のりたま交流戦観戦記 最終日

 のりたま将棋クラブさんと将棋Vの交流戦 最終日について書きます。

 前回の記事はこちら。

 中継配信はこちら。

 総譜はのりたま将棋クラブさんのwikiからご確認ください。

1局目 紫陽花さくら - Rajendra

 先手はV側の紫陽花さん。積極果敢な棋風で、ときに見せる鋭い攻めは「切れ鯵」さんのあだ名を持つほど。
 後手、のりたま側のRajendraさんは本格派の振り飛車党。序盤の造詣が深く、スマートな将棋を差される印象です。
 本譜は紫陽花さんが趣向を凝らした序盤で相振り飛車の力戦に。紫陽花さんが自分の土俵に引きずり込んだ格好です。

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 本局のハイライトはこちら。お互いに飛車が歩越しで難しい将棋です。Rajendraさんが玉頭から積極的に仕掛けたのに対して▲6五歩が当然といえば当然ですが鋭い反撃。
 以下、銀を捕まえながらバランスを保ったのがさすがの指し回し。Rajendraさんも攻防ともに力を発揮されますが、わずかに届かず。紫陽花さんの勝利となりました。

2局目 冷蔵庫 - Roi将士

 先手はのりたま冷蔵庫さん。将棋Vの配信によく来てくださるリスナーさんの1人で、チャット欄で鋭い指摘をしばしばされています。ノーマルな振り飛車を主力にされている印象です。
 後手のV側Roiさんは居飛車・振り飛車のどちらも指しこなすオールラウンダー。第1期V名人戦ではV-A級で戦い、残留を決めている強豪です。
 本局は先手の振り飛車模様の立ち上がりでしたが、後手のRoiさんが居飛車を誘ったため、冷蔵庫さんは雁木に。やや変則的な相居飛車の将棋となりました。

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 本局は全体的に冷蔵庫さんが上手く指してリードを保っていましたが、△5六歩▲同歩△4五銀と妖しく逆転を呼び込むのはさすが。Roiさんの中終盤の強さが出ています。
 しかし冷蔵庫さんも食いついて離さず、Roiさんにミスが出たのを逃さず再逆転で勝利となりました。

3局目 雨宮エイスリン - マホ

 先手はV側のエイスリンさん。中飛車を得意としており、本局も例にもれず初手▲5六歩から先手中飛車を目指します。
 のりたま側、後手はマホちゃん。やはり将棋Vの配信によく来てくださるリスナーさんであり、のりたま順位戦で何度も名人に挑戦している超強豪です。矢倉や居飛車穴熊の固い囲いを得意とし、長手数を苦にしない棋風です。
 純粋な棋力では若干差がありますが、エイスリンさんは格上にも臆せず、闘志が燃えるほどに強くなるタイプ。大物食いの可能性もありえます。
 本局は先手中飛車対一直線穴熊へ。お互いの得意がぶつかる格好となりました。マホちゃんが若干定跡を外したためか、エイスリンさんは相穴熊を選びます。
 序盤、マホちゃんから技を掛けにいく展開で振り飛車劣勢にも見えましたが、エイスリンさんが腕力を発揮。上手く対応して決め手を与えません。

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 本局の個人的なハイライトはマホちゃんのこちらの手。角成や角打、飛車先を伸ばすなど色々ありそうなところで、じっと香車を補充したのが印象的です。
 ここで拾った香車が後に受けを許さない寄せとなり、マホちゃんの快勝。序盤からずっと上手く対応し続けたエイスリンさんでしたが、残念ながら少し及ばず悔しい負けとなりました。

4局目 如月モコナ - グラン亭栄酒蔵

 先手はのりたま、如月モコナさん。最近Vになられた将棋Vリスナーさんでもあり、将棋Vに関連する数々の観戦記を書かれた流浪の観戦記者さんでもあります。
 後手のV側、栄酒蔵さんはダイレクト向かい飛車のエキスパート。第1期V名人戦では早見え早指しで攻める棋風が猛威を振るい、見事V-C級を全勝で優勝しています。
 本局は大方の予想通り、栄酒蔵さんのダイレクト向かい飛車にモコナさんが追随する格好で進みます。

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 本局の個人的なハイライトはなんといってもこの▲4三歩成△同金と一旦取っておけばやや後手がリードしていましたが、ここで勢い△4九と▲5八と△同金▲4一飛と進んで逆転! 栄酒蔵さんの棋風まで読み切って上手く勝負した如月モコナさんに軍配があがりました。
 栄酒蔵さんも爽やかな攻めをみせており、観戦していて気持ちのいい将棋だったように思います。

最終局 鷺宮ローラン - ラッカセイ

 先手はV側ローランさん。将棋系Vながら本将棋を指すことの少なさでも知られている我らが大将であり、将棋の普及に様々な角度からアプローチをされている方でもあります。将棋はノーマル振り飛車対舟囲い急戦を好まれていますが、そうならないケースについては謎も多いです。
 後手はのりたま側、ラッカセイさん。棋譜を拝見した限り、角交換の将棋を得意とされるオールラウンダーで、将棋クエスト七段の超強豪です。
 序盤の駆け引きから注目の一戦は、なんとパックマン対角頭歩の怪獣大決戦となりました。

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 本局は非常にハイレベルな乱戦で、私ではついていけていないところもあるのですが、ハイライトとして取り上げたいのはこちらの角を切って爽やかに攻めたこちらの局面。

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 以下、ラッカセイさんも角で切り返すなど難解な空中戦が続きましたが、最後はローランさんの勝利となりました。

結果

 のりたま将棋クラブ・将棋Vの16対16の交流戦は、将棋Vから見て7勝9敗でした。戦績だけではなく全体として接戦が多く、楽しい交流戦になったのではないかと思います。
 参加者、リスナーの皆様に感謝するとともに、お忙しい中で全体を取り仕切ってくださったのりたまさん、未良々さんに特別の感謝を捧げます。ありがとうございました。

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