ユーフォ3期12話を観てモヤモヤしたので言語化してみた

タイトルの通りの内容です。
ユーフォ3期12話を観てから、どうにもモヤモヤした気持ちを抱えていたので、思い切って言語化してみました。
まあ要するに自分の好きなん展開じゃなかったから文句言いたいだけだろ?と言われたら否定はしません。
ただ、言語化することで自分の中でスッキリするというか、気持ちに折り合いがつくところもあるので。
楽しんでいる人もいるのに文句言うなって方もいるでしょうけど、感想は自由ですし、自分はこう感じたという話です。
12話の内容に対して否定的な意見もあるかと思うので、見たくない人は読まないでください。
ちなみに、原作は読んでないです。
そして12話が原作とは違う展開なのは後日知りました。
その展開は原作者が了承済である事も知っています。

12話のオーディション、自分は正直アンフェアだなと感じてたんですよね。
その理由ですが、久美子は幹部、部長としての負荷がかなり高く、その対応で相当な労力を割かれて、練習時間も削られ、肉体的、精神的にも疲労していると見えていたからです。
それに対して、平部員である真由はそういう重圧は無く、練習だけしていればいいわけで。
というか、それは関西大会のオーディションの時から感じていたことで、久美子は他の部員や下級生からの相談、問題ごとへの対処でかなり負荷がかかっているなと。
そして何より真由からの幾度もの精神攻撃。
これにより相当な精神的負荷がかかり、自分の練習の時間も削られ、オーディションで真の実力を発揮できなかったため、落選したのかなと。
自分はそう解釈したんですよね。
だからそこからの展開として、久美子(部長)に負担がかかり過ぎていたことに気が付いた滝先生が、もしくは他の幹部、友人達が、それを反省し、自分たちが負荷を分担、肩代わりして、久美子一人に負荷が集中しないようにしよう、練習に打ち込めるようにしよう、ってすることで(少なくともオーディション当選確実な友人は実力伯仲でソリ選ばれるかわからない久美子よりも余裕あったのでは)、久美子は真の実力が発揮できて、全国大会のオーディションでソリを奪い返す展開なんだろうな…って予想したわけです。ところがその予想は外れ、特に負担軽減などはしないまま、部長である久美子に大きな負荷がかかったままでオーディションまで進み、結果ソリで敗北してしまった。
そこで正直に言うとアンフェアだな…という印象を感じてしまいました。

真由がオーディションを辞退しようか?と何度も久美子に提案していたのも、語られた理由が弱く感じました。
辞退しようかと伝えることで、どう見ても不快に感じている、動揺しているってのはわかるんじゃないかと思いますし、それでも何度も言うっていう事は、あえて動揺を誘っていると思われても仕方がないかなと。
楽しくやりたいという理由であれば、一度目の提案はともかく、その後も何度もしつこく言うのは明らかに相手が不快に感じているのが見える以上、理由としてはちょっと弱いんじゃないかなと。
相手が不快に感じているんだから、それを提案することが楽しくやることに繋がっていないんですよね。
少なくとも自分はそう感じました。

オーディションの票決もなぜ全員が見ている前での挙手にしたのかなと。
あれじゃ誰がどちらに挙手したか全員が見えますし、演者にも丸見えです。
どちらかが選ばれた時、あいつはあっちに挙手をした、それであの人が落ちたとか、後々もめごとになる可能性もありますし。
その場は久美子が演説することで収まりましたが、可能性としては部の崩壊にもつながる危険性もあったと思います。
結局久美子頼みになっているんですよね。
劇中でも何人かはどちらの演奏かわかった上で挙手しているように見えましたし、麗奈はわかっていたと言いました。
その状況で、皆が見ている前で挙手をさせるのは、真のフェアと言えるのか?挙手した人にも責任が重すぎるのではないか?と思います。
実際に座席側の部員たちの挙手では半分に割れ、最後麗奈が決めるという流れになりました。
これは麗奈にどちらを選ぶか責任を追わせることになります。
高校3年間(2年半?)、頑張ってきた友人の運命を麗奈一人に背負わせるのは酷ではないかなと思うんですよね。
麗奈がいくらプロを目指している固い意志を持っている「特別な人」だとしても、まだ高校3年生なんですから。
落される方としても、誰が自分に手を上げたかってのは見えない方がいいと思うんですけどね。

ではどうすべきだったのかと言えば、それはもう簡単な話で、無記名での投票箱への投票、その結果の確認は教師のみで、票数の差は言わない。
どちらが選ばれただけ発表すればいいだけだったと。
死刑を執行する時、自分が死刑執行のボタンを押したとわかると、執行官の精神的負担が大きすぎるという事で、ボタンを4つ用意し、執行官は4人でボタンを押し、どのボタンが執行に繋がっているかわからないようにしているという話を聞いたことがあります。
それと同じで、自分は真由に入れたとしても、票数の差がわからなければ、自分の一票のせいで友人を落してしまったという罪悪感からは幾分か逃れられるのではないかなと。
勿論これは他の部員も同じことです。
それにソリ発表の時、番号は言わずに選ばれた人の名前だけを言えば、入れた人もどちらが1番か2番かわからない以上、責任感は感じにくいというのはありますよね。
麗奈はわかっていたと言いましたし、他にもわかって挙手した人もいたようには見えましたが、確証はないですし。
(1番に投票したとして、決定したのが真由だったとしても、真由が1番か2番かわからない以上、自分のせいで久美子が落ちたかはわからない)
そういう配慮、精神的ケアが必要なんじゃないかなと思うんですよね。

一方それをやると、作劇的に盛り上がらないというのはわかります。
どちらが演奏しているのかわかっていた、それでも自分の意志で久美子を落し、実力が上だと思う真由を選んだ。
そういう高潔な意思、信念をもった麗奈を表現するためには、あの展開にするしかない。
情に流されたように見えてしまう緑輝、秀一、奏との差も際立つ。
そしてその後の山でのシーン。
結局その展開を描きたいがために、滝先生が生徒に配慮のない先生になってしまった。
自分にはそう見えました。

というか、滝先生がどうも配慮というか、責任感のない先生に見えてしまっているのが…。
無記名投票にしなかったのもそうですし、久美子に負担が集中していることへの配慮とか。
生徒の自主性を重んじるのは結構なことですが、所詮子供、まだ高校生なんですから、明らかに一人に負荷が偏ってしまっているのであれば、少し口を出してもいいのではと。
部活の顧問って、演奏の指導だけしていればいいというわけでもないと思うんですよね。
負荷がかかりすぎていませんか?の一言くらいは欲しかったかなと。
久美子が一年の時の麗奈のオーディションの時、あの時も皆が見ている場での拍手という方法を取っていましたが、その時もこれで公平に判断できるのか…?(あの場で全員が本当に上手いと思う方に拍手できるのか?)というのは感じました。
あの時も一人立ち上がって麗奈に拍手する久美子を描きたいんだろうな…というのは感じましたが。
とはいえ、あの時はまだ滝先生も新任で経験が浅い。
高校の部活の顧問とはどういうものか、よくわかっていなくても仕方ないかなという思いはありました。
しかし今はもう2年以上顧問を続けているわけで、それでこれかいと。
正直そう思ってしまいましたね。
まあ自分は本気で部活に打ち込んだことは無いし、そういう系の部活にいたことは無いので、全国目指すならあれは当たり前のことだ、と言われたらそうなんだ…って話にはなりますが。

ていうか、挙手していた人達の顔ぶれを見ると、明らかに真由の方が実力は上だという演出でしたよね。
音楽的才能の皆無な自分にはどっちがいいか全く判断できませんでしたが。
過去の話で実力で選ばれるべきだと言った葉月は1番、同じくらいだったら久美子がいいと言った緑輝、そして秀一は2番。
奏は意味ありげな動きをした上で2番。
あの動き、演者がわかった上で、本心では1番の方が良かったと思っているけど、久美子に吹いて欲しくて2番に上げた、と見えても考えすぎではないかなと。
だからこそわかった上で1を選んだ麗奈の「特別さ」が際立つわけですが。
つまり、麗奈を抜けば友達票を入れてやっと同票、そう見える演出をしている。
真由の方がレベルが上というのは明らかだと。
(というか、最後は麗奈の意志で決定させるというシーンを描きたい為に、座席側を同票とする必要があった、また、友情票を入れる者との違いも見せたい、そのために友達票を入れてやっと同票という状況になってしまった、つまり明らかに真由の方が上手いと見える形になってしまったと自分は感じました。)
となると、滝先生が優劣付けられずオーディションにした意味は?となってしまう。
そこまで明確な差があるのに、滝先生レベルで判断できないわけがない。
ではなぜ判断を生徒に投げたのか。
結局、そこで自分が決めてしまい波風経つのを避けて生徒に丸投げしてしまった(責任から逃げた)のではないのか?そう見えても仕方ない判断だと思うんですよね。
選んだのは生徒自身、あなたたちですよ、と。
そうはいっても久美子が圧倒的にレベルが低いわけではないので、友達票で久美子が選ばれたとしても、まあそれはそれでよかったと判断していたのかなとは思いますが。
そうなると滝先生のキャラクターがぶれてしまう気がしますけど…。
ていうか、久美子は本当に実力だけで判断して欲しいという意思で、演者を見えなくして欲しいと滝先生に提案したわけですが、実際には友達票が入っているように見える演出になっていることで、久美子のその思いも達成できていないのでは…。
勿論無記名投票にしたところで、友達票が無くなるわけではないですが、それでも演者が目の前で見ている、他の部員からも見られる状況とは、判断が変わる人もいるんじゃないかなとは思いますね。
まあ結局これも滝先生は作劇、展開の犠牲になったのかな…と思えてしまうわけです。

とにかく、3期で追加された真由というキャラクターは、本当に爆弾だったと思いますね。
これは本当に危険だったなと。
よほど上手く描かないと、存在が活かせない。
久美子が勝てばやっぱり主人公が勝つよねーってなってしまうし、真由が勝てば、そうくるか、と思わせることはできるかもしれませんが、そうはいってもずっと久美子の物語を見てきた視聴者としては、急に出てきた新キャラにソリ奪われるのはもにょる気持ちは消しきれない。
それが現実なのだと言われようと。
勿論そのもにょる気持ちを打ち消すだけの物語の力と説得力があれば、その展開は充分にありだと思うのですが。
自分自身の個人的な感情として言わせてもらうならば、この真由という新キャラ、そしてその展開は、物語の中で活かしきれていなかったかなと感じているというのが正直なところです。
真由が登場することで描きたい展開を描くことを最優先としたため、色々と物語やキャラクターが犠牲になってしまったかなと。
という個人の感想でした。

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