若手社員に物分かりのいい上司と思われたくて、やりすぎちゃってる上司5選
近年、世代間ギャップに悩む昭和生まれのマネジャーが増加中。若手社員との関係性構築に奔走するあまり、本来の役割が崩壊しているマネジャーも少なくありません。
ある調査によると、マネジャーの62%が若手社員とのコミュニケーションに課題を感じているそうです。今回は、そんな大海原のような広い理解力を示そうとする「物分かりのいい上司」を演じすぎてしまう、ちょっとお茶目なマネジャー5選です。
1. 「フラットな関係」を強要するシステム開発部長
「ヤマちゃんって呼んでよ!」と、朝一のチームミーティングで叫ぶ山田部長。Slackでは絵文字の嵐、飲み会では「フラットに行こう!」が口癖。若手エンジニアたちは互いに顔を見合わせ、レギュラー西川君並みに目をひん剥き、志村けん並みに口元をアイーンとしているのだが、本人だけは100年後も気づくことはできない。
表立って誰も「ヤマちゃん」と呼んでくれないが、裏では部長そのものが「フラット」というコードネームで呼ばれている。
2. 「トレンド追っかけ」マーケティング課長
「あざます!」「それな」を連発する鈴木課長。企画書をプリントアウトした上「#ガチ推し」「#エモい」など赤ペンで書き込み。先日のプレゼンでは、突如TikTokダンスを披露し、会議室がマグロ専用の業務用冷凍庫並みに凍りつきました。若手マーケターたちの鼻水は永遠に止まりません。
3. 「24時間対応」営業部次長
「いつでも相談してね!」が口癖の田中次長。深夜12時のLINE、早朝5時のチャットが入ります。
総勢15名の全若手社員が、寝る前にスマホをサイレントモードに切り替える習慣が身についたそうです。また、朝起きてから無意識のうちに、スマホのポップアップを瞬時にスワイプして削除しています。
4. 「カジュアルファッション推進派」経理部長
細身のスキニーパンツにスニーカーで出社する木村部長。昨日はやりすぎなダメージジーンズにビーチ用のサンダルでした。
一応高級ブランドらしいのですが、フロア中の全社員が「ブランドものだからいい」と思ったことは一度もありません。当の若手社員はユニクロとGUの生地感、サイズ感を絶妙に組み合わせてオシャレにまとめています。
5. 「ゲーミング」経営企画室長
会議をすべてゲーム化した中村室長。議事進行は「クエスト」、意見することを「スキル発動」、決定事項は「レベルアップ」と呼びます。
「本日のクエストは厳しくそして長い闘いになりそうですが、どうぞよろしくお願いいたします。」
「この件に関しまして、どなたかスキル発動されるかたはいらっしゃいますか?」
「以上がレベルアップとなります」
そこまで若手ウケは悪くないのですが、ゲームをやらない若手社員にとっては意味が全くわからず、本気なのかふざけているのか混乱するそうです。
年齢層をあらわすときに、X世代(1965~1979年生)、Y世代(1980~1995年生)、Z世代(1996~2012年生)という言葉があります。ステレオタイプに定義すべきではないと思いますが、世代間の一つの傾向として捉えるとわかりやすいので、少しまじめな解説をしたいと思います。
45歳以上のいわゆるX世代が会社を通じて積み上げてきた価値観はこんな感じでした。
良い大学、良い就職、定年まで勤めあげるということが美徳
「24時間働けますか」というほど働きマン
氷河期も経験し、苦労して就職したこともあり、会社への忠誠心もある
一方で、Y世代、Z世代に「仕事のため」「会社のため」という内向きな言葉は刺さりません。
それよりも、"個人"がいかにウェルビーイングな状態を保てるか、Comfortableな環境で日々を送ることができるかが大切な価値観です。また、会社よりも"社会"に対してよい活動であるかということが重要です。
当然ながら、会社の活動は、その商品やサービスを通じて社会が良くなることを目指します。だから会社の活動が大事だという内側からの論理展開は、Y・Z世代には響きません。
こんな社会を目指そうよ、こんな世の中にしたいよね、ということが先に来て、そのために仕事をするという順番で理解してもらう必要があります。
結局同じことだろ、というX世代はY世代・Z世代を理解しようとしていません。価値観とは優先順位であり、その順番が重要です。
「フラットな関係」も「カジュアルファッション推進派」もとてもいい施策と思いますが、本質を理解すると、物事をすすめる順番やその伝え方が変わってくると思います。
ということで、以上がレベルアップとなります。最後までありがとうございました!