今日見たアニメのネタバレ感想＃16 王様ランキング第十九話「最後の砦」

こんなカッコ悪いアバン先生は見たくなかった（声優繋がり）

神様の統治システム

　前回ホウマ国を裏切ってミランジョの母を殺し、ミランジョの体を人の悪意を煮しめたような姿に変えてしまったギャクザ国。彼らも同じ人間故幸せになりたかったらしいが、何の罪もない子供に手をかけて笑っていられる時点で、その末路などお察しである。案の定遅きに失したボッスが駆けつけて、デビルマン最終盤みたいな展開を巻き起こして国民を駆逐。

　なるほど、ボッスがミランジョを自分より優先するのはそういう事情があったのねと納得する一方で

「そのためなら子供も妻も殺すか利用する対象にする」のは流石に同情できない。愛する対象が血の海に沈んでもこれなのでは救われるわけないのに。

　ところで神の軍勢の事情も少しわかってきた。どうやらイケイケムードではなくお互いがお互いの背中を狙っている危険な状況で、人間の新しい統治システムを考えているのだとか。それが恐らく「王様ランキング」なのだろうな。これでは１位になった時のご褒美もキナ臭さがマックスである。

三途の川

　カゲがオウケンを飲み込んだものの、内側から剣で貫かれ死亡。そしてボッジも、そのままオウケンに心臓を刺されて重篤。あっさり絶望をくれるファンサービスに涙が止まらないね！　この状況で助けてくれる者など何処にもいない……と絶望していたら、なんとミランジョが助けてくれた。……何故！！！？

　何故かはわからないけど、ミランジョがカゲ・ボッジ・デスパーの３人を治療してくれた。この回復魔法はヒリング王妃がよく使っていたものとよく似ているが、実際回復力はどちらが強いのかわからない。ただ言えるのは、

ミランジョの冷静に回復する格好が真っ当なヒーラーなんだろうな。

　そこに愛や優しさが介在するかはさておき、ポーションがぶ飲み気合回復は違うらしい。回復直後に三途の川に。生死の境をさまよっているらしく、カゲはボートで対岸の死んだ母のもとに。それを見ているデスパーとボッジは引きとめようとするが声が届かない。ここのデスパーさんの往生際の悪さったらなかったわｗ

　あと少しで対岸、それを止めるのもミランジョだ。……何故！！？(２回目)

本当にミランジョの真意がわからない。目的のためなら人を殺すことに何の抵抗も示さない割に、こうして助けてくれるのはどういうことなんだろうか？　……まあ、年端もいかない頃に顔面を二目と見れぬくらい酷く焼かれた上に手も奪われたのでは人間不信＋精神的成長も止まるわな。子供の思考は大人には分からない。

　カゲは母との別れをするけど、一度も母はカゲを引き留めないのが愛を感じる。本当はもう辛いことばかりの現世に行ってほしくない気持ちもある、でもそれ以上に息子の意思を尊重したいって葛藤がビシビシ伝わってきて涙腺がおかしくなった。「もう少し顔を見せて」と言うのが精一杯だったのだろう。それ以外はどうにか、何度も顔を取り繕っているのも泣ける。いろんな物を奪われたカゲやボッジだけど、母の愛だけはまだあるのが救いだ。

４人だから四天王

　復活をしただろうけどまだ目覚めないボッジ・カゲ・デスパー。オウケンは喉が渇いたからか、守護しに来たミツマタの血を啜り始める。もう本当に生理的に無理だよこいつ！？

　そこにさっそう現れたベビン・ドルーシ・ドーマス・アピスの四天王。彼ら全員１話の時とは違って精神や肉体に深手を負っている状態だったが、心を一致させて戦うのを見ると不思議な安心感がある。

　オウケン討伐は不可能だが、抵抗出来ぬよう抑え込み縛り上げての封印は可能だ。抑え込む＝力なので、ボッジにはそれが備わっていない故に相性が最悪だとデスパーさんは見抜いていたんだろうな。

　しかし優勢だったはずなのにオウケンに覚醒イベント発生、なんでや！　主人公差し置いて覚醒するとかチーターやろそんなん！！　しかも覚醒のトリガーはかつてのデスパーさんかい！？　「ピンチの中にこそチャンスがある」ってカッコいいこと言っているけど、命ピンチって場面でアンタ金の事ばかり気にしていたの俺は忘れないからな！？

考察１　回復できる人って誰？

　四天王が口々に「ヒリング王妃以外に回復できる人はいる」と言ってたけど誰の事？　これまでの登場人物にいたかと考えたが、森の奥でボッジを食おうとした王様っぽい人しか思いつかん。雰囲気はあるけど絶対違うだろうな。今回ミランジョを治療した人は……回復というかお面的な顔を作ってあげただけの気もする。少なくとも心臓付近に深手を負った人間の治療は無理だろうね。

　となると「これまで登場していないけど予測可能なキャラ」かな。ヒリング王妃に回復魔法を教えた人か。シスターかな？　おばあちゃんだとして、ヒリング王妃同様に「ぱわぁあああああ」何だろうか？

考察２　子供ミランジョ消滅＝浄化

　三途の川でカゲに「ありがとう」と言われて、それから自分が失った母と自分が殺したボッジの母の２人が対岸にいたミランジョ。

「ありがとう」の直後、ダイダ（ボッス王in）の中に閉じ込められているダイダに身を寄せるミランジョの顔が、作り物のお面から普通に表情を出せる可愛い顔に戻った。「私ね、救われたの」と言ってたけど、何に救われたのかはわからない。

　もしかしたら時系列が違って、「カゲのありがとう」→「２人との対話」→「ダイダとの別れ」なのかもしれない。

　ミランジョの母は「人の幸せの上に自分の幸せを築きなさい」と娘に言い残してたが、実際は「人の不幸を築き上げても自分とボッスは幸せになりたい」で真逆になっている。

　そんな心が救われたとしたら、自分の手によって誰かの幸せを垣間見たとき（カゲを救う）、そして殺めた者（ボッジの母）からの赦しか。いずれにせよ「そんな簡単に成仏する？」となるので、実際は違う可能性の方が高そうである。