【2大テーマの】ワンピース・スタンピード感想【ぶつかり合い】

先ず率直に。

素晴らしくエモーショナルな映画でした!!
ワンピースはトットランド脱出までは知っていて、その後の知識はなかったのですけれども、そこまでの知識があれば十分です。

ただし、十全に楽しむにはコミックス版の小ネタ(扉絵集中連載)なども知っておく必要があります。習熟度が低くても勿論楽しめるよう工夫されていますが、高まっている人ほど感極まって泣いてしまう、そんな映画です。






注意:この記事はスタンピードのネタバレを盛大に含み、並びにアベンジャーズ・エンドゲームのネタバレを少々含みます。






 比較対象は、ヒーロー大集結のアベンジャーズ・エンドゲーム。

 あっちは習熟必須でしたが、こちらは若干のパラレル時空なので、習熟なしでも楽しめます。ドラゴンボールの劇場版みたいなノリですね。

 語りたいことは沢山あるので、ガンガン書きます。

戦闘9割!!

 上映時間中のほとんどを戦闘シーンに費やしていく。合間合間の静かなシーンも、火花散る駆け引きなので実質戦闘シーンです。正直1時間半を超える映画でこの密度は異様です。「え、戦闘ばかりでダレない?」と思った方もいるでしょうが、そこは大丈夫。緩急つけています!

まさかのウルージさん大活躍!!?

 お宝争奪戦時には、様々な敵と戦いながら先に進むのですが、ここでまさかの怪僧ウルージがルフィとガチ対決!! しばらく肉弾戦を繰り広げているにもかかわらず、お互い一歩も譲らない。いや、ファーザーが赤ん坊を連れているなら時系列的にトットランド後。スネイクマンだって使える超強いルフィ相手に、ここまでの大立ち回りは見事としか言えない! やはりウルージさんは強敵だった!!! 歓喜!

ワンピース世界に迷い込んだサノス

 これが異世界転生ですかね? 今回の敵は、フェスタ(狂言回し)とバレッド。で、戦闘するのはバレットのみ。こいつ1人がもうあり得ないほど強い。バスターコールやっても倒せるのかよこれ?! と思う程度には強い。

 最悪の世代も勿論強いけれども、ファーザーの言葉を借りるなら「兵力が違う」。それも桁違いに。真っ向勝負でも強いのに、この上悪魔の身も食べているというのだから手に負えない!

 まるでサノスがインフィニティストーン2つ持っている状態で戦うような難易度です。実際強すぎる。

ウソップ!!!

 ウソップヒロインやんけ!! ワンピースのヒロインいうたらナミさんですけど、今回は満場一致でウソップがヒロインでしょう。

序盤はいつも通りのヨワキング。
中盤は頼りない頼りになる相棒。
終盤はもう狙撃の国から来たソゲキング!!!

 援護は任せろという言葉、マジだったんやな!!

宝箱の中身ワンピースってマ? どうせ濁すんやろ?

とか思っていたんですよ私。
 ほら、コナン君の映画純黒の悪夢だって、『あのお方』がお披露目するのかなと思わせるCM流していましたけど、結局しなかったわけですし。

 そんな軽い気持ちで「なんだよバギーもウソップも驚きやがって。どうせ中身はそんなに大したもんじゃあ……」って思ってたら、エターナルポースで脳内シナプスが確変起こしました。誰もが驚くエターナルポースっていえば、そりゃあもう1か所しかないわけで。

 つまりこの戦いは。ワンピース史上でも有数の、歴史的分岐点の映画なわけです! 見るしかねえ!!!

クロコダイル!!!

 クロコダイルは、ワンピースの中でも一番好きな敵キャラです。扉絵連載でインペルダウンに収監と言うのは知っていたので、だからこそ、インペルダウン編では超興奮していました。「ミスオールサンデー」呼びは中々心臓に悪い! 今後どこかでビビと相対した時、どんな風になるのか楽しみです!

 今回戦闘面でも影のフィクサー枠でも活躍していて絶頂もの。
しかも人付き合いあまりしないローとのコンビは中々決まっています。
目的のために手を組み利用する者同士、ウマがあるのかもしれない。
(ローはその辺非情には徹しきれない若さがあるけど)

もしも世界が

 ウソップが気絶したルフィを連れて敗走するシーン。燃え上がる施設などが目に見える中、BGMでアニメワンピース最初期のEDテーマが流れた!

 ボーカルはないけど、ゆっくり染み渡るBGMで先ず涙。ウソップが非力なのにあんな行動とるシーンで涙。ああ、思い出が色褪せる前に、彩られていく。ワンピース最近読んでなかったし見ていなかったけど、やっぱ好きなんだなあと再認識したシーンでした。

『富・名声・力』がナレーションではない理由

 ワンピースお馴染みの「ゴールド・ロジャー」が残した台詞読み上げ前説。しかし今回それを読み上げたのは、ナレーションではなく敵側のフェスタです。

富「大規模な海賊万博を開催する手腕と、マスコミや裏社会の者と通じている辺り富に縁があるフェスタ。なによりエターナルポースがある」
名声「『鬼の跡目』と呼ばれたバレット。その名声は黒髭も畏怖するほど」
力「異次元級のつよさを持ったバレット」

そう、今回上記の3つを全て持っているのは、他ならぬバレットである。
この世の全てを手に入れていると言っても過言ではない、ゆえに鬼の跡目。

「富・名声・力。
 この世の全てを手に入れた男、海賊王ゴールドロジャー。
 彼の死に際にはなった一言は、人々を海へと駆り立てた。
 『俺の財宝か? 欲しけりゃくれてやる。探せ!
  この世の全てをそこに置いてきた』
 男たちはグランドラインを目指し、夢を追い続ける。
 世はまさに、大海賊時代!」

激熱シーンで浮かび上る、もう一つの前説。

 ナレーションによる言葉は今回ないです。しかし、私には聞こえました。聞こえたのは、ルフィがバレットとの最終決戦時。

『ウィーアー!』……流れましたよね? もうその時点で涙が出てきたのですが、ウィーアーの前説って『富・名声・力(以下略』じゃないですか。

 でも不思議と、自然に出てきたのはもう一つの方だったんですよ。自分で演出に強化補強して勝手に感極まって泣いているんですよ。滑稽だと思われても一向にかまわないのですが、ワンピースのOP『Believe』。

その前説ってこんな感じなんです。

「受け継がれる意思。時代のうねり。人の夢。
 これらは止めることの出来ないものだ。
 人々が自由の答えを求める限り、
 それらは決して止まることはない」

 ナレーションボイスは大塚周夫さん、つまりはゴールドロジャーの文言と言うことでしょう。その後に「ありったけの夢を」に入ったんです。本来はあり得ない、前説の差し替えが、私の脳内で行われました。しかし、これがしっくりくるんです。

 いわば今回の戦いは、

「富・名声・力」VS「受け継がれる意思・人の夢」

という、2大テーマのぶつかり合いなんです。
強さの先に『この世の全て』を見出そうとしたバレット。
人の夢ある故に、『自由の答え』を導き出したルフィ。

 その構図がとても美しく儚い。そしてバレットが求めていたものは、既にこの世にはないというのもまた切ない。

 皆様、もしもこの映画を今から見る機会があったとして、ウィーアーの前説を差し替えて見てほしい。もう気が狂う程のめり込めるはずです!

最後の贐(はなむけ)

 今回の映画。サボの台詞を聞いていて気付いた方は結構いると思うのですが、台詞のほとんどが「エース」を意識したものになっています。

 だからこそ最後の最後であれが効くんです。粋過ぎる餞に全私が泣いた。

まとめ

 全編通して楽しいが、興奮が、感動が詰まっている超映画!!
作画も凄く味があって、劇場版仕様。気の抜けたシーンが一切ないので、最後までノンストップで行けます! 見る前にはトイレとか済ませておけ!!1秒たりとも気を抜くな!

以上、ワンピース・スタンピードの感想でした!!!

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音霧カナタ
サポート1人を1億回繰り返せば音霧カナタは仕事を辞めて日本温泉巡りの旅に行こうかなとか考えてるそうです。そういう奴なので1億人に到達するまではサポート1人増える度に死に物狂いで頑張ります。