悪役令嬢レベル99 12話(最終話)「裏ボス、魔王と戦う」感想

ユミエラ様は去り際の愛の伝道師ですわ!

前回のあらすじ

 いよいよ魔王との決戦間近。ユミエラ様は愛を知り、レベル上げの準備も万全、いざ往かん魔王討伐へ!

※この記事は【悪役令嬢レベル99 12話(最終話)】のネタバレを含みます。

今回のあらすじ

 魔王城に乗り込んだユミエラ様とゆかいな仲間たちは、遂に魔王と対峙する。恐ろしい力を秘めた魔王の知られざる過去とは? そしてユミエラ様をも阻む世界の強制力との決着やいかに!


騎士団長に並ぶ武力とカリスマ

 スケルトンやデュラハン、ドラゴン等で構成された魔王の軍勢が迫る。迎え撃つ王国軍の中にはパトリックや将来有望な学生たちもいる。中でも王国軍最強の騎士軍団長と並ぶレベル60まで成長したパトリックの活躍は目を見張るものがあった。ユミエラ様からのお土産で貰った風属性の槍、見事使いこなしてドラゴンを討ち取る大金星を挙げている。

 土壁による有利陣地の形成。類まれなる指揮能力。戦場を見通すスキル。ドラゴン強襲で指揮の落ちそうな局面を逆に利用する。彼の活躍は軍団長よりも、ジェネラル(将軍)と言う方が適しているだろう。彼がいれば絶対に負けないという絶対的安心感、精神的支柱でありながら決して驕らず誰にでも優しく強い、完璧な存在だ。この戦で彼の名声は辺境よりも遥か遠くにまで轟くことであろう。

おんぼろ魔王城

 魔王の軍勢との戦いはパトリック達に任せ、勇者一行+ユミエラ様はリューの背に乗っていち早く魔王城へ。強制力も今回は働かずにあっさり魔王城に到達した。……この魔王城、何か、ぼろい。奥行きがなくてほっそい。爆裂魔法一発で崩壊しそう。ユミエラ様、ブラックホールで先制攻撃しませんか? ……あ、そうか、ユミエラ様が魔王を倒すとエドウィン殿下と結婚する羽目になるのか、それはあかんな。

士気下げ

 ユミエラ様、これから戦いに赴く彼らの緊張を解して差し上げる優しさは大変評価ポイントなのですが、その……その質問はどうかとおも ウ゛!?

 素晴らしいですわユミエラ様! 好感度の上昇具合をここで確認する効率重視の手腕に感服いたしましたわ!!

まるでドラクエ6OP仕様のムドー

 魔王城に入ったけど衛兵との戦いが一切発生しない、そして奥まで行くと初見殺し拘束トラップで3人が閉じ込められる。この展開…………ドラクエ6のOPじゃん!!? ユミエラ様が捕まらないのは当然として、アリシア! 何で捕まっているんだ、不用心だぞ、あの地獄のようなレベル上げを忘れたのか!? これは帰ったらユミエラ様とのデートが必要だなあ!(アリシアは恐ろしさに悲鳴を上げた)

悲しい過去だ

 強いとはいえ、レベル99のユミエラ様には遠く及ばない魔王。纏う鎧を剥がすと中から出てきたのは歴史から抹消されたという黒髪の男。語られる男の素性、歴史の真実、追放系主人公みたいな闇落ち理由。

なんて悲しい過去だ、

感動的だな、

だが無意味だし、

浸りすぎぃいいいいいいい!!!

 遥か過去の因縁を無関係な時代にぶつけるのは八つ当たりと言うのだ! 妄執と怨念は断ち切らねばならぬ! ユミエラ様は彼と価値観を共有できない、この世には、分かり合えないことだってある!

ダブルブラックホール

 強い魔法を2つ出せば最強。バカみたいな理論だけどブラックホール2個って食い合って対消滅しないかこれ? 折角ならホワイトホールを出してスパークさせるとかすればユミエラ様に冷や汗をかかせるくらいは出来たものを。

ごふっ(渾身のギャグ)

 何はともあれ結局ユミエラ様の大立ち回りで魔王を撃破した。さっきも言ったけどこのままではエドウィン殿下と結婚する羽目になる! ユミエラ様、強すぎるって、罪でs

ザクッ

 アリシアの光の剣が油断していたユミエラ様の心臓を貫通した! 護符のお陰で死亡は回避したが、ついに来たな強制力! ユミエラ様は本来のゲームだと裏ボス。勇者一行がラスボスを倒した後に遭遇することで戦いになり、それを倒せばアリシアは好感度が一番高い存在とハッピーエンドを迎える筋書きだ。

 魔王を倒したレベル99のユミエラ様最大の敵はまだ残っている。この強制力をどうにか処理しない限り、彼女が安心して眠れる日は来ない。仮にアリシアを倒しても、アリシアに倒される運命を完遂させるために強制力は何度でもアリシアを復活させるだろう。自分で育てた特大の刃に刺される日が来た。

 アリシア以外の勇者一行にこの強制力が働かない理由は、ゲーム主人公(プレイヤー視点)だからだろう。

ユミエラ様「魔王の呪いでこうなっている」

 速攻でついたユミエラ様の嘘。アリシアをよく知らない人が刺殺の場面を見たら、「自分の名声、或いは邪魔者の排除のために虚を突いた」と映ってもおかしくない状況。しかし彼女の事をよく知っている3人はそんな邪念を一切抱かない。等しくアリシアを愛しているし、そういうことをしないという人望もあるからだ。

魔王「死後に濡れ衣着せられたんですけど」

 敗北者なんだから1枚くらい着とけ!(無慈悲)

イベントスキップのバグ技

 このゲームがタスク通りに物事が進むシステム上等な仕様なら、実は回避手段が残されている。大事なのは「裏ボスが登場し、戦いの末倒すことでハッピーエンドになる」この部分だ。

 裏ボス登場で戦いになってしまっていると思われがちだが、まだエドウィン殿下含む3人の男たちは暴走するアリシアを止めようとしているため、イベントバトルみたいな状況に収まっている。まだ戦いは発生していない。

 ではどうするか?

 ハッピーエンドを先に迎えてしまえば良い!!

強制力の穴

 アリシア周りには浮いた話がない。愛している者同士なのに学生期間中に告白イベント等の恋愛進行要素が一切なかったのは、強制力の賜物だろう。特定期間までに稼いだ好感度が最も高い者とエンディング時に結ばれるというフラグ回収に違いない。

 つまり好感度が上がる余地のある期間はハッピーエンドを迎えることが出来ない。

 その期間は恐らく、魔王討伐イベント当日までだろう。要するに、12話開始時点でエドウィン殿下ルートは既に確定しており、ハッピーエンドを迎える準備も出来ている。告白すれば、それですぐさま終わる。

 普通、ラスボスからの裏ボス登場により告白の機会は最後の最後になるはずだが、裏ボスであるユミエラ様が告白する時間を与える事により、ハッピーエンドを先に呼び出した。

 これにより、「ハッピーエンドを迎えた」=「裏ボス討伐済みフラグも立った」と強制力に誤認させ、ユミエラ様は生き残ったのである!! これまでの情報を総合すると、ユミエラ様の勝利である。バンザアアアアアアアアアアアアアイ!!

エレノーラ様の出番/ZERO

 その後、失恋の八つ当たりと充実した愛の力で残党もやっつけた勇者一行。迎えに来たパトリック、まるで竜騎士みたいでカッコいいぞ。誰も欠けずに終わることがこんなに嬉しいだなんて……原作とかだとアリシアの運命が色々悲惨極まるらしいからこれで良いのじゃ。……エレノーラ様の出番がエンディング以外マジで少なかったのはひっジョーに残念だったけども! 出番頻度がレベチ!!

私の居場所

 魔王討伐した勇者一行。勝鬨を上げて民と喜びを共有する。やはりこういう時には王族の発言力っていうのが一番効くな、本当はユミエラ様の手柄が9割だったけど、ユミエラ様は過度な名声を喜ぶお方じゃないのでこれで良い。

当のユミエラ様はパトリックの隣を選んだのだ。「私はここが良いの」と笑うユミエラ様の肩を静かに抱き寄せるパトリック、良いぞ、良いぞ……ユミエラ様を任せられるのはやはり貴方しかいません! 私の頭に流れる音楽はこれだ、アニメ終了後も幸せにな!

最後まで面白かった

 悪役令嬢系というとハメフラ以外は見ていなかった私。ユミエラ様の容貌に惹かれて視聴を始めたのだが、分かりやすいお話、作画崩壊を最後まで起こさない、声優の皆様方が非常にマッチしているなどの好感要素の詰め合わせでした。

 簡略化された等身低めのキャラデザも毎回可愛い。各々のキャラの魅力に貢献していたと思います。最初から主人公のユミエラ様がレベル99と最強なので、それ故に意図せず周囲を巻き込み振り回すのがギャグになっていて毎回面白い。

 フリーレン・薬屋・ブレイバーン・まほあこ等の強力なアニメが跋扈する魔境の中で、難しい事を考えなくていいけど続きが気になる作品として個人的に輝いていました。胸糞なお話もないためストレスフリーっていうのも良いところ。

 ユミエラ様のご活躍はこれで終わりですが、また2期があったら推していきたいです。以上、悪役令嬢レベル99の感想でした!

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