開示してしまうのはどうでしょうか?
もう一つの(2)については、下記記事をご覧ください。
<関連記事>
特許の出願書類に「先行技術文献」を記載する意義について(2)【リライト版】
<元記事>
特許の出願書類に「先行技術文献」を記載する意義について(1)(2020年11月23日執筆)
<関連記事>当ブログのリライトについて
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