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千葉県安房郡鋸南町と富津市との境に、鋸山という山がある。登山をする者の中では低山とも呼べないような329mの山である。
僕はこの場所がしばらく気になっていた。理由は二つある。
「魔法陣グルグル」という漫画があって、その中に同じ名前の山が出てくる。魔法陣グルグルは僕が小学生くらいの頃、まだ漢字も読めないくらいの頃の漫画だから随分記憶はおぼろげだが、ノコギリヤマという響きだけは幼い時代の匂いや記憶と共に、なぜかずっと心に残っていた。
そのノコギリヤマが、千葉県の「鋸山」を差しているのかは知らない。だが冒険というのは、そんなどうでもよい音の響きから始まったりもする。
そしてもうひとつの理由は、良く撮影する招聘モデル(外国人モデル)たちが何故かこぞって「鋸山」に行っているのだ。彼/彼女たちは2ヶ月ほど、一時的な東京滞在の間に多くの仕事をこなす。休日も若手フォトグラファーの作品撮影なんかに駆り出されたりして、忙しい日々を送っている。そんな彼/彼女たちの会話に、富士急ハイランド、ディズニーランド、アサクサの次くらいに「ノコギリヤマ」が出てくる。
こういうと失礼だが、わざわざ東京から少し移動が面倒な、それも高くも無い山に何が楽しくて行っているのだろうか。
いや、そこには何かあるに違いない。
そんなことを考えているうちに、僕の中の興味は次第に育っていたようで、気づけばザックに、カメラと帽子とライトと飴と、水を詰めて歩き出していた。
神奈川の久里浜の港から、房総半島へ渡る。
かもめたちと戯れながら、フェリーでわずか40分で向こう岸に到着する。
繋がる幼少期の記憶、それはただ一日の記録。
ほぼセレクト無しで90枚、お楽しみください。
All photos by LeicaM10-D + summicron 50mm
©Tokimaru Tanaka 2019
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