悪役令嬢レベル99 11話「裏ボス、告白される」感想

 これがユミエラ様の夢、ユミエラ様の望み、ユミエラ様の愛ですわ!

前回のあらすじ

 アリシアと2人きりでデート(レベル上げ・ランダム宝箱周回)をしたユミエラ様。2話の頃から劇的な成長を果たしたアリシアがいれば、最早魔王など恐れるに足らず!

※この記事は【悪役令嬢レベル99 11話】のネタバレを含みます。


今回のあらすじ

 誰かの差し金で暗殺者を送られる日々のユミエラ様。学内でも街中でもエンカウントするのだがドロップアイテムや経験値がないのであまり美味しくない。ようやく判明した真犯人との「おはなし」で、これからやりたい事の展望も見えてきた彼女を支える男とは。そしてとうとう迫る、魔王との決戦!

生贄の群れども

 勇者一行が心身ともに急成長を果たす中、ユミエラ様に不穏な影が迫る!

 やめて! ユミエラ様に暗殺者たちを送り込んだとしても、レベル99の前には無力で返り討ちにされちゃう! お願い早まらないで首謀者! 何の目的か知らないけど、どうあがいても勝ち目は0なのよ! 命はまだ残っている、まじめに生きていれば、まだやり直せるわ!   次回【暗殺者ども、捕まる】 デュエルスタンバイ!

暗殺者1:筋肉万歳

 ユミエラ様にあだ名す愚かなる生贄(暗殺者)第1号は、言葉巧みにユミエラ様に魔封じの手錠を施してから複数人の武器持ち暗殺者に殺害させるというもの。魔力を封じたことが確認できた瞬間に本性を現す辺り、ユミエラ様のことを何も分かっておられない。彼女は高額な剣を一瞬で破壊できる腕力も有しておられて、それは魔力で強化した物ではなく純然たるパワー。そこら辺の情報が足りない。よってあっさり返り討ちでお縄についた。死ななかっただけ有難いと思いなさいな。

学園長「君を狙うなんて馬鹿な事を考えるもんだ」←正論

暗殺者2:筋肉万歳

 就寝中のユミエラ様の心臓に振るわれた肉厚の短剣は、グニャリと曲がった。必殺の一撃が通用しなかった事に恐怖を覚えている。ユミエラ様の寝顔を拝めたのだ。メイドの土産に相応しかろう、俳句を詠むがいい、アンサツシャ=サン。

暗殺者3:お前は私を怒らせた

 自分自身への危害ならと割り切っていたユミエラ様だが、パトリックとの会話中に矢を射られたことで静かに怒りが沸き立つ。ここで暗殺者たちがパトリックを人質にするとかの方向にかじを取らなくて本当に良かったと思うわ……その時はダークフレイムで惨たらしく消滅させられていた可能性が高かった。

 しかしこんなに堂々と学内に侵入する手際の良さ。外部からの犯行ではなく内部に手を引いたものがいると推理できますねえ。少し前なら王子の線も考えていましたけど、前々回で改心していたのでそれはないでしょう。

暗殺者4:ダークバインド無双

 帽子を被ったユミエラ様がお美しい……普段艶と光を放つ長い黒髪を隠しているのも、妙齢の美人な雰囲気が出て素敵です。そんな彼女が出会った黒髪の少年。自分の髪色のせいで友達を作るのに臆病な少年に、「私も黒髪」と帽子をとって見せてあげるユミエラ様が優しい。もっと自分から行く勇気を持てと励ましながら、街中に出てきた暗殺者集団は荒くれども。街中なら派手な魔法が使えない、そして腕力のある連中で囲めば勝算もあると判断したのだろうか? ……愚かな。ユミエラ様がそんな作戦で倒せるとでも?

「誰に依頼されたの?」「知らねえ!」「じゃあ廃屋の中でお話ししようか」

 結局こいつらも生きてはいたようだけど、攻撃をされてか治癒魔法を使われて精神や肉体も限界まで追い詰められたことは想像に難くない(これぞ間違った治癒魔法の使い方)

暗殺者5:毒無効

 結局首謀者が誰か判断が付かないなあとユミエラ様は悩んでいたけど、何だかいつもと紅茶の味が違うことに気付く。「リタ、飲んでくれない?」 おっと、毒見役なら別作品にうってつけの子がいましてね、猫猫って言うんですけど

リタ「妹が人質に取られていて仕方なく……1滴で致死量の毒を……【毎回】【5滴】」

 ユミエラ様のストマックはウルトラアンチドートですわ!!

腹心の誕生

 そういえば今まで1度も話したことのないユミエラ様のご両親。地方貴族出身の中央もどきと揶揄される存在らしい彼らが暗殺者を送り込んでいたようで、リタには毒殺を命じていたようだった。ユミエラ様は敵を見誤らないので、リタを処さずにお咎めなし、両親と話し合いをするという。

リタ「お嬢様…いえ、ユミエラ様にこの命尽きるまでの忠誠を誓います!」

 ユミエラ様の持つ聖母の如き慈悲を感じ取ったリタは、単なるお目付け役からユミエラ様の腹心に変わったのであった。

初対面の両親

 ユミエラ様が国王派と共に戦争の準備をしていると勘違い→ドルクネス家の肩身せまいという理由で暗殺に踏み切ったという毒親ども。しかもユミエラ様のご尊顔を知らんときた。黒髪って言うだけで娘と認めずに放逐していた屑親に対してユミエラ様はお話を持ち込んだ。

ユミエラ様「領地に帰って事業を行っては?(今退くなら見逃してあげます)」
毒父「統治など代官に頼めばいいのだ!」
毒母「私に田舎暮らしをしろと? 髪が黒いだけでも厄介なのに、何であなたみたいなのが生まれたのよ!」

 琴浦さんで聞いたようなセリフを吐く毒母の台詞で「分かり合えない」と断じたユミエラ様。

「爵位をお譲りください。拒否しても構いません、跡取りは私しかいないのですから」

 遠回しなデッドオアアライブ宣言! 衛兵を呼ぼうとしたが「私に勝てる兵がいるとでも?」魔王みたいな凄みのユミエラ様。ゲームのユミエラ様だったらきっとこんなセリフは出てこないまま、塞ぎこんで裏ボスになっていたのだと思うと悲惨極まりない。彼女がここまで強く立てるのは

ユミエラ様「私の黒い髪を好きだと言ってくれる人もいる」

 間違いなく拠り所になる存在のお陰である。ありがとうパトリック!

 ブラックホールも展開して「ここで死ぬか、大人しく軟禁されるか」選べというユミエラ様に平伏し、「殺さないでくれ」と懇願する父親を見る目は冷たかった。

新しい領地を得て

 伯爵の地位を得たユミエラ様は、事の仔細を国王に包み隠さず報告した。こういう情報は先手を取って報告するのが一番ですね。

「黒髪への差別をなくすには、私が目立つ場所で活躍するのが1番と思いまして」

 新たなユミエラ様の進路が決まったことに祝杯をあげよう!

魔王軍との戦い

 そういえば、治癒魔法使いでも魔王軍と戦っていたけど、こっちでも戦うんだっけか。絶望感がまるでないのはユミエラ様の存在がデカい。というか本来1VS4で戦うラスボスにユミエラ様も加わるとか魔王軍にとっては無理ゲーですわ!

花火の下から

 パトリックは頑張り続けた。ダンスの頃にユミエラ様がふかした「私より強い人が好み」の言葉を胸に、暇さえあれば守りの護符なしにダンジョンに潜って命がけのレベル上げに明け暮れ、少しでもユミエラ様に近付こうとした。結果手に入れたレベルは騎士団長と同じ60、そしてスキル【遠目】も覚えたという。努力と愛の御仁だ、好意に値する。

パトリック「俺も魔王討伐に連れて行ってくれ」
ユミエラ様「アナタは得意の集団戦で活躍してほしい」

 実際指揮能力やカリスマは高い上に、覚えたての【遠目】も戦況把握には有効なスキルだ。ユミエラ様の判断は適材適所ともいえる。

 どうしてそこまで強くなろうとしたのかと聞かれたパトリックは、「私より強い人が好み」という言葉を口にした。朴念仁のユミエラ様であっても、流石にこの意味を理解できたようで、戸惑う。ユミエラ様が、焦っている……どんな暗殺者にも、身内の裏切りにも、両親の酷い言葉にも動揺しなかったユミエラ様が、焦りを隠せていない。

明暗分けるじゃんけん

 月明りさえ見えない暗闇の中、唐突にじゃんけんをしようとパトリックに提案するユミエラ様。ユミエラ様の勝ちになったが、暗闇のせいでパトリックにはよく見えない。

ユミエラ様「パトリックの勝ち。じゃんけんは貴方の方が強いのね。私…やっぱり自分より強い人が好きだから」

 抱け、抱け、抱けえええ!!!! ユミエラ様が!!! お前を受け入れようとしているんだよ、パトリック、いけ、いけ!! ここで怯んだらお前一生恨んでや―――

頬への

 ……congratulation。拍手だ、拍手を贈れ! 男パトリックに拍手を贈るんだ!! ユミエラ様も「暗闇で見えないなんて嘘でしょう」と内心気付いていて、おそらくパトリックも勝敗をスキルのお陰で直に見ていて、それでもなおユミエラ様の嘘に突き動かされた。

 何てロマンティックなやりとりだよ……こんな恋の駆け引きがこのアニメで見られるなんて思ってもみなかった。

 次回で最終回……さみしい……願わくば2期を所望する!

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