呼び名の魔力

他人と仲良くなる、距離を詰める際に立ちはだかる難関。
それが呼び名問題である。

苗字で呼ぶのか、名前で呼ぶのか。
くんをつけるか、ちゃんをつけるか、さんをつけるか。
どんなあだ名が適切か。

大体の場合、一度呼び名を固定してしまうとなかなか変えるのが難しくなってしまう。
すなわち最初が肝心なのだ。

先輩のように目上の人ならなんということはない。
「〜先輩」「〜さん」と付けておけば大体なんとかなるから。

問題は同期や後輩に対してである。
最初から呼び捨てはちょっと怖いので、「〜くん」「〜さん」から始まる。
しかしある程度仲良くなると、こういった敬称は距離を感じる気がしなくもない。
仲良くなるために一歩を踏み出す必要があるのだ。
個人的にベストなタイミングは3度目に対面で会った時である。
会話をしながらしれ〜っと、まるで元々そうであったかのように呼び捨てしてみる。
そうすると案外あっさりと受け入れてもらえるので、そこからはもう普通に呼べるようになるのだ。

ところで、あだ名はどうであろうか。
僕が中高で呼ばれていたあだ名は自分の本名とかすりもしない変なものだったので、大学進学で新しいあだ名をつけてもらおうと思っていた。
ところが、三度この話になるのだが、待ち受けていたのはコロナ禍によるオンライン授業であったので友達作りからまず苦戦することになり、とりあえず自分で作った。
苗字をちょっともじった非常によくあるあだ名であったが、なんだかんだ大学でもサークルでも呼ぶ人は呼んでくれるくらいに落ち着いた。


そんなわけで、僕は2、3回喋ったことある同期や後輩に対して、敬称を取って呼び捨てしたりあだ名で呼ぶように意識をしている。
もしかしたらウザがられてるかも知れないけど、いまだにやめてくださいと言われたことはないから大丈夫だと思い込んでおこう。
…大丈夫だよね?
やっぱ難しい。

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