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【 大石あきこ議員(れいわ新選組)の弁明に対する税専門家からのコメント 】

 大石あきこ衆議院議員(れいわ新選組共同代表)は、政治資金規正法に係る収支報告書(以下「収支報告書」といいます。)に2回の記載もれを発見し、自ら訂正したことについて、自民党の裏金議員とは異なるとして、山本代表との街宣において、本人が弁明を行いました。その様子は、次のYouTube動画のとおりです。
 https://youtu.be/-y1k7okr5qs

 大石議員の反論コメントについて、著名人を始めとして、X(旧ツィーター)、YouTube及びテレビにおいて、炎上しております。
 当方(元税務職員、現在税理士)からも、税専門家としてコメントさせていただきます。

《 街宣における大石議員弁明の骨子 》
1 単式簿記と現金残高
  大石議員には、関連政治団体が4つあり、それぞれ単式簿記(独立した収入帳簿及び支出帳簿)の方法により記載していたため、(現金)残高と合わせることができなかった。すなわち、8種類の帳簿が存在し、現金残高を示す帳簿はなかった。
2 収支報告書不記載の原因
  4つの団体の収支(8種類の帳簿)を収支報告書への転記時に転記もれがあり、不記載となってしまった。未払人件費等高額な数字が記載もれとなっていたため、明らかに現金残高とかけ離れていることから、見直しをしたところ、自ら転記もれを発見し、既に収支報告書へ不記載のまま提出していたところ、速やかに訂正したものである。
 また、「れいわ」では、政治資金規正法で義務付けされていない任意の報告書も作成しており、勘違いした部分があった。
3 再発防止策
  複式簿記の導入の必要性を感じ、既に導入しており、複数人でのチェック体制を敷いた。

《 税専門家からのコメント 》
1 前提事実
  政治資金規正法において提出義務がある収支報告書への不記載があった。自ら(政治資金規正法の会計責任者)が転記もれを発見し、後日、速やかに当該収支報告書を訂正した(当人が認めている)。
2 問題点
  収支報告書不記載となった原因及び再発防止策の説明の趣旨は理解できたものの、そもそも単式簿記で行っていたこと、しかも収入帳簿と支出帳簿を独立させており、現金残高を合わせることができない仕組みを採用していたことが問題です。
  また、再発防止策は、複式簿記の採用、複数人でのチェック体制を採用したとのことですが、子供騙しのような言い訳に過ぎません。
3 政治資金規正法における規定
  政治資金規正法第14条(監査意見書の添付)第1項は、政党又は政治資金団体の会計責任者は、第十二条第一項の規定による報告書を提出するときは、あらかじめ、当該政党又は政治資金団体の党則、規約その他これらに相当するものに基づいて設けられた会計監査を行うべき者に対し、当該報告書に係る会計帳簿、明細書(第十条に規定する明細書をいう。以下同じ。)及び領収書等についての監査意見を求め、当該監査意見を記載した書面を当該報告書に添付するものとすると規定しています。
  この規定は、収支報告書に誤りがないように会計監査人(公認会計士や税理士)を配置し、収支報告書の提出前に会計監査人の監査を受け、その監査意見書を収支報告書に添付しなさいというものです。
4 結論
  政治資金規正法では、収支報告書等の作成や領収書保存義務等が規定されており、監査意見書を添付することになっています。
  そうすると、そもそも独立帳簿による単式簿記を採用したというのは、現金の残高確認ができない仕組みを採用したということであり、裏金作りをしようとしていたと指摘されてもやむを得ません。不記載の原因は、多額であったために、見直したものと考えられ、適正な収支報告書を当初から作成しようとしていたとは思えません。故意ではなくとも、その弁明に説得力はありません。
 再発防止策においても、複式簿記の導入と複数人のチェック体制とのことですが、公認会計士や税理士からの監査という説明はなく、政治資金規正法に基づき、監査意見書を添付していたとしても、実質、会計監査人による監査は行われていなかったと自白していることになります。今後も会計監査人による監査は受けないとの説明にも解されます。
5 れいわ新選組山本代表のコメントについて
  大石議員は、れいわ新選組という政党の支部の団体を有しており、また、後援会という政治団体もあるとの説明でした。収支報告書は、大石議員だけでなく、れいわ新選組という政党及び政治団体全てが政治資金規正法による収支報告書の提出義務がある訳で、山本代表やれいわの議員及び関連政治団体も、当初から独立した収入帳簿と支出帳簿による単式簿記を採用していたのか、大石議員単独による採用方式であったのか、全くもって不明です。
 自民党では、会計責任者に不記載の責任を負わせたところですが、会計責任者が大石議員本人であるならば、税理士等に相談し、現金残高チェックができる複式簿記を当初から採用し、法律に基づいた監査というチェックを受けていれば、不記載という問題は生じなかったはずです。
 大石議員の収支報告書に不記載があったのであれば、れいわ新選組という政党及び政治団体全てにおいて、不記載がなかったかもう一度見直したとの説明が必要ではありませんか。そのように国会で自民党に追及していませんでしたか。
 正に、「ブーメラン」ですね。自民党だから裏金だと主張する前に、れいわ新選組では、過去5年分の全ての収支報告書を再度、見直した結果、不記載は見つからなかったと説明してほしいものです。
6 指摘
  今回の大石議員による収支報告書不記載問題は、政治資金規正法第14条第1項による監査は、全くなされていなかったか、形骸的なものであったと考えます。違法とまでは言えないものの、自民党において、刑事罰を受けた議員と比較すれば、大石議員の主張も理解できますが、議員本人ではなく、会計責任者に責任を負わせた議員が故意ではなかったとの主張と何ら変わりはありません。
  今回の問題を受け、大石議員への中傷等について、法的に対応するとの発言もまるで脅迫じみていませんか。れいわ新選組全体が収支報告書不記載ありとの疑いを与えてしまった責任が、大石議員にあります。
7 追伸
  安藤 裕税理士先生に、なぜ相談しなかったのですか。私は、れいわ新選組のYouTube公式チャンネル登録者として応援しておりましたが、安藤 裕先生が出なくなったころに、登録解除しました。


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