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夜のクラゲは泳げない6話「31(サーティワン)」感想

そうだったのか…いつも最前列で見ていたあの子が、俺たちの―――――

前回のあらすじ

 トゲのあるコメントを乗り切ったり、公開ラブレターとお正月事変。

※この記事は【夜のクラゲは泳げない6話】のネタバレを含みます。


今回のあらすじ

 今明かされる、みー子の私生活☆

歌詞が浮かばない?

 スランプか? 新曲の歌詞が中々浮かばない花音ちゃん。創作活動あるある過ぎる。浮かんだらすぐなのに、そこまでがいつになるかわからない出口の見えないトンネルを走っているような不安感。でもまあ2話の時点で歌詞作り勉強し始めたくらいだから、今まで立て続けに3曲書けたのが奇跡だと思わなきゃね。……しかし何が原因なのか?

 そもそもあれらの歌詞、花音ちゃんの気持ちを正直に書いたようなものだし、3曲目の渋谷アクアリウムは完璧にヨル(まひる)相手に書いたもので間違いないし。つまりはエピソードから歌詞を捻り出すタイプってことだから、もっとイチャイチャする出来事があれば書けるのではあるまいか? それは是非とも! お願いします!

オファー

 そんな中で、キウイちゃんが気分転換に「DMに届いていた案件をやってみるか」と誘う。曲を書いてくれるかどうかの依頼で、物凄くべた褒めされて良い気分になるのだが、この方……

 そう、1話のハロウィンで花音ちゃんとまひるにライブを乗っ取られたアイドル! 名前は、みー子(永遠の17)!! JELEE結成の起爆剤になった動画をアップした張本人だ。つまりは、今のJELEEに繋げた恩人でもある。OPにも出てたし、モブで終わるとは思えなかったのでようやくの登場だ!

10,000円の対価

 早速顔合わせをするわけだが、木村ちゃんの突っ込みが天然鬼畜過ぎてたまにみー子が可哀想になるけど面白いからもっとやって欲しい。

 事情説明「銀河系最強・アイドルの卵なみー子。彼女は18歳で地下アイドルやるために上京して14年、中々芽が出ない上、次の曲がバズらなければ退所確定という瀬戸際。2週間後の事務所定期ライブにて新曲発表をしないといけないけど曲が決まっていないし誰も書いてくれない」

木村ちゃん「銀河系最強なのに卵なんですか?」

木村ちゃん「卵って、そんなに孵化しないものなんですか?」

 木村ちゃんヤメテサシアゲテ!!

 永遠の17歳=結構年行ってるとは思ってたし予想してた。30を超えているのはまあ全然大丈夫、タイトルも31だし、次回予告映像で察していたよ。……でも17歳から始めたと思ってたよ、まさかそこも嘘とは思わないじゃん!

 流石に最初のオファーがこんな激重だと責任重大過ぎてなあ。全然売れないアイドルの生死をかけたバズ確定曲を作るとか誰も曲を書いてくれないのも納得だ。これは当然今回の話は無かったことにコースを

みー子「ほらJELEEって、私のライブを 横から 勝手に 乗っ取ったところから始まったじゃない? 最近有名になってきたのは私も嬉しくて、これならあの時 ヤ ブ ラ レ タポスターも、浮かばれるなあって。だから私を 踏み台 にしたJELEEに、是非頼みたいなあって♪」

 逃げられねえ!! みー子、強か! 請け負わない雰囲気を察した瞬間、脅してでも曲を作らせるモードに移行した! ポスターを破ってハロウィンライブを台無しにした責任は、ポスター代を払って終わりでは済まない。

 アイドルに限らずタイミングは重要、もしかしたらあのライブで成功していた可能性だって0ではなかったが、乗っ取りにより0になった。その原因が自分たちだというなら、責任を取るしかない! 何より自分たちのせいで退所からの引退になったら目覚めが悪い。それにしてもポスター代のレシート出してくるあたり用意周到である。

家庭的なアイドル様

 先に述べた通り、花音ちゃんが歌詞を作るには体験が必要だ。これまでは自身の体験や相手への想いを伝えるものだったが、今回はみー子に合う曲を作る必要があるため、彼女の1日に密着することに。

「いらっしゃいませ↗!」

 芸能のお仕事じゃないんかい!? 焼き鳥屋のバイト、多分お給金や賄い目当てだなこれは。店の制服も悪くない上に、賄のボリュームも結構ある。

まひる「すごくこう…人生だね」いつかこの映像もドキュメンタリーになるのかな? 貴重な映像になるかもしれない。

賄いラインナップ

・焼き鳥(ねぎま)3本
・ミニねぎま丼
・シーザーサラダ(卵付き)

 タンパク質と野菜などのバランス取れた最高の食事! これは1食分余裕で浮く。でもSNS用にアップしたのはサラダのみ。全部映すとアカンのか、アイドルって大変だな。しかもこれしか食べてないとか嘘ついてるし! キウイちゃんもファンのために捏造の学校生活を語ってたりするから、表情を見る限り共感している。

花音ちゃん「私の知っているアイドルと違う……」

 その後も

『食後の運動頑張るぞー!』(通っていないジムで撮影)
『今日は1駅分歩いちゃおうかなー』(余裕で電車使う)

 流石にまったくの嘘はキウイちゃんも引いてるよ。キウイちゃんは一応学生だから嘘ついても誤魔化せるけども。

それがアリエルかも

4人「お邪魔しまーす」

???「お母さんおかえりー」








???


 お母さん? 誰が? いや、分かっている。分かっているんです。でも、脳が理解を拒むんです。不思議だね、今のこの気持ち。

 全員みー子が子持ちであることに驚愕する中、木村ちゃんだけ娘を可愛いと絶賛する。黒髪清楚だけじゃなく、前髪ぱっつんにも性癖を発症していたのか……可愛いもんな! 食卓に座ってもにっこにこなの木村ちゃんだけで、他の3人は戸惑いを隠しきれていない。

 湯気が吹く炊飯器・豆苗を切るみー子・お味噌汁の沸騰寸前の音・電子レンジが鳴る音。溢れ出る人の営み、生活感、なんというかこう、人生だね。

 娘の名前は「馬場 亜璃恵瑠(アリエル)」。キラキラネームだ! どこかの人魚をイメージしたのか、それとも天使をイメージした名前なのか、分からんが中学高校になるごとに改名したいとか思いそうな名前だ。画数もめっちゃ多いし。

 …………皆さん。苗字については、何も言うまい。絶対に、狙った苗字だ。言ってなるものか……ネタにしたら制作陣営の思うつぼだ……! 言うものか!!

まさに最強のお母さん

 現在分かっているみー子の情報は、永遠の17歳(31歳)、子持ち。生活費や学費を稼いでいるという事は現在夫なし、シングルマザーだ。その大変さを乗り越えたうえで娘からは慕われる親子の時間共有が出来て、自分の夢であるアイドルの夢も諦めずに励み続けて14年…………

 全部暴露して堂々と31歳アイドルで売り出した方がエピソードトークの幅も増えて新規ファンも大勢獲得できそうなのだが? アリエルちゃんも滅茶苦茶可愛くて2人揃えばバズも夢じゃない。

 でも、売れたいが。大切な愛娘を自分の都合で引き合いに出したくないんだろう事も理解できる。みー子、推す以外の選択肢がないですね。1話であり得ないほどメンタル強かったのも納得だわ、10年近く子育てもアイドルも、愛で両立してきた生粋の化け物。ちょっとやそっとの罵声で折れるような軟なハートじゃない。

普通のお母さん

 そんな仲睦まじい様子を見せられた花音は親子というのがよくわかってないことに気付く。質問されたまひるは「私のお母さんは普通」と答えた。ここでの花音ちゃんの「よくわからないんだ」と寂しそうに言うシーンは少し印象的。

意地悪な笑顔

まひる「あのキスは何?(ニヤニヤ)」

 その、意地悪な笑みで存分にいじめると、心が豊かになります!

推しは太陽

 母親を推し認定するアリエルちゃんと木村ちゃんは「推しを持つ者同士」で意気投合。「推しが変に言われたらどうするか」問題に触れる。

 実際、シングルマザーをやりながら売れないアイドル活動をしている親というのは、世間から理解を得るのは難しいかもしれない。だいたいは子供をないがしろにしているとか、いい大人なんだからとそれぞれの価値観に基づく偏見がそういう意見を呼び込むのだろう。

 何も知らない者に理解を求めるのは難しいし苦しい。でも、取り立てて悪い事もしていないのに言われていれば良い気はしない。推すことすら嫌になるかもしれない。

 アリエルちゃんの真剣な問いかけに、木村ちゃんは「そんなことありません!」と強く否定した。自身もまた、推しが大炎上して世間から叩かれていた時期を知っているからこそ、彼女の苦しみを理解できる。

「推しのくれた救いの言葉があったから信じ抜く」
「推しを愛する己の気持ちは絶対嘘じゃない」と、推しとならば地獄にだって落ちるのもいとわぬ意見。木村ちゃんは本当に強い子だ。でもTOとかよくわからんオタク用語をこの年の子に教えるのはちょっと感心しないぞ!

刹那で流れちゃった、まぁいいかこんな鬱展開

 みー子の事務所ライブ当日。

 普段は外で着ない、母が作った可愛い服をアリエルちゃんは着ていた。きっと娘には少しでもいいものをと普段着は充実しているのだろう。お手製の可愛い服を着て欲しい気持ちはあるけど、同級生に変な目で見られるのではないかと不安になって遠慮していたみー子。

 でも、木村ちゃんが教えた【推しごと】、それは人目を気にしない。木村ちゃんを見ろ! 推しが好きすぎて、推しのアイドル時代の姿を今でも完璧に維持している信者だぞ! 可愛い服の一着二着で慌てるものか!

 可愛い服で友達と初詣、愛称は「ありちゃん」。母親がアイドルをやっていることをこの子達も知っているのだろうか? だとしても良好な関係を築けているようで何よりだ。

 そこにやって来た男子2匹、可愛い子をいじめたい眼差しで早速突っかかる。みー子の動画【コメント欄(5話のタイトル・メインテーマ)】に書き込まれた童心からくる悪戯。キウイちゃんは小学生時代、そういったいじめっ子の手合いから皆を守ったり責めたりしていたからすぐさま察した。今アリエルちゃんが同級生にいじめられている。その原因は服装、自分のアイドル活動のせいでそうなっている。

みー子「私のせいだ…私が…変だから…(この間約5秒)みんなごめん!」

 このまま後半は重苦しい雰囲気になり  ません! みー子、愛娘のピンチに下した結論は、自身の進退がかかった重要ライブをすっぽかして駆けつける事だった。葛藤らしい葛藤が殆どなく、コメントで傷つけられるとか、身バレとか、子持ちとばれるとか、そういう売り物としてのアイドルイメージの心配を全くしなかった。

 彼女が売れないアイドルなのはこういう「損得抜きの好きがある」からだったのかもしれない。愛娘のためなら14年続けてきたアイドルをすぐさま捨ててしまえる。売り込みのチャンスとかもこういう決断でふいにし続けて今がある。

 彼女はアイドルとしては0点かもしれないが、誰もが見習うべき素敵な母親だ。

スタッフ「ちょっ、みー子さん!? どこ行くの、もう本番、ま、待て! こら馬場ぁ(or BBA)! 誰のおかげで崖っぷちアイドルがライブに出られると!」

 スタッフの怒りはまあ御尤もなので何も言えん! すまん! 今わの際なんだ!

コピーバンド(本物)

 ぶっちゃけここで「君たち馬場の関係者だよね?」と即座にオファーできるスタッフも怪物メンタルだよ。JELEEのコピーバンドという名目でステージに上がった4人。図らずもまたライブを乗っ取ってしまった……良いのかこれで!?

 死にそうだよまひるちゃんが! 元アイドルや人前の演奏で衆目に慣れている花音ちゃん・木村ちゃん、顔出しはしていないが大人数とのコメントやり取りに長けているキウイちゃんの3人は良い。でもイラスト担当で表舞台に一切出ないまひるちゃんはこの人数を前に全身硬直状態、持っている楽器もトライアングル?? そこは、カスタネットで「うん♪たん♪」でもするとか、そういうの! トライアングルは頻繁にならせないしタイミング次第では浮きまくりで、普通に難しそうだぞ!

 それぞれ違う服装・髪型で新鮮だからここ良く見て欲しい。

皆が生んだ光

 6話はみー子というサブキャラを前面に押し出したサブ回だが、4人それぞれの輝きが重なった結果馬場親子に光を差し込む現時点での総決算みたいな物語になっている。

1話「まひるが光らせた花音」
2話「花音が光らせた木村ちゃん」
3話「まひるが光らせたキウイちゃん」
4話「花音を光らせた3人」
5話「まひるを光らせた花音」

6話は「アリエルちゃんを光らせる木村ちゃん」
「光らせるきっかけを作ったキウイちゃん」
「楽曲でみー子を光らせた花音」
「ポスターを破くという全ての縁の始まりを生んだまひる」

 1~5話までに行ったことが、今に繋がる。小さな光に影響されあって誰かを照らす大きな光になる。ここで歌うのは「最強ガール」! 誰に向けての歌かは各々の視聴者に委ねられている。

「私、最愛の娘の前で歌いたい」

 母でアイドルのみー子を愚弄する男子に、大人しいアリエルちゃんが切れた。堂々とみー子の好きな部分を上げていき、その想いが天まで届くことを示すような指差しと共に

「私はお母さんのTO! トップ・オタだもん!」

 清々しい笑顔で叫んだ。何があっても揺るがぬ愛を。すぐさま娘を助けに行くのではなく、事の成り行きを見守っていたみー子は自分を推してくれる、自分の推しの言葉にどれほどの勇気を貰ったかは言うまでもないだろう。

 娘のためならアイドルとして失敗しても良いと思ってここに来たみー子だが、こんなことを言われて諦めたら色々カッコ悪い。

倍返しだ!

 やられたら泣き寝入り? いいえ。倍返し、10倍返し? 6話分まとめて、1000倍返しです!

 みー子のいない間にどうにか繋いできたJELEEの面々。突如暗転したと思いきや、マイクを奪われてみー子onステージに変わり会場は大盛り上がりだ! ハロウィンライブでの意趣返し、乗っ取り返しで、JELEE(コピーバンド)の盛り上げをそっくりそのままいただいたみー子。10,000円のポスター、見ているか? 浮かばれたぞ。

静江の子

 虚飾まみれのアイドルではなく、娘のアリエルちゃんに恥じないアイドルでありたいとか、何の心境の変化かは本人以外憶測でしか測れないけども、みー子が自分の事について語り始めた。

※以下()部分は客の声
実は永遠の17歳ではありません(知ってる)
31歳(まあそうだよな)
バツイチです(は?! まぁまぁでも人生いろいろあるしいい歳だからそういう経験もあるかもしれないけどマジですか?!)
子持ちです(宇宙猫)

※以上

みー子「私は、亜璃恵瑠のためのスーパーアイドル。馬場静江です!」

 そうか、そうだったのか。いつも事務所ライブに場違いなほど小さくかわいい女の子がいると思っていたが、そうか……君がみー子、俺たちの推しの、

推しの子だったのか!

古参ファン?

「受け入れられるか?」←受け入れよ(イケボ)

 実際にこういう事された時の戸惑いは半端ないよな……取り敢えず古参ファンたちは美味いものやけ食って飲んで爆睡しておこう。推し続けるか否か考えるのは冷静になってからだ。「ワンチャンみー子とくっつける」と思っていたなら多分離れるだろうし、みー子が好きなら残るだろうし。

超バズの、サーティワン・ロリポップ

 あれから3日後。

 JELEE提供楽曲『サーティワン・ロリポップ』は鬼のようにバズった。3日で82万再生…日に換算すると平均27万再生ととんでもない数値だ。この分なら今日にも100万再生に届くだろう。登録者数も2話の時点で2523人だったのが、今では2.1万人と大躍進である。

 今回のMVはイラストではなく取材した時の映像、当然焼き鳥屋の映像も、アリエルちゃんとのツーショットもある。焼き鳥屋さん特定されたらめっちゃお客さん詰め込みそう。

 コメント欄は炎上よりも「励みになった」という同性ファンからの共感で溢れているだろうことが容易に想像できる。新規ファン層を獲得してしまった……大分上の方でも書いたけど、

「永遠の17歳(31歳)、子持ち。生活費や娘の学費を稼いでいるシングルマザー。その大変さを乗り越えたうえで娘からは慕われる親子の時間共有が出来て、自分の夢であるアイドルの夢も諦めずに励み続けて14年」

 こういう人となりを知ったら、激推しするファンがたくさん出てもおかしくはないだろう。苦難に満ち溢れたエピソードトークも解禁されて芸能活動の幅が広がりそうだ。

 なお、まひるへの愛を高らかに歌った公開ラブレターの『渋谷アクアリウム』は、公開3週間で96万再生。日に換算すると平均4.5万だが、流石に初期より勢いは落ちるか? サーティワン・ロリポップ(馬場ロリポップ)作曲でブーストがかかればと思うが、順当に行くと馬場ロリポップの方が先に100万再生行きそう。

 こうなったら「100万再生乗っ取られた」動画をアップしてあげようぜ!

 最後の木村ちゃんの締めが丁寧な伏線回収でとても好き。今回は重い雰囲気も即座にぶっ飛ばす、爽やかで繰り返し見れる面白回。しかも放送日は5/12、母の日ときたもんだ。話の組み立てが繊細過ぎてコワイ!

後半戦突入!

 さて、既に6話が終わり、ここからは後半折り返し。短期間に2つも100万再生動画を生みだす謎の匿名アーティスト集団JELEEの注目度は世間一般に広がっていくだろう。花音ちゃんの望みである爽やかな復讐は見事達成できるのかどうか。あのキスの行方がどうなるのか? サンドーとぶつかるであろう、夜のクラゲは泳げない後半戦、いよいよ開幕でワクワクが止まらない! 次回予告だけでも早く欲しい!


サポート1人を1億回繰り返せば音霧カナタは仕事を辞めて日本温泉巡りの旅に行こうかなとか考えてるそうです。そういう奴なので1億人に到達するまではサポート1人増える度に死に物狂いで頑張ります。