FPSの立ち回りその1〜エリア理論の基礎〜
はじめに
私はよく、「立ち回りがわからないので教えて欲しい」という依頼を受ける事があります。
根本的に分かっていない方が多いのですが、簡単に説明できるものでも無いので記事としてまとめる事にしました。
特にエリア理論については、それだけで全ての立ち回りが説明できるのにもかかわらず、簡単にしか説明をしていないサイトが多かったため、本気で解説致しました。
今回も少しお付き合い下さい。
立ち回りとは
FPSにおける立ち回りとは、"相手のチームに対してアドバンテージを取る行動"を指します。
具体的に、相手のチームに対してアドバンテージをとる行動とは何かを説明しますと、自チームのエリアを増やす又は守る行動になります。
つまり、自チームのエリアを守るもしくは増やす行動が、所謂"立ち回り"と呼ばれる物になります。
立ち回りは3章に分けて説明を予定しております。
✅一章では、エリアを取る行動(エリア理論)についてを説明します。
ここまで読むと、エリア理論とはなにかに付いて知ることができます。
✅二章では、エリアを取る為に必要な行動(人数差理論、スキルの使い方)についてを説明します。
ここまで読むと、どういう時に集まるか、どういう時にスキルを使うかについてわかるようになります。
✅三章では、具体的な立ち回り方について、例を挙げて説明します。
ここまで読むと、YouTube動画でコーチが言っている、スキルのタイミング、立ち回りが理解できるようになります。
特に所謂、爆破ゲームは明確にエリアを取る。というゲームである為、この考え方が浸透しているように思います。
しかし、APEX等のバトルロアイヤルはこの考え方の定着が薄く、立ち回り方が分からない!という人が多い印象です。
なので、CS:GO等の爆破ゲーム出身の方はエリア理論を理解しているため、FPS何やらせてもうまい!となるのです。
エリア理論
まずはエリア理論について説明します。
この理論を理解すると、
と言った疑問が解決します。
エリア理論とは
FPSは陣取り合戦である。という説明を受けた事があるかと思います。その説明を詳しくするのが"エリア理論"です。
エリア理論とは、
"相手と自分が取っているポジションに対して、どの程度のエリアが取れているか、そのエリアがどちらにアドバンテージがあるか。"です。
時にはエリアを取る為に人数差をつける事があります。それが人数差理論です。人数差を付けることは、エリアを取るための技術なんですね。
言葉での説明には限界があるので、ここからは図を使ってエリア理論を説明していきます。
エリア理論の基礎
自エリアに対して敵エリアが並行の形をとっています。この陣形だと、お互いに崩せる場所が無いので、戦いが長期化します。
それに対して図2の場合はどうでしょうか。敵エリアに対して、自エリアが広く取れていますよね。この場合、青色の③から一気に敵エリアを崩せるのが分かるでしょうか。ダメージを食らっても黄色の③の人は後ろに下がることができます。
この③の行動が、アドバンテージを取る行動、つまり良い立ち回りをしたと言います。
図3の場合は③が孤立しています。この場合、相手側がエリアの小さい③を簡単に取れてしまい、図4の状態となります。③はエリアを広げたと思っていますが、広げすぎてしまい、結果として孤立してしまいましたね。
この③の行動はエリアを孤立させてしまい、結果として相手にアドバンテージを取らせてしまった行動、つまり、悪い立ち回りをしたと言えます。これがオクタンでよく見られる、前に出過ぎと言われる立ち回りの正体です。
良いエリア、悪いエリア
では、良いエリア、悪いエリアとは何でしょうか。図1,図2のように仲間との位置が一定である場合、簡単には崩されないですよね。これが良いエリアと言えます。一般には足並みを揃えるといいます。
しかしながら、図3のように仲間との位置が離れてしまった場合、簡単に崩され、敵にエリアを取られますよね。これが悪いエリアといえます。
エリアの濃さ
実際の戦闘では、平地で戦っているわけではなく、アーマー差があり、個々の強さがエリアと関わってきます。
そこで、これらをまとめてエリアの濃さと新たに定義し、解説していきます。ここでは、「でもプロゲーマーは図3の状態でも一人で倒してるじゃん!」「高所取ったほうが良いって言うけどなんでなの?」という疑問に対して回答していきます。
説明がわかりやすくなるように、①~③の強さは同じとします。
図4は、図2に高所や障害物を取ったほうがエリアが濃い状態となるように概念を追加しました。この場合、高所を取っているため、青色はダメージを受けてもすぐに回復できるので、図2のより崩されにくいのがわかります。
更に、黄色は前に出ている分、後ろのエリアが薄くなっているため、漁夫が来た際にすぐに潰されますね。
つまり、エリアが濃い状態が多いほうがエリアが取れているというのです。だから高所が強いのです。
図5は、図3にエリアの濃さの概念を追加した図になります。①、②のエリアは③のエリアから完全に離れているのがわかりやすくなりました。悪い動きが顕在化しましたね。
では、③がRASだった場合を考えてみましょう(図6)。
RASは①~③と比較して、圧倒的に強いので、取れているエリアの濃さが図6のようになります。さらに、③の体力をすぐに減らせるため、図7のようになります(②のカバーが間に合いません)。
これだと③から崩せそうですよね。
個人の力がエリアの濃さに影響するため、プロゲーマーだと自由行動ができるようになるのです。
ではどうやればプロゲーマーを抑えられるのか、エリアを濃くする他の方法について2章で紹介いたします。
APEXでのエリア理論の使い方
よなか様の動画を見て解説いたします。
49分以降を御覧ください。
この画像矢印部分に敵がいます。
ミニマップの赤色部分です。
つまり、敵がすぐにエリアに入れる状態なのです。
ここでよなか様のパーティはエリアを先に取られないように、ミニマップの赤色部分にいるパーティを削り、先にエリア内を取る必要がありました(図9)。
しかし、仲間が寄るのが遅い、敵の足を引っ張ることができなかったため、実際に取れたのは図10のエリアでした。
49分18秒の時点でポータルで喜んでいるのではなく、いかに敵の足を引っ張るか、いかに次のエリアを取るかを考えなければならなかったのです。
山の上のポジションを取りたい方は以下の記事をお読みください。
Valorantでのエリア理論の使い方
Valorantでのエリア理論は人数差理論を使用するとすごくわかりやすいので、第2章で説明させていただきます。
最後に
APEXの例を出すことで、取れているエリアの大きさでチームの強弱が目に見えてわかったと思います。
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ありがとうございました。
参考
SANTE様(人数)
ねこぴーえす様
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