わんだふるぷりきゅあ!50話(最終回)「ずーっとわんだふる!」感想
まゆを誑かすアイドルにユキさんご立腹
前回のあらすじ
激しい自己嫌悪に自らを傷つける可哀想な存在をプリキュアは救い出した。
※この記事は「わんだふるぷりきゅあ」のネタバレを含みます
再会
ワンダフル「ガオウ来たよ、良かったね!」
こんな単純なセリフを人はあまり言えない。会いたい気持ちが溢れているスバルを見てすぐさま言ってあげる彼女の天真爛漫さが眩しい。
スバルに渦巻く再会の喜び、それ以上に、真っ先にガオウに対しての申し訳なさ、悔恨から湧き上がった言葉は謝罪だった。
ガオウ「謝らなければならないのは私の方だ」
ガオウ様
いきなりガオウ様が喋っているのだが、まあ鏡石の欠片が光っているしそういう事なんでしょう。スバルを待っていてくれたのかと思っていたら、ずっとそばにいた……ですって? お前らどれだけ絆が深いんだ……。重ねて、ガルガルになった時の「不安や怒りに押しつぶされそうになって何も見えなくなる」設定が、ここに来てしっかり伏線回収されるのも見事としか……。
何でこむぎが闇落ちした時に助けてくれたのかも理由も明確で、この作品滅茶苦茶丁寧に作られていると感嘆。
スバルが自罰的な発言をして、俺はお前に憎まれて当然なんだと主張した時に返答したガオウ様……カッコいい。これは群れの頭領ですわ……。彼が恨みなどに囚われなかった理由も、スバルがやって来たことが無意味で無いことの証明である。
キュアワンダフル
狼と人間を繋ぎ留められるのはキュアワンダフル、貴女しかいません。
成仏か、或いはニコダイヤの限界で消滅をし始めるスバルとガオウ。このままではスバルの想いが何一つ報われぬまま終わってしまう。せめて触れたい想いに悲痛な声を揚げるスバル
そこに躊躇いなく。間を取り持ってスバルとガオウを引き寄せたキュアワンダフル。私は静かに泣いた。このどこまでも自分のやりたいようにやる奔放さこそ、彼女の魅力なのだ。それに前回も
ワンダフル「ギュッてしてあげなきゃ!」
って言ってたもんね! 有言実行!
ワンダフル「私も言ったけど、ガオウが言った方がスバルも嬉しいよ」
アフターケアも万全で…神かよ。
消えかけた体が元に戻る?
この作品はいつも、命の終わりを延ばすことは出来ない。しかしスバルもガオウもすでに終わっている命なので、プリキュアのハグによる消滅の延長は寿命を延ばす奇跡と違う扱いになる。語らう場を与え、スバルが一番聞きたかった言葉、伝えたかった言葉で彼の心を救い成仏させる。ザクロさんも、生前ガオウには常日頃愛情の眼差しを注いでいただろうから、今回はスバルに対して思いを伝えた。
「誰もアナタを恨んでいない」
これですよ……争いの拳を握っていたら絶対に辿り着けなかった、悲しみを乗り越える無限の愛情爆発。思わずキュアリリアンも号泣。
お別れ
「待ってくれたのか、俺のために」
トラメを含めた、狼の群れの皆が幽体で待っていてくれた。スバルはどれだけ安心しただろうか。自分のせいで死なせてしまったと思っているガオウに、帰るべき場所があることを理解し、そこに自分も行って良いというのだ。彼にとってどれほどの救いになったことでしょう。最早人間に対する恨み辛みは彼の中にはない。
そして彼らは、光になって森へと帰って行った。
美しすぎて泣いた。こんなに綺麗な最終回を迎えるなんて思わないじゃん。本当に幸せそうに駆けていくスバル。彼は救われた。アニマルタウンの中で唯一救われていなかった彼が、ようやく、長い時の果てに救われた。
ニコガーデンと人間界は…
それはそれとして。動物の代表として感謝を伝えた後に祝勝会とかもなく、ニコ様はすぐさまプリキュアの力を回収。手際が良いし、自身の情を律して規則を重んじる姿勢も、まさに女神様って感じ。厳しさと慈悲の塩梅が絶妙だ。
この後出てくる、空に浮かんだ時空のゆがみと虹の橋を見て、
「ニコガーデン=死後の動物が行き着く世界」なら、そりゃあ交わってはいけないよ。大泣きになくメエメエに大福さんが男の別れをすると
「大福のアニキー!!」←お前のせいでまたトレンド入りしたぞ…
ダイヤモンドユニコーン
神々しい! これが、この姿こそが、ユニコオオオオオオオンン!!
(鳴り渡るBGM)
でも何でいつもこの姿じゃなかったのかと言えば……馬の作画が非常に難しいからっていうのがありそう。
鏡石を修復し、虹の橋を召喚してニコガーデンへと帰って行った。
鏡石を残した慈悲
「本来交わってはいけない」というけど、ニコ様は鏡石という願いを叶えるアイテムを残した。……つまりは、そういうことですね? きっとプリキュアの働きやアニマルタウンの皆を見てきて、まだ人を信じたい気持ちがあったから残したんですよね。
今後オールスターズ出演があっても、鏡石経由で変身が出来るってこと!?
大福の兄貴が、ツバサ君と再共闘の未来もあり得るってこと!?
あたりまえの幸せ
元々の日常
プリキュアの力を失った。それはつまり、こむぎ・ユキ・大福は人間になる事と、人語を発することが出来なくなることを意味する。1話冒頭と同じ演出、同じ散歩コース。何も変わらぬ日常が帰って来た。約1年間ずっと一緒だった「友達として語らえるこむぎ」を除いて。
アニマルタウンの始祖
遠吠え神社もあり、それとは別に動物を供養するための神社も存在する。そしてなにより、スバルの日記が残っていた。彼の行いは無かったことにはされず、未来に続く人たちに「人と動物の共生が夢物語ではない」ことを伝えていき、やがてアニマルタウンの原点となった。←これ全部悟君の推測なんだけど悟君ならきっと正解だよ、間違いない。
スバルのやったことは、無駄じゃなかった。これからもアニマルタウンがあるかぎり、ワンダフルは続く。
キュアアイドル先行披露
まゆママの唐突なファンサ。助かるけどこの構えはもしや、次回作!?
戦隊ヒーロー系統ならありがちな、次回作のチラ見せ。ゼンカイジャーでもこたつ回でドンモモタロウが出てきたな(あの頃と今で全然キャラが違うけど)まゆママがやっていたのを見て「今回はこう来たか」って思った。現状見た目だけで決めた場合、私の推しはキュアウインクなので、早く出てきて!
……あれ? これ、変身してからのステージが世界中に拡散されている!? つまり次回のプリキュアは堂々とみんなの前で戦う(か浄化特化か)系?
ユキ「そんなものより私を見ろ」
あ、圧が! 圧が凄い! 愛が重い! ポッと出のアイドルにまゆを取られてなるものかと嫉妬全開だ!
みんな笑顔でウルトラハッピー!
まあ分かっていたことだけど、鏡石を残されているっていう事はつまり……そういう結末よな!! これでいい、ベタだが、そのベタがいいんじゃないか! 現実に則ったラストも味わい深いけど、飛び抜けてハッピーエンドも良い。私はそう思うんだ。
遠吠え神社の修繕
特殊EDでは帰って来た日常を振り返って終わりにする、そう思っていたのにいきなり遠吠え神社修繕イベントが始まった。町長! あんた本当に有能で素晴らしい人だ。「君たちの事を忘れない」メッセージ性が、森の中から見守っているガオウやスバル達にもしっかり分かってもらえたことでしょう。
次回作へのバトンタッチ!
正直に言うと…
私「行かないでくれこむぎ!! 俺には、お前たちの純粋で優しい日々が必要なんだ!!!」
とか言いたい。言いたい! でも、1年でお別れなんだ! うぉおおおおおん!(遠吠え)
眩しいスポットライト! 始まる、サイリウムチェンジが!(作品が違う)
玉ねぎを頭に乗せた妖精が何か言っているけど、そうか、わんぷりには語尾に癖のある身近(メインキャラ)な妖精枠がいなかったから新鮮だ。メポとかラビィとかデシュとか、色々あったなあ。
「すっごくきらっきランラン!」
あれ? 主人公の方が変な語尾使う系!?
しかしこのキュアアイドルのデフォルメ顔……いいね、流石はプリキュア。可愛い。つまり、キュアウインクも凄まじい火力を伴う可愛いで私の脳を焼くに違いない。
うぉおおおおおおキュアウインクの、美脚がああああああ!! 真っ白に照らされて眩しいおみ足! アイドルって最高だぜえええええ!
総評
戦う手段を持たないプリキュア。敵組織の全容が半分すぎても分からない。なんだそれはと思う要素がてんこ盛りでしたが、作品の抱えるテーマが一貫していて「プリキュアの新しい形」を見た気がします。
動物と人の愛、人と人の愛など、朝からバトル以外の面でハラハラさせる作りがお見事でした。恐ろしい敵が出ないので、本当に小さい子でも楽しめる素敵な作品。劇場版も愛嬌たっぷりで、しかしテーマは忘れずに描いているからこの作品は本当に隙がない。
あえて欠点をあげるなら…初プリキュアにこれを選ぶと、他のプリキュアを見た時に「あれ、戦うの?」と困惑するくらいでしょうか。それくらいしか欠点はなかった。
声優さんも実力派揃いで、まゆの怪演もお見事。「わ、わぁ、わあああ、ぅあああああああ」が最も好き。
それではこれにて感想を終了いたします。次回作もきっと、楽しませてくれることでしょう!
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