トラッキングカードはお守りじゃない
久しぶりの投稿だが、今回は私の情けない経験を振り返ろうと思う。
その経験とは、自分ではありえないと思っていると必ずやってしまうこと、すなわち財布の紛失であった。
ことの発端は月曜日。私は友人のNとSに誘われてまだ日差しの強い夕方から軽いドライブに出かけた。車に乗る直前、私は大学の図書館を退館するタイミングで財布から学生証を取り出して使用した。すなわち、この時はまだ確実に持っていた。車に揺られて家電屋と寿司屋に寄ったが、どちらも財布は持っていったものの使用はしなかった。そしてその後、家のすぐそばに降ろしてもらい、二人にお礼を言って車を降りた。疲れていたものの何も持たずランニングをして、シャワーをしてそのまますぐ寝てしまった。この時点で財布はなくなってしまっている。今思い返すといくらでも気づくことはできたのに、情けない。
翌日の火曜日は、家でアニメを見たり、寝たり、論文を軽く読んだり、就活のオンラインイベントに参加したり、寝たり、走ったり、寝たりしていた。そしてちょうど前日に車を降りたぐらいの時間に、財布がないことに気が付く。慌ててNとSに連絡し、5kmほど移動して借りた車のカギを開けてもらったものの、いくら探せど車内から私の財布は現れなかった。正直、行動を振り返ってみても車にないわけがないので、「やってしまった」と絶望したのであった。
次の日は店に電話をしたり、警察に遺失届を出したり、カード類を停止するなどを行った。一通り手続きを終えて家に帰ってきた私は、机の上のあるものを見て激しく自分を責めた。それは財布に入れることでGPSで場所を追うことができるトラッキングカードであった。実は上記のNはよく財布を無くす男であり、彼の誕生日にはこのトラッキングカードをプレゼントした。自分もいつか無くすかもしれないと思っていた私は、某通販サイトがセールを開催しているときに同じものを購入していた。そしてそれが届いたのはなんと財布を無くした数日前であった。そう、めんどくさがらずそのトラッキングカードを財布に入れ、位置情報を設定していれば、こんな目にあうことはなかったのである。絶望に絶望を重ねた私はその日は何もできずに早々に布団にこもってしまった。
木曜日、いつまでもくじけているわけにはいかず、朝から免許センターに向かった。実は週末にサークルで車を使う予定があり、このままでは難しい山道を含めて4時間も後輩1人に運転させることになってしまうため、なんとしても免許証だけは再発行する必要があった。少々時間がかかってしまったが無事免許証を再発行することができた。
そして、金曜日。財布の紛失から実に4日が経過し、最後の学生証再発行手続きを終えた直後、電話が鳴った。恐る恐る通話を開始すると、なんと警察署からではないか。普段警察署から電話がかかってこようものなら不安でたまらなくなるだろうが、この時の私はむしろ抱えていた不安をすべて取り去らわれたのであった。要件はもちろん財布の発見報告であり、私は何度もお礼を申し上げた。そして、私のもとに財布は帰ってきたのである。
後日談、というか今回のオチ。
警察署の落とし物窓口の方のお話によると、届け出てくれた方が財布を発見したのは火曜日の19時ごろ、だいたい私が車の中を探しに行った4時間ほど前だったという。この方が忙しかったのかはわからないが、届けてくれたのは金曜日の朝であった。もうちょっと早く届けてくれればもろもろのカードの再発行手数料かからなかったのに、とか思ってはいけない。1万円という学生にとっては大金と貴重なカード類を無事に届けてくれただけで感謝感謝である。ともかく、私がこれからまずしなくてはならないのはトラッキングカードの導入である。お守りではないのだから、持っているだけではなく、使わなくては意味がないのだ。
日本は治安がいいとはいえ、あなたも貴重品の扱いには気を付けていただきたい。
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