向精神薬の急減薬・一気断薬の危険性【ゆっくり減薬のトリセツ2023 vol.1】
私が精神科における多剤処方の問題を取材し始めてそろそろ8年近くなろうとしている。私はジャーナリストなので一気断薬や急減薬の結果としての悲惨な症状を取材者として多数見てきた。
特に2022年は、約10カ月にわたって毎週研究会を行ったが、なんらかの事情で向精神薬の一気断薬をしてしまい、その壮絶な薬害に苦しむ方と接することが多かった。
一般的にいうと向精神薬の多剤処方による副作用で苦しんでいる人の多くは、薬を減らすことで体調が良くなることが多いと私は考えている。
しかしその一方で、向精神薬を一気に、例えば1日とか1週間程度の早いスピードでやめたことにより、その後に出現する離脱症状で寝たきりになったり、自殺衝動を誘発したり、ジストニアという体に一部が意志に反して動いて止まらないという付随運動に苦しむ人がいる。
誰がその対象者かを事前に身極まる方法は今のところないようだ。だから脳に作用する向精神薬という薬は本当に慎重に扱わないと恐ろしい。
そして薬害とも言える激しい離脱症状に苦しむ方の中には、実は医師による減薬の失敗というケースも少なくない。
向精神薬の多剤処方は病名に関わらず減薬できて回復するという実例もたくさん取材させてもらったが、その影響については個体差がとても大きい。このためリスク回避のため、減薬する時は全ての人が計画をたて慎重に行わないと危険だと私は考えている。
時間をかけた減薬の可能性についてすでにまとめた内容は拙著『ゆっくり減薬のトリセツ』にあるけれど、2023年はさらに最新の情報を加えていこうと思う。
『ゆっくり減薬のトリセツ』(読書日和刊)https://qr.paps.jp/A23Bb
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