悪役令嬢レベル99~私は裏ボスですが魔王ではありません~ 第4話感想
ユミエラ様はこの学校のギャラルホルンですわ!
前回のあらすじ
王侯貴族に闇魔法使いとしての格を見せつけたユミエラ様は、2年後に来る魔王到来時には出来るだけ王子たちのパーティで魔王討伐をさせたいという王妃様の意向を聞く。レベル99が知れ渡ると、反国王派(過激派)貴族からの求婚が舞い込んでくるなど「力」を求める愚民が寄り付く始末で平穏な生活は終わりを告げた。そんなある日、本来の主人公アリシアが面と向かって「アナタは魔王なのですか?」と尋ねられるのだった。
※以下ネタバレを含みます。
アリシアはよく我慢した
入学式のあの日から、アリシアから見たユミエラ様は邪悪色のオーラに包まれているように見えるらしい。毎日毎日、見かける度に恐ろしさで胸一杯だったろうによくぞ今日まで耐えたものだ。……というのも「魔王は2年後に復活する」という王家か一部の貴族にしか公表されていない情報をアリシアに吹き込んだバカ殿下が悪いのであるが。おい、国家機密をそんな簡単に話すな、情報漏洩がどれほどヤバい案件か知らんのか!?(現代脳)
バカ殿下
「アリシアに何をした!?」何かゲームのワンシーンでアリシアを庇う(残念な)イケメン3人が出てた気がするけど……今じゃないよね? 麗しのユミエラ様に粉かけたのはそこの純粋無垢なアリシアだぞ? そうなるよう仕向けてしまったのは殿下の責任だ。この場を収めるには「魔王の話なんて出鱈目だ、それくらい強い存在だと言ってしまっただけなんだ。アリシアに間違った知識を与えた僕の責任だ」くらい言ってこの場を収めt
エドウィン「話は聞いた。魔王は2年後に復活する」
殿下!? この、バカヤロォ! 平民のアリシアが言うだけなら世迷い事で済んだものを、王族のあんたがアッサリ言ってどうするんだ! 情報漏洩ぃー!!
ユミエラ様のレベルアップ講座(座学)
前回、王国最強の騎士団長ですらドン引きしたレベルアップ手段を殿下とゆかいな仲間たちやクラスメイト全員に伝授するユミエラ様。
ユミエラ様「経験値総取りのためになるべく1人で、攻撃魔法全振りで、護符の守護無しで強い魔物を倒すために深く潜って、作業間隔で魔物退治をしてください」
意訳「仲間を連れずに攻撃を全て回避し、安全より危険を愛して魔物たちと戯れて来い。死ぬがよい」
「これで皆もレベルアップ!」のお得情報だけど、当然皆様「出来るか!?」とドン引き。ユミエラ様は悪くありません、こ奴らにはRPGにおける効率を知らんのです。とはいえ、ダンジョン飯みたいに復活出来るような世界観でもなさそうなので「命は1個」だとするなら当然の反応だ。ユミエラ様は強すぎるのと、前世で死んだ際の記憶があるため感覚が鈍っているだけかもしれないけど。
登攀成功率100%
当然のように校舎の壁を掴んで上に上がるユミエラ様の筋肉。この美しい顔に逞しい筋肉があれば男すらも「抱いてください!」となるでしょう。
学園長は首になりました
糸目で若い学園長か。こりゃ後半裏切るな(ド級の偏見)。前のおじいちゃん学園長はクビになったようで……当然の結果だわ。バカ殿下の言いなりでしかない上に、危うく超魔法使いをみすみす他国に渡すところだったのだから。今度の学園長は底知れない雰囲気を醸し出してはいるけど、甘党であることだけはわかったよ。
ユミエラ様のレベルアップ講座(実技)
魔物の出る森に行って、散発的に現れる犬のような魔物を退治するクラスメイト達。地方貴族組に参加したユミエラ様はレベル99と言うことで戦闘には不参加。「レベルアップ効率」を重視するためこれには彼女も納得だ。しかし、十数人の戦闘員、監督する魔法使いもいて、ユミエラ様を助けてくれた魔法使いの先生もいる。数で圧倒できるためほぼ安全な戦闘訓練。
「効率が悪い(意訳:ぬるい)」
ひとり言のはずが近くの男子、パトリックとハモってしまった。遂にユミエラ様にも理解者が現れたか! 前衛後衛に分ける戦術も、領地で実践しているので戦いにおける知識はある様子。
私に良いもの(呪物)がある
前衛後衛に分ける戦いをしようにも、魔物の数が少なすぎるというパトリック。「多ければ出来るんですね」と、良かれと思ってユミエラ様はパトリックの制止を聞かずに魔物呼びの笛を吹いた。レベルを一気に上げるには、魔物を一杯倒せばいいという脳筋理論、ユミエラ様は素敵ですわ!
魔物「我々の群れとしての強さを見せるのです!」
耳に響くホルンの音。
突然の魔物の大群に生徒たちは浮足立つが、パトリックが指揮官として慌てず的確な指示を飛ばして全員の戦意を繋ぎとめた。魔物呼びの笛は吹く場所によって出てくる魔物も違うようで、今回は犬型しかいない。
魔物に押し倒された生徒にすぐさま助太刀して気遣う言葉もかけるパトリックは、まさに軍神さながらだ。赤髪の脳筋とは全然頼もしさのベクトルが違う。あちらが一騎当千の英雄なら、こちらは兵士を絶対死なせない勇者である。
どうにかこの戦いを凌いだ生徒たちはへとへとに疲れ果てている。パトリックは当然の怒りをユミエラ様にぶつけるが、「後衛ばかりが経験値を取得してしまい前衛に経験値がいかない」ことに怒っていると、どうしたらそんな考えが出来るのだろうかレベルでズレまくっている理論のもと再度笛を吹いた。ユミエラ様のスパルタ実技授業、別作品で異世界転移した治癒魔法使い君が見たら何を思うのだろうか。
魔物「我々の群れとしての強さを見せ―――」
ユミエラ様「ダークバインド」
ユミエラ様の……縛りプレイ!? 何たるご褒美! 足止めどころか「供物」のように地面に転がる大量の魔物たち。一方的すぎるレベル上げ。ヌルゲーですねこれは。
ピンチにはパンチだ!
取りこぼしていたものがユミエラ様に! パトリックがインターセプトで腕を負傷してピンチ……と思っていたのか? ユミエラ様にかかればこの程度の雑魚は魔法を使うまでもない。グーパンで仕留める! 筋力こそ至高だ。最後に頼れるのは己の肉体だけである。
「うわぁ……」ユミエラ様の回復魔法を受けたものが発する言葉だ。感謝の念よりも先に別の感情が出るその気持ちはわかる。どう考えても回復する際にデメリット満載に見えるビジュアルで回復した気がしない。
恋!?
レベル99。魔王疑惑。畏怖の念を抱かれへんな目を向けられ続けたユミエラ様だが、そんな彼女を1人の女の子として扱ってくれる存在、パトリック。胸の高鳴りを感じるユミエラ様、本日は祝いじゃ!! 祝杯を挙げよ!!! 乾杯!!!!!
パトリック「今度から笛を吹く時は前もって言ってくれ」
ユミエラ様「分かりました、今から吹きますね。答は聞いてない☆」
夕方まで続いた実践授業、吹いた数は最低でも5回。今回授業に参加した生徒たちは色々と感覚がマヒしているかもしれんなこれ……ま、まあ、魔王にいずれ勝つための戦力を育てるならいいんじゃないかな? 地方貴族ばかり強くなって反国王派が勢いづきそうな気もしないでもないけど! 次回からラブコメの波動を感じさせてくれると一気に面白さに拍車がかかりそうだ。
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