Vtuberの死者蘇生について

引退したVtuberの、バーチャルの体は思い出に沈む。

それは個人勢ならいいかもしれないが、企業としては待ったをかけたい案件なのは間違いない。「その体作るのにいくらかけたと思っているんだ」と。思い出のために数十・数百万円を投入したわけじゃあないんだと。

今回は、割とVtuber界隈でタブー視されがちな、転生とか二代目とかの案件に触れる記事になります。この手の話題が苦手な人、ブラウザバックで自己防衛してくださいね！

転生問題についての所感

Vtuberファンっていうのは面倒くさい。私もVtuberファンで、自分を面倒くさいと思う。何が面倒くさいって、どこに地雷があるか分からないところ。

踏んではいけない聖域も、超えてはいけないラインっていうのも、正直個々人のさじ加減で大きく異なります。例えば「転生は嫌」という意見。個人的にはめっちゃ歓迎するけど、嫌という意見もあるし、それが原因でキズナアイ親分も少し燃えた。

引退した後数カ月が経ち最近企業勢に転生した子、心の底から応援したい。理由は「色々と嫌なこと辛いこと楽しいことあった中で、Vtuber界隈を楽しいことだと受け入れてもう一度再スタートを切りたいと思ってくれたこと」が嬉しいからです。

好意的に転生を受け入れられるのはこのため……ていうかさ。推しがさ、姿を変えても活動してくれているって、めっちゃ恵まれてるよなあぁ!!!?　ぜったい天使くるみちゃんは本人の口から「もう活動はない」って宣言している以上向こう数年か金輪際出ないと思っているんですよ!!　復活して活動してくれるのがどれほど恵まれているか……。

取り乱しましたが、推しが再度活動してくれるというのは喜びです。何故なら引退=消滅に近いから。

不慮の事故で二度と使えぬ勿体ない体

Vtuber全員が長生き、清廉潔白……なんて私は思っていない。企業Vtuberの体を得て早々、自身の不祥事を原因に引退をしてしまう人もいる。少し前なら、にじさんじを即時解雇されたシンデレラの半分、真堂雷斗。最近だとホロライブの魔乃アロエさんも、サキュバスとして素晴らしい体を持っていたにもかかわらず一月経たずに引退してしまわれた。

同時期にデビューを発表したにじさんじ5人組「セレ女」と、ホロライブの5人組「ホロファイブ」が今後どうなるか楽しみだったのになあ……と惜しい気持ちでした。折角公式でにじさんじとホロライブがガッチリ手を組んでの発表だっただけに。まあ、引退してしまった以上どうしようもないですが。

一番可哀想だと思ったのは、2週間でその姿を永遠に封印された魔乃アロエ体。それを創り上げた絵師の方です。引退後も自身の描いた魔乃アロエを固定ツイートにしています。他者の描いた彼女のイラストや、変身したコスプレをリツイートしたりもしています。とにかく彼女に対しての愛が半端ない。

ホロケット参加することにしました。よろしくお願いします。https://t.co/ipni7MzO4M 　#ホロケット pic.twitter.com/vZVURL7Ap4

— Guchico (@Guchico77) September 2, 2020

それ以外の方で、「魔乃アロエを復活させてくれ」と署名活動も行われているようです。……まあしかし、一度引退した後に再度復帰するのは「契約上問題なければ」大丈夫でしょうが。実際辞めた理由の真相など知らない私からしたら、ここら辺よくわかりません。

「魔乃アロエ」は復活可能か？

取り敢えず前提条件として、魔乃アロエの魂だった方はもう戻らないと定義したうえでお話を勧めます。

取り交わされた契約内容に、魔乃アロエの姿を用いる活動権限の付与とかならば、【引退して活動が不可＝契約不履行】を理由に破棄するとかで、魔乃アロエは復活可能だと思います。ただし、初配信で見せた彼女ではない、別の魂で、別の話し方、別の性癖、別の趣味趣向の、魔乃アロエです。

「そんなの魔乃アロエの復活じゃない!」と憤る方の気持ちはよく分かる。恐らくそういう方は見た目だけではなく、中身もセットにしてこその魔乃アロエなのでしょう。

完璧な魔乃アロエ復活か、さもなくばこのまま凍結してくれという二択。正直企業としては、復活させたいのは山々でしょう。しかしすぐに復活させようとしても選考がある。どういう形でデビューさせるかも考えなければならない。

今現在4人で奮闘しているホロファイブとはどういう関係になるのか、ホロファイブデビューから僅か一月でホロライブENをデビューさせた運営は、暫く、ほとぼりが冷めるまではこの問題に触れる気はないと思います。

ヘタにここで復活させて魂交換して復活をしても、「なんて薄情な奴だ!!」と運営に憤る人も、中にはいるやもしれないから。

最近の死者蘇生

Vtuberの、100万円のボディがぽしゃったということで、それを無料配布することになった事件をご存知だろうか??　今現在も増殖し続ける、星野ニアという存在だ。魂になる予定だった方が1週間で体を捨ててしまったというのだから驚きだ。これは個人勢のお話だからこういう思い切ったことが出来たのでしょう。

企業勢としては真似したくても出来ない事案だが、最近はこういった復活方法が存在することを頭に置いてほしい。

現実的に魔乃アロエは復活出来る？

Vtuber界隈の暗黙の了解とか聖域とか云々、色々あるけれども。そういう情が深くなければしれっと魂入れ代えて復活は簡単でした。魂含めてのコンテンツへと進化していった以上、これが中々難しくなった。

そもそもにじさんじでも、一度引退した方はその体を別の人で復活なんてことはしていない。それをやったのは、バーチャライズという企業で、当時総スカン喰らっていた(なお、この記事によれば入れ替え詐欺だった)。

ホロライブでも引退者はかつて人見クリスがいたものの、残念ながら現在に至るまでその体は凍結状態。側の優劣関係なしに、一度魂が定着してしまった身体は凍結が当たり前になっています。

よって私が言った「別の魂での復活」は現状不可能です。

もし、前の魂をそのまま戻して復帰ならば一応不可能ではない(笹木のようにカムバック)が……戻すには色々とハードルがある。

１：復帰すれば色々言われる
２：過去やったことに対する詫びと再発防止のための具体策提示
３：問題としてやり玉に挙がっている事柄への1つ1つに対処

等があげられます。1に関しては、にじさんじに続きホロライブでも誹謗中傷などに対する対策が公式から発表されているため、大っぴらにヤジ飛ばす者はほぼいない。だからこの点に関しては安心できる。

2・3は同義で、彼女に対する非難材料で炎上を企てる輩に真っ向対決するのではなく、その材料自体を無力化させることが大事。やってしまったことはもうどうあっても覆せないので、どうしてそれをしたのか、コンプライアンス問題について等等も含めて運営と入念に協議してから発表し、訂正や謝罪を織り交ぜた姿勢かつ「こういう方針で行く」と提示する事。

通すべき筋を通し、健康体であれば復活・復帰は夢ではない。彼氏の有無とか問題の画像は、個人的に正直問題ではない(ホロライブ好きにとってこれがどう映るかは個々人による)。

なぁなぁで復活もやろうと思えばできるが、魔乃アロエが再出発するのであればやめた方が良い。きっと引退するまで延々小突かれることになる。

あとこれが最重要なのですが、魔乃アロエの魂だった方が、今後どうしたいのかを最重要で考えたい。無理やり復活させても、ファンの罵声が怖いというPTSDを患っているかもしれない。私たちが彼女を想ったり復帰を望むのは良いけど、それを望んでいるかどうかなんてわからないのが辛い所。

まとめ

復活は可能です。やるべきことが多いけど可能です。運営と私たち、それ以上に魂の方がヤル気があり、炎上した理由への1つ1つの潰しが必要になります。「復活してほしい」という気持ち自体は否定しないが、本人や運営の意を汲んだりするのも忘れてはいけない。

死者蘇生って、カードゲームのプレイヤーが使うカードの名前で、死んだ者を復活させる。その決定権と意思はこちらだけが持っていて、死んだ者の意志を顧みない復活。

望むべき最高は本人の足で復帰。次点で体は同じで魂だけ別の復活。あるいは凍結されたままか。その行く末を今後も見ていきたいと思っています。