【ビジネス書を読む時間がない若手金融会社員・就活生向け!】クリティカルシンキング7
前回に引き続きクリティカルシンキングについて記載していきたいと思います
本日は、「状況分析①」について記載したいと思います
状況分析
状況を分析するとは、「分析対象のどこにどのような特徴があり、なぜその特徴が生まれているのかを解き明かす」ということです
これまで、様々な論理展開手法を記載してきましたが、どんなビジネスにおいても成功要否は多くの要素が絡み合っています
何となく、目につくところや自分の関心に近いところに着目してしまいがちですが、先ずは状況(現状)を正しく捉えることが重要です
このように、複雑なビジネスシーンを正しく捉えるための思考技術が「状況の分析」です(言い換えると、高い解像度で状況を理解する、ということです)
状況分析に欠かせない基本動作
a.構成要素に分解する
b.分析対象を多面的に捉える
a. 構成要素に分解する
分解とは、分析対象をそれを構成する個々の要素に漏れなくダブりなく分けることです
例えば、全社の売上を「製品Aの売上、製品Bの売上、製品Cの売上」に分けることや、「販売単価×販売数量」に分けることです
こうした分解を行う際に押さえておくべきポイントが、「MECE」と「切り口と切り方」となります
MECE
分析をする際、完成度を確認するのに役立つのが「MECE」(Mutually Exclusive, Collectively Exhaustive)です
重要な点の見落としや同じことを考えていないか、をチェックします
MECEの具体例としては、以下となります
・人⇒男性、女性、その他or既婚者、未婚者
・出版物⇒雑誌(週刊、月刊、季刊、その他)、書籍その他、ロジックツリーやマトリックス図はよく使用されることが多いです
また、MECEの切り口としては、以下があります
・足し算型:顧客を年齢層で分ける、営業エリアを地域別に分ける等
・変数型:利益を「売上-コスト」に分ける、売上高を「数量×単価」に分解する等
・プロセス型:不良品発生件数を加工段階に沿って「原材料」「仕掛品」「完成品」に分ける等
切り口と切り方
切り口とは、「分析対象を分解する視点」であり、切り方とは、「その視点で分析対象を切る際の切れ目に入れ方」を指します
切り方を考える際は、以下ポイントに留意すると良いと言われています
①いきなり細かく分解しない
例えば、コンビニ売上を商品別で分解する際、いきなり「おにぎり、弁当、お茶、、」と切るのではなく、「食べもの、食べられないもの」というように大きな分解から行っていく、という意です。先ずは全体を2~3個に分けることが重要です
②全体に注意
MECEに分解する際の全体はどこまでか、といった範囲を確認することが重要です
③範囲を示す言葉の意味を明確に
分解された一つ一つの項目がどこまでを含むのか、範囲は明確に分かるようにしておくことが重要です
例えば、時間帯を「朝、昼、夜、深夜」で切る場合、それぞれが何時までなのか、人によって判断が分かれてしまいます
④連続した量を切るときに切れ目の意味をよく考える
時間帯を切るときに、何となく6時間ごとに切るのではなく、コンビニ売上に繋げたいのであれば朝食、昼食、夕食の時間を意識して切ってみる、という工夫を行うことが重要です
b. 分析対象を多面的に捉える
現状を見る際は、これまで見えてこなかった角度での示唆を見つけるべく、様々な切り口・切り方で多面的に把握することが望ましいです
上述したMECEの切り口を複数検討することが、新たな発見につながるかもしれません
一方で、ざっくりと現状を把握する部分と、じっくりと現状を把握する部分を分けることで、深い分析と多面的な分析を両立させることが重要です
いかがでしたでしょうか
本日は、状況分析①として、「状況分析に欠かせない基本動作」を記載しました
次回は、状況分析②として、「状況分析の4つの視点」を記載したいと思います、お楽しみに!