悪役令嬢レベル99~私は裏ボスですが魔王ではありません~ 第3話感想

 ユミエラ様はこの国のアンチェインですわ!!

前回のあらすじ

「そんなに、ユミエラ様の力が、見たいのか?」というわけで、魔王と裏ボスしか使えない闇魔法の大技を披露した結果、国が大パニック。でも責任は権威を振りかざす金髪殿下がとってくれるのでユミエラ様はノーダメージで無問題だ!


比較的まともだった王様と王妃様

「起きなさい、起きなさい、可愛いユミエラ様。今日は王様の城に行く日でしょう?」
 ブラックホールなんて大技を使ったものだから王様からお呼び出しがかかってしまった。お偉い貴族連中も揃う謁見の間にいたのは、殿下の父だと分かる外見の王様がいた。

王様「うちの愚息が無礼な行いをしてすまなかった。実力も見ずに判断するなんてどうかしていた。しかし、こんなに華奢な少女がレベル99と判定されたら疑ってかかるのも無理はないので、ここで実力を示して欲しい」

アンブッシュ!

 周囲の貴族連中も懐疑的な目でユミエラ様を見る状況下、王国内でもトップクラスに強い騎士団長(レベル60)をユミエラ様に差し向ける王様。中々いい人であり、食えない人だ。

 本当にレベル99なら、レベル60など難なくいなすだろう。躱せずに死んだとすれば失う損失はあっても他国に渡ることはなく安泰だ。嘘だとしたら下手人と言うことでこの場で首を撥ねてしまえば良い。
 その気になれば地図から国を消し去るなど造作もない魔力を持っているのに死者を出していないなら、騎士団長の命を奪う真似はしないだろう。

 ユミエラ様を試す、周囲の貴族連中にその存在を決定的にする、邪魔者を排除する。どう転ぼうとも国のためになる。これに対しユミエラ様がとった行動は

お辞儀! 何たる奥ゆかしさ! とても失礼なアンブッシュに反撃を加えるどころか、先に礼節を示す、豪華絢爛な玉の間において貴族たちに礼の何たるかを見せつけた、見事なカウンターである!

 というかマジで首を狙っていた、手加減する様子もなかったので避けなければ一刀のもと首を撥ねられていた。本来であれば確実に命をとれる一撃だったはずなのに、超スピードで回避された騎士団長は驚きを隠せない。
アンブッシュへの謝罪もしっかりと行う騎士団長は好感度高い。

恐怖を払う

 次に王様はわざわざ闇魔法を使ってもらい、禍々しき力を貴族たちへ見せつけたうえで、宮廷魔導士長に闇魔法は魔なる者の特権ではない事、黒髪も珍しさから偏見を持たれていただけだということも併せて解説してくれた。とてもありがたい。ユミエラ様への疑いの目を完璧に晴らすには、王侯貴族がしっかりとそれを理解し、民に伝える必要がある。今回城に呼ばれた目的の大半はここにあるのだろう。

レベル99になる条件

「幼少期に領地の森で魔物たちを倒して回り、集めた資金で成長の護符を購入して、迷宮の中で魔物呼びの笛を吹きまくって迎撃しまくりました」
 ゲーム脳であればまあ当然のレベリング行為だが、どうやらこの世界においては積極的に魔物と戦おうとはせず、魔物呼びの笛は破滅をもたらすアイテム扱いと言うのだから驚きだ。皆頑張ればユミエラ様と同じ高みに到達できるのだけど、騎士団長すら「自殺行為」認定の方法らしい。経験値1人占め出来るのにもったいないね!(ゲーム脳)

最強タンク誕生?

王様「その力を王国の剣として振るってもらいたい」
ユミエラ様「臣下の1人として王国の盾となる所存です」

 専守防衛でのみ頑張ると宣言するユミエラ様。剣として頑張るってことは戦場に駆り出されることもありそうなのでこれは賢い返答だ。と言うかさっきから返答間違えたらあかん事ばかりされている気がする。

褒美=鎖

 ユミエラ様が国外に出ないよう、王国に剣先を向けないようにと褒美を提案する王様だけど、レベル99だから宝具もらっても持て余すだろう。彼女を縛るために有効な交渉材料が何か分からない……。ましてや好感度が最低になってしまったご子息との結婚など何にも魅力的に映らないだろう。

 殿下はその件で王様からとんでもなく怒られていそうだな。最大の鎖になるだろう王族への加入が望み薄になってしまうのだから当然だけど。

王妃様とのお茶会

 穏やかな物腰、人を見抜く目を実体験で身に着けている王妃様。麗しいけど王様以上に油断ならない。魔王復活の時期を知っている、討伐計画があることを教えるなど情報を色々くれる。

ユミエラ様(いざとなれば魔王は自分で倒す予定だった)
 何そのドラクエ6の悲劇(喜劇)みたいな展開。

 王家の直系が魔王を倒すことで権威を示す目論見もあることすらしっかり伝えてくれる王妃様。ユミエラ様を縛ることが出来ないなら、やって欲しくないことを明示しておけばいいという腹積もりなのかもしれない。そして殿下との結婚もしれっとお勧めするしたたかさもお見事。

ユミエラ様「いやですぅ!」←面白可愛い

反国王派

 この国も1枚岩ではないようで、現状に不満のある反国王派の貴族たちは、有力貴族ヒルローズ家を筆頭に侵略などを国に提言する様子。ドルクネス家もこれに該当するらしいので油断ならない。自分の部屋に帰れたユミエラ様は早速見合い写真を送りつけられ、レベル99のお話も知れ渡っている模様。でも一顧だにしない。流石である。男はユミエラ様に等しく平伏する立場なのだ、同等かそれ以上になるなど以ての外である。ユミエラ様万歳!

勘違い

 王妃様は「あの子は強くなるしかなかった可哀想な子に違いない」と壮絶な勘違いをしてしまった。違うんだ王妃様! レベリングはゲーマーの嗜みでしかないんだ! そんな深刻な顔をしないでおくれ!

ボッチ卒業?

 レベル99で王様との謁見も単独で出来るまでの存在として、一躍学園のスーパースター。それでも本来主役のアリシアちゃんは絶対に目を合わせようとしない。その理由は1話を見ればわかるのだけど、彼女から見るユミエラ様って「全身が邪悪色のオーラを纏い瞳が赤く輝く怪物」にしか映っていない。OP映像でも半分そう映っているのだから仕方ない。本来明るく快活な美少女だから仲良くするのに苦労しないはずなのに時間かかりそうだ。

3バカ

 こっぴどく叱られたであろう殿下とゆかいな仲間たち。関係の修復を図らねばならないはずなのにプライドもあって「悪かった」だけで済ますし、幼馴染の脳筋は舌打ちする始末。お前ら謝る気ないだろ? これを王様が見てたらまた雷降るぞ。

ラブレター

 反国王派は言うことが過激。論点逸らし、大言壮語、図星を突かれやすい綻びだらけの演説。紫眼鏡君はユミエラ様の話術でコテンパンにされて敗走するなど、ユミエラ様の日常は決して平穏ではなさそうで不憫である。

筆頭との出会い

 反国王派を引っ張るヒルローズ家。その令嬢が

 エレノーラ・ヒルローズ!!!! そう、まなロラである!!! 待っていたぞこの時を!!! 声を上げていぇえええええええい!!!(いつもの発作)

 向こうの方から話しかけてくるほど有名、さすがユミエラ様。しかし本来のゲームではユミエラ様がエレノーラのグループに入りたい=気に入られるためにアリシアへの嫌がらせをして、それが巡り巡って裏ボスになったらしい。本当にゲーム版のユミエラ様って、周囲から孤立し、疎まれ、せっかく付けた力も討伐対象として抹殺されるという救いようがなく哀れな存在だったんだな……本来のユミエラ様は草葉の陰で歓喜に咽び泣いてそう。

否である

 女子とはいえ魂は生粋のゲーマーであるユミエラ様。おしゃれ話や恋愛話に花を咲かせてキャッキャウフフのお茶会だって? 
「ユミエラ様にそんなこと、出来るはずがない!」
「やってみせる!!」
「否!否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否否ぁあ!!」

 現実でも、知らない人と話す際に必要なのは話術と、話題の引き出しだ。返答の仕方は今回のユミエラ様が有難くレクチャーしてくれるが、話題ばかりは自分で探しておくしかない。ゲームばかりしている人相手ならばゲーマーは水を得たクジラにもなれるだろう、しかしスポーツや芸能人の話題になったら? 好きな人は誰とか、趣味は何とか、行きつけの店を聞かれたらどうしようか? その時は置物のように黙るしかないのか? それも否である。探せぇ! 話題はこの世にいくらでもあるんだ! スポーツ選手の話題ならとりあえず二刀流の選手のことを軽く調べておけばいい、「自分はにわか」と知れて構わない、相手が君の知識レベルに合わせた話をしてくれる! 漫画は海賊の王を目指すやつしか知らないって人がいたら、私たちオタクはそれに合わせるように! 自然に接することが大事! でも女子の、例えばお化粧の話題に入るのは男子だとコスメなどに精通してなければ無理だ。男女で話題の難易度は変わりそう。

本題

 お茶会と言うのはやはり建前。エレノーラの本当の狙いは、

「エドウィン様の事は諦めなさい!」
「いやですぅ!」(引用返し)(言ってません)

 大丈夫だ、エドウィン殿下への好感度は地に落ちているので絶対に付き合うことはないし、カタリナ嬢みたいにたらし込むようなこともしません。杞憂です。駄々っ子みたいに可愛いエレノーラ、本編のゲームだと学園の女王……女王とは?? わがまま王女様なのでは?? いつもエドウィンが一緒にいるのはアリシアなのだけど、あちらは平民だし相手にされていない、ペットのような存在なのだろうと高を括っているのだろう。というかこの子はユミエラ様がレベル99と知っていても一切臆さず真正面から命令口調(可愛い)出来るの、胆力があるのかただのがきんちょなのか?? 

「私よりも相応しい相手がいます。エレノーラ様です」

 こんな見え透いたおべっかに舞い上がっちゃうエレノーラさんちょろ可愛い。まるで腹黒と聡明要素のないローラみたいで新鮮。

正面切って

 あれだけ目を合わせる事を恐れていたアリシアが、ユミエラ様と面と向かい「アナタが魔王なんですか?」と問うシーンで終了。勇気を出して切り込めるのは立派だが、うーん……そのお方はラスボスが可愛く思えるような裏ボスなんですわ……今のレベルで太刀打ちできるような存在じゃないぞ。

 ここで「そう、私です」などと切り替えされたらどうするつもりなのかはさておき、まあ「違います」の一点張りしか出来んわな。
 思うにアリシアにだけ邪悪な存在に見えるのは主人公補正があるからなんだろうね。

 何気に今期アニメの中でも楽しめているので原作購入しようか迷っています。

 では今回はこの辺で。

この記事が面白いと思った方はイイネをクリックしてくれると幸いです!

前の話     次の話

感想まとめ

サポート1人を1億回繰り返せば音霧カナタは仕事を辞めて日本温泉巡りの旅に行こうかなとか考えてるそうです。そういう奴なので1億人に到達するまではサポート1人増える度に死に物狂いで頑張ります。