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アクロスでスナップ


光と影のあるコントラストの強い画面だった。
横断歩道を横切る間際に、その光と風に反応して、ノーファインダーに近い形でシャッターを押した。

出来上がったものは、ピントも合っておらず、露出も曖昧な感じがした。
かろうじて手前の女性の白い服は飛んでいないようだ。

フィルムの時は、その粒子や質感、物質性により、ピントやボケブレが許容されるということはよくある。
しかし、デジタルだと、それがどこか気持ち悪い。
デジタルが出た頃から、そういう思いはずっとあった。同じように思っている撮影者は多いと思う。

二、三日経って、またディスプレイを眺めてみる。
決まりきっていないその絵は、案外悪くないように思えてきた。
この時はフォーカスをオートにしていたので、画面中央辺りのフォーカスポイントにフォーカスが合って、シャッターが切れたのだと予測する。

x100fのフォーカスは早い。
使い始めた当初はノーファインダー時は、マニュアルに設定していたが、近頃はオートでも絞っていれば、その瞬間に間に合うように、フォーカシングしてくれるのでオートのままにしている。
とっさに雑に撮影しても、そこには余裕があるように見える。

f10 s900 iso400 acros

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Tokimaru Tanaka
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