過去50年の米国金利上昇とそのNASDAQ・S&P500への影響
皆様こんにちは、本日は過去50年の米国金利上昇とそのNASDAQ・S&P500への影響を見ていきたいと思います。
今回は米国金利として短期金利のFederal Funds Rateを採用します。
出典:macrotrends
NASDAQ総合指数は1971年算出開始の為、それ以降の推移を見ます。株価指数のチャートはYahoo Financeを使用します。青色がNASDAQ、水色がS&P500、紫色が参考で日経225です。
期間全体(1/1/1971-11/12/2020)
注意点としては、S&P500(日経225)とNASDAQでは配当利回りがS&P500(日経225)>NASDAQなので、トータルリターンでは観測期間が長期になると価格リターンとは優劣が逆転し得ること、また日経225はJPY建てなので単純比較はできません(よって今回はあくまでご参考)。
例えば↑期間では日経225はUSD建てにして配当利回りの影響を無視すると概ねS&P500と日経225のパフォーマンスは同じになります(USDJPY=360→USDJPY=約100)。
①2/13/1972-7/14/1974
②2/21/1977-1/15/1981
③9/1/1986-4/10/1989
④1/17/1994-4/17/1995
⑤12/28/1998-7/10/2000
⑥6/21/2004-8/21/2006
⑦9/14/2015-2/18/2019
まとめ
表面上はS&P500が4勝・NASDAQが3勝ということで、金利上昇はどちらかというとグロースに確率的には悪影響がありそうだということになりますが、a) NASDAQが勝つ時には大勝していることも2回あること、b) NASDAQの中身が同じグロースとは言え1995年8月上場のネットスケープ以前と以後では大分異なり1995年8月以後ではNASDAQの2勝1敗、ということは覚えておいた方が良いかもしれません。
またS&P500もウェイトが大きいGAFAM等はグロースと位置づけることも可能なのでオイル・重工業等のウェイトが大きかった頃とは様変わりしていることも重要かと思います。
そしてグロース・バリューとは関係なく、一般論として金利上昇→割引率上昇→倍率低下→株価低迷を言うエコノミストが多いですが、金利上昇は通常インフレ率の上昇を伴っているので、P=a / (r-g) (P:株価、a:CFもしくは利益、r:割引率、g:CFもしくは利益の成長率)で表される一般株価モデルのrとg両方に効いて来て、必ずしも株価下落要因ではないことは重要です。
実際、上記の7ケースで株価が下落しているのは①の1ケースのみです。
何度でも噛み締めたいバフェット箴言
「成長に大量の資本を必要とするビジネスと、成長に資本を必要としないビジネスでは、天と地ほどの差が存在する」 “There is huge difference between the business that grows and requires lots of capital to do so and the business that grows and doesn't require capital”
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