
話しませんか〜ときの場合
ー涙ー
あれから、ふたりに出会えていない。
奈帆さん、憂美さんは今、どうしているのだろう?
この店が見つからないのであろうか。
この店とシンクロ出来ないと言う事は、ふたりとも幸せなのだろう。
俺はと言うと、情無いことに、今一つ笑顔になれない。
最近、そんな俺にも、良いことがあった。
と言っても、大したことでは無いのだが。
欲しかった、K文字のピンが手に入ったのだ。
一目見て気に入ったピンバッジ。
「K」が好きなのは、俺の頭苗字だからかも知れない。

俺は、ピンバッチをお守りのようにカウンターに置き、少々ご満悦だ。

「ぽんっ」とスマホの画面が開いた。
noteから、新着のお知らせのようだ。
そこには、
「真珠女」 と、あった。
憂美さんの新しい作品のようだ。
ーーーーーーーーーーーーーーー
気づいた時には、涙でぐしゃぐしゃになった自分がいた。

涙を拭き、カウンターに目をやると、

!!!
奈帆さん、憂美さん、
会いたい、会って話がしたい。
奈帆さん、憂美さんもう一度会いたい。
会って、会ってもう一度、話しませんか。
了
※この文章は、小説「真珠女」作者、春野憂美さんの許可・監修を得て、投稿させて頂いています。