手話教室2日目
市町村が主催する手話教室は基本無料だ。(テキスト代のみ5000円/年 ほど支払いが必要)
1年間同じ曜日に参加し20名ほどで同じプログラムを学ぶ。
今日やっと「自己紹介をしてみよう」と題して講座が始まった。
前に注目するよう言われた後ホワイトボードに参加者の名前が表示された。
その後一人ひとり前に出てくるよう指示があり、1人ずつ講師から自分の名前の手話を教えてもらうことになった。
参加者が前に出て、先生の前に立つ。
先生は名札を眺めて少し考え「あなたの名前はコレだよ」と手本を見せてくれる。
参加者は自分の名前の手話を覚え、皆の前で披露する。
一連の流れで言えばなんとも無い一面なんだけど、実際の場では参加者は先生の手話を期待に満ちた目で待ち望み、初めて名付けられたように自分の手話を披露した。
何度も繰り返される「名付け」の場面を私は不思議な気持ちで眺めていた。
参加者は自分の名前を初めて知ったように嬉しそうだし、先生は「この子にはどうやって名前をつけよう」と考えるような仕草もみられた。
(実際はそれぞれの名前を表す漢字をどうしようか考えていただけなのだが。)
ただの自己紹介の練習がなんだか神聖なものに見えた。
参加者が自分の名前を披露すると、他の参加者もその人の名前を手話で繰り返す。
なんだかそれすらも名付けを祝福する民のようにでもなった気分だった。
おめでとうおめでとう、新しい名前だねと皆がその人の名前を手話で繰り返す。祝福する拍手にも似た手話が一斉に花開く。
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